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大英帝国は、見た目は女性らしいけどバリバリ男です
書斎は、依然として血と絶望の匂いに包まれていた。
ソ連は左眼を包帯で覆い、机にうずくまって震えている。
ナチスは膝に崩れ、頭を抱えたまま荒い息を吐く。
「誰か来たな」
イギリスの軽やかな声が、密室の重苦しい空気に響く。
その後ろから、大きな影が現れた――
大英帝国だった。
その姿は圧倒的で威厳があり、しかしどこか穏やかで落ち着いた空気も同居している。
ソ連は思わず目を見開く。
「…えっ…?」
ナチスも膝から顔を上げ、震える手で額の汗を拭った。
「…こ、これは…」
視界に入った国家の擬人化は、圧倒的な存在感と、イギリスへの安心感を同時に与えた。
イギリスは少し照れたように微笑み、両手を広げる。
「二人とも、怖がらなくて大丈夫だよ」
その声には優しさと、母国の威厳、そして守る意志が混ざっている。
大英帝国はゆっくり歩み寄り、書斎の空気を落ち着かせる。
その視線は柔らかく、しかし確固たる力を宿していた。
「僕が来たから、もう少し落ち着けるよ」
ソ連は震える手をナチスに伸ばす。
「…ほんとに…?」
ナチスも小さく頷き、荒い息を少しだけ整えられる。
血と絶望の密室に、微かだが新しい風が吹き込んだ瞬間。
イギリスの母国、大英帝国――その登場は、二人にとってほんのわずかながらも希望の兆しとなる。