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『邪魔をするなよハナフダ』カイドウが金棒を手におでんと相対する。
(こりゃ邪魔できねぇな…)ハナフダはそう心の中でそう呟くとその場を退いた。
『雷鳴八卦ェィ!』『銃・擬鬼!』両者は大きく地面を蹴り飛び出した。カキン!バチバチバーン!直後凄まじい覇気が鬼ヶ島を包む。
その覇気が飛ぶと同士に意識を失う者もいた。
『zzZ…ん?こりゃあ…!?』突如その覇気を感じたアマガサは眠りから覚め飛び起きた。
(なるほどな、遂に決戦か)そう思ったアマガサは辺りを見回す。
すると自分とは真反対の方向から声が聞こえてきた。
『ゼェゼェ…クソッ!侍風情がァ!!』(この声はサイエン!?)アマガサがその方向に目を向けるとサイエンが力無く横たわっていた。
『俺の可愛い舎弟をよくも…ブッ殺す!』しかしサイエンは威勢は良いものの、もう体は限界だった。
『やめておけサイエン!そいつらの相手は俺だァ!』『…ッ!?アマガサさん…』アマガサはサイエンを庇うように立ち金棒を構えた。
『テメェがでんじろーだな?横にいるのは菊之丞か…』『菊之丞!気を引き締めろ!』でんじろーはアマガサの強さを察知したのかより一層強く刀を握った。
(空気が重い…!アマガサさんはこいつらよりも強い奴と殺りあってまだこんな余力があるのか!?)凄まじいアマガサの底力にサイエンは驚愕する。
(極雷八卦は体力の消耗が激しい…使うのは厳しいな)
『行くぞ菊之丞!』突如でんじろー達は構えて地面を蹴る。
(来るか!)『雷太皷!』アマガサもそれに呼応するように打撃を繰り出す。
(やはり疲労が溜まって押されるな…)アマガサはサイエンを庇ったものの、劣勢なのは明らかだった。
『隙あり!』(なっ!?)突如でんじろーは突きを繰り出す。
それは疲労したアマガサにとって躱わせない位置だった。
(マズイ!)ヒューン!ドーン!直後でんじろーに何かが命中した。
『でんじろーさん!』『ムハハハハ!残念だなァ!』その声を聞いたアマガサは顔を明るくして振り返る。
(人獣型か!)そこにはボロボロながらも立ち上がったサイエンの姿があった。
『お共するぜ!アマガサさん!』『頼むぜサイエン!』直後サイエンからアームが伸びる。
『きゃあ!』『菊之丞!?』その瞬間サイエンのアームは菊之丞を掴み遠くへと投げ飛ばした。
『菊之丞ォ!』でんじろーは菊之丞の方へと行こうとする。
『そうはさせねぇよ!』『なっ!?』でんじろーが目を向けた先、そこには差し迫るアマガサがいた。
(躱せも防げもしない…ここまでか)『雷太皷ォ!』アマガサが放った打撃はでんじろーの横腹に直撃した。
『グハッ!』他の赤鞘九人男たちに続きでんじろーもここで意識を失った。
『サイエン!菊之丞の相手を頼む!』『了解アマガサさん!』修羅場を潜り抜けたアマガサは再度戦場を駆け抜け始めた。
『おいアマガサ!』『おぉハナフダ!』アマガサはアシュラ童子とケリをつけたハナフダと合流すると二人並んで走り始めた。
『ハナフダ、疲れているところ悪りぃがカグラの救援に行ってやってくれ!俺は河松にトドメを刺しに行く』『わかった、生きて帰ってこいよ!』そうして二人はそれぞれ別の方向へと走り始めた。
『滅無川!』(来たか!)カキン!アマガサは河松の不意打ちを弾き返す。
(モンテロに吹き飛ばされたダメージと腹に銃傷一発か…これならやれる!)そう心の中で呟いたアマガサは金棒を構える。
(ある程度体力は回復できたが極雷八卦を使えばまたすぐに動き出すことはできねぇだろうな…だがやるしかない!)覚悟を決めたアマガサは金棒を居合の姿勢で構える。
『極雷八卦ェィ!』突如アマガサが大地を蹴る。
しかし、河松はそれを見てもずっしりと構えていた。
