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「大丈夫ですよ。ただ、それだと羽田発が午前7時で那覇で乗り継ぎをしていただいて、与那国島に到着するのがお昼過ぎですね」
「どうしよう? そこから島巡りは、ハードかなあ?」
「レンタカーをお借りになれば島1周するのに1時間ほどの規模ですので……」とスタッフさん。
「1泊するなら大丈夫じゃない?」
「だよね! いい?」
「うん! いいよ」
そして、両家の両親に、3月3日で、確認を取り、
OKが出たので、予約した。
結局、3月3日にチャペルで挙式とパーティー。
そして、3月23日から3泊4日で与那国島と宮古島へ新婚旅行に行くことにした。
宮古島で記念のフォトも撮影してもらうことに……
これだけしても、大人数で披露宴をするより、う〜んと、お安く済む。
「来年は、波照間にも行きたいなあ〜それに、八重山諸島がまだまだいっぱい」
「うんうん、そうだな毎年行こう!」と匠は言ってくれた。
後は、後日ウェディングドレスの試着と予約だが、
もう既に予約が入っているドレスも多いので、着てみたいドレスがあれば先にご予約を! と言われたので、やはり見せていただくことにした。
本当は、今日指輪を買いに行くつもりだったが、
明日にして、急遽、先にドレス選びをすることにした。
今日は、このホテルに泊まりだし、夜ご飯までまだ時間はあるので良かった。
「うわ〜素敵〜」と、たくさんの綺麗なドレスを前にして、目をキラキラさせてドレスを選ぶ。
和装も色物もあるが、私は純白のウェディングドレスのみで良い。
ウェディングドレスと言っても、色々なデザインのモノがあり、目移りしてしまう。
「コレも良いなあ、あっ、こっちも良いな〜匠どれが良いと思う?」
楽しい時間だ。
とりあえず3点まで絞って、試着させていただく。
「どうかな?」と、着替えて出て来ると、
「うわ〜綾、綺麗〜」と褒めてくれる匠。
「とても良くお似合いです」とスタッフさんも褒めてくださる。
3着違うデザインのモノを着てみて、
どれが良いか匠に聞くと、
「全部良かったけど、強いて選ぶなら、1番最初のかな」と言う匠。
実は私もやっぱり第一印象で、1番目に着たドレスが1番良かったのだ。
「うん、ならコレに決めよう!」と、予約を入れた。
そして、匠のも……
黒、白、シルバーから選ぶことに。
匠は、スタイルも良いので、どれも似合っている。
スタッフさんにも、
「お似合いですね、素敵です。お2人共まるでモデルさんのようですね」と、言われてとても嬉しかった。
お互い見つめ合って、微笑む。
「匠、カッコイイ〜」
「ありがとう、綾も」
匠は、白よりもシルバーと黒のスーツが良く似合っていたし、私のドレスのデザインにも合うと言っていただいたので、それにした。
その他、細かい打ち合わせは、もう少し近くになってからということになった。
ようやく、なんとか形になりそうだ。
そして、夜、私たちは又、新たな発見をしたのだ!
両親たちにも再度連絡し、現状を伝えた。
4人は、タクシーの予約時間ギリギリまで一緒に過ごしてから無事に帰ったようだ。
良かった。
仮に着たドレスの写真を家族メッセージに送った。
〈まあ、素敵!〉と母
〈綾さん、とても綺麗だわ〜〉とお母様
〈匠くんもさすがだわ、とっても素敵!〉と母
〈うん、匠も似合ってるわ〉とお母様
盛り上がっている。
〈綾、馬子にも衣装だな〉と父
〈2人共お似合いですよ〉とお父様
〈匠くん、カッコイイ〜〉と父
「お父さん、最低〜! 褒めてないわ! 酔っぱらいめ!」と言うと、
「照れ臭いんじゃないか? 本当は、きっと寂しがっておられるんだと思うよ」と言う。
「そうかなあ?」
「うん、そうだと思うよ」
しばらく、ずっとムスッとしていた厳格な父が、
今では、こんなにも柔軟になってくれた。
もともと、そういう人だったのだろうけど、
私に彼氏が出来た! と母から聞いた学生の頃から、少しずつ距離が出来ていたような気がする。
母を介して話すようになっていたのだから。
なのに、大人になった匠とは、すぐに打ち解けた父。
よっぽど匠のことも、我が子のように大事にしてきたのだなと思った。
そして、案の定、
〈私たちも沖縄に行きた〜い!〉と言って来た母。
「あ〜ほら言うと思ったのよ」と言うと、
「俺は、別に良いよ! ホテルの部屋さえ別々なら」と言った。
「それは、当然だけど、いやいや、新婚旅行だよ! そんなこと言ったらホントについて来ちゃうよ!」と言った。
「うん、ウェディングフォトの時だけ合流なら良いけど」
と言うので、
「え〜ダメダメ! ホントに来ちゃうってば! 匠、そんなこと絶対うちの両親の前で言っちゃダメよ!」
「うん、分かった」と言いながら笑っている。
──あやしい……
朝から疲れたので、とりあえずチェックインして、
お部屋へ
「あ〜疲れた〜」と、ベッドへダイブ!
「うわ! 服、皺になるぞ! ま、いいか、じゃあ俺も!」と匠もジャケットだけ脱いでダイブした。
「ふふ」
「疲れたなあ〜お疲れ」
「うん、お疲れ様〜このまま寝れそう〜……」
「え? 少し寝る?」
「うん……」と、もう私は、一瞬で寝落ちしていた。
匠は、もしディナーの時間までに起きられなかったら……と、スマホで目覚ましを合わせる。
しばらく起きていたようだが、お酒を飲んだこともあり、気がつけば匠もウトウト眠っていたようだ。
そして、
スマホの目覚ましの音楽で目が覚めた!
「わっ! ビックリした〜! 朝かと思った!」
「うん、俺も寝てた。万一の為に目覚ましかけてた」
「ありがとう」
「うわっ! ホントに皺になっちゃった」と私はワンピースを見る。
「ハハッ、ホントだ!」と言う匠も、
「あっ! 俺も……」とシャツに皺がよっている。
匠が立ち上がって、テーブルに置かれていた箱を持って来た。
「ん? 何?」と言うと、
「着替え、開けて! 受け取ってもらってたから」と言う。
「え〜!」と慌てて箱を開けると、突然お泊まりになったので、下着と着替えのワンピースが入っていた。
「すご〜い! こんなサービスまであるの?」と言うと、サイトからポチッとして受付で受け取りをお願いしていたようだ。
だから、私が『着替え無いよ』と言った時、匠は『大丈夫!』と言ったのだ。
「朝ポチッとすれば、その日のうちに届いて部屋まで届けてくれるみたい」
「便利な世の中だね〜」と、私は、またお婆ちゃんみたいなことを言ってしまった。
下着を見てみる。
黒のブラとパンティのセット。そして、それとは別に何か入っている。
「匠くん、コレはどういうことかな?」と匠にみせながら言うと、
笑っている。
美和に貰ったセクシーランジェリーのボルドーバージョンが入っていた!
「え〜アレ良かったから、色違いも良いかな〜と思って」と言う。
「ふっ!」
しかも、「ブラのサイズ、良く分かったわね〜?」と言うと、「朝、綾が支度してる時にサイズ見た!」と言っている。
「そうなんだ〜ありがとう〜」
「いいえ、どういたしまして」と笑っているので、セクシーボルドーを手に持って振り回すと、笑っている。
「今夜着てね」と私を抱きしめて言う。
「そうね〜起きてたらね〜」と言うと、
「さっき寝たから大丈夫でしょ」と言う。
「ふふ」
笑ってごまかした。
下着は、お風呂上がりに着替えるとして、明日着るはずのワンピースに早速着替えてみる。
匠の目の前で下着姿になって着替えるものだから、
ジーっと、それを見つめている。そして、背中のファスナーを上げてくれる。
匠が選んでくれたのは、くすみ系の落ち着いたピンク色でとても可愛いワンピース。
「綾に似合うと思って」と、
「ありがとう〜」
「良く似合ってる」と微笑みながら、抱きしめた。
そして、キスをする。
匠は、泊まると分かっていたが、荷物が多いと私にサプライズを気付かれると思って、自分のも替えのシャツと下着を買ったようだ。
「俺は、ジャケットを羽織れば皺は見えないから、シャツは明日着替えるよ」と。
「うん」
そして、予約してくれていたレストランに向かった。
そこは、70階にあるフレンチレストラン。
素晴らしい夜景に、絶句してしまうほどだ。
「うわっ!」
「凄く綺麗だな」と言う匠に、私は、放心状態だ。
窓側の席に案内される。
「綾、大丈夫か?」
「う、ん、凄すぎて……綺麗〜」と言って、私は、窓から見える夜景を端から端まで見渡していた。
「ありがとうね〜匠」と言うと、
「うん、俺、綾とこういう所で食事したかったから」と言ってくれた。
「うんうん、凄く嬉しい!」と笑顔で言うと、
「今年のクリスマスは、もう今からじゃ予約取れなかったから」とポツリ言う匠。
──調べてくれてたんだ
その気持ちだけで嬉しい
「ううん、ありがとう! クリスマスは、部屋で一緒に過ごそう!」と言うと、
「うん」と笑ってくれた。
そして、シャンパンで乾杯すると、順番にお料理が運ばれて来た。
一流料理店だから、どれも美味しくて、1品1品驚きながらもゆっくり味わっていただいた。
「う〜ん、美味しい〜」
「うん! 美味い!」
そして、
「結婚式、楽しみだね」と言うと、
「うん、すっごく楽しみだな」と微笑む匠。
この笑顔とずっと一緒に居られるんだ。
そう思うと、凄く幸せなことだと実感した。
今までのことを思い返すと、なんだか泣きそうになったので、何か違うことを考えなきゃと、必至に堪えて面白い話題を探す。