『おりゃぁぁ!』アマガサは河松に対し金棒を振るった。
『櫓流桜!』ドーン!ズザザザザー!(決まった…ハッ!?)アマガサが顔を見上げた視線の先そこには血だらけの河松が立っていた。
(仕留めきれねぇとはな…)それでもなおアマガサは金棒を構える。
『さて続きと行こうか!』直後河松が飛び出す。
『海野川ァ!』『ガハァ!』アマガサは連戦の疲労によりその斬撃を躱わすことができなかった。
(コタツの斬撃もそうだが、コイツらの斬撃は一撃ごとに深いな…)アマガサなんとか気合いで踏ん張ると直後河松の腕を掴む。
(なんという握力!)『ドリャァァ!』アマガサはそのまま河松を地面に叩きつけた。
(これもそうだが、先程の銃弾のダメージが手痛い…)河松は心の中でそう呟くと意識を失った。
(これ以上の連戦は厳しいな…)そう思ったアマガサは地面にへたり込む。
一方その頃カグラは雷ぞうと斬り結んでいた。
『くらうでこざる!』(…ッ!?煙幕!?)その瞬間辺りにはたちまち煙が広がり視界は悪くなった。
ヒュン!グサッ!突如カグラに何かが突き刺さる。
(手裏剣か!)カグラはそれに気づいた途端刀を振い続いて飛んできた手裏剣を薙ぎ払った。
それと同時に煙が晴れようとする。
(なんだ…嫌な予感が…ッ!?)シャキン!『覚悟ォォ!』カグラは首元に刀が来ていることを知るともうどうにもできないと悟った。
ガキン!(…ッ!?嘘だろ)カグラが恐る恐る目を開け目にしたものそれは刀に巻きついた鎖鎌だった。
『ハナフダ!』『大丈夫かカグラ!』直後ハナフダは鎖鎌を力一杯引く。
『なっ!?刀が!?』雷ぞうの手から刀が離れる。
それと同時にハナフダ棘鉄球を投げ飛ばした。
『当たらぬわ!』(身軽な忍者に棘鉄球は上策じゃなさそうだな…)しかしハナフダの攻撃は止まらない。
『ガオオオォォ!』バチン!『なっ!?グオオォ!』ハナフダはティラノサウルス化すると尾で雷ぞうを叩き飛ばした。
その勢いのままハナフダは雷ぞうが飛んでいった方向に走っていく。
(…ッ!?煙幕?マズイ見失った!?)その後雷ぞうはハナフダ達の前に姿を見せなかった。
(この合戦ももう終わるはず…カイドウさんはまだやりあってるのか!?)そう思ったハナフダは辺りを見回す。
(恐ろしい覇気…まだやりあってんのか!?)その後ハナフダはアマガサと合流することを決めて走り始めた。
バリバリ!ビリビリ!『咆雷八卦ェィ!』『銃・擬鬼!』カイドウとおでんは未だに一騎打ちをしていた。
(俺は死ぬのか…!?)しかし、意外にもこの戦い優勢なのはおでんの方であった。
(あと少しで押し切れる!ワノ国を…取り返せる!)そう心の中で呟いたおでんは強く大地を蹴った。
『殺魔上げェィ!』『グオオォ!』カイドウはたまらず後退りする。
(なんだ片方の覇気が弱くなってる…もしやカイドウ!)異変に気づいたハナフダはカイドウの元へと走り始めた。
『おでん!俺が相手d…!』ズドォーン!ハナフダが目にしたものそれはおでんを叩き潰したカイドウの姿だった。
(嘘だろカイドウ…!?今までこんなにボロボロになることは無かったというのに…!?)『ゼェゼェ…ウォロロロロロロォォ!』カイドウは鬼ヶ島に響き渡るように雄叫びを上げる。
『大丈夫かカイドウさん!医療隊早く来い!』そこに駆けつけたカグラも驚いた表情でそれを見ていた。
『でんでん虫を…頼む』カイドウがそう言うとハナフダはでんでん虫を取りに行って戻ってきた。
でんでん虫を渡されたカイドウはでんでん虫に向かってこう叫んだ。
『お前ら!!この戦争、俺たちの勝利
だァァ!』『ウオオオォォ!』辺りから歓声が響き渡る。
その歓声でアマガサも目を覚ます。
(おいおい、ホントにすげぇよカイドウ!…)こうして百獣海賊団史上最大の戦いは終わりを告げたのであった。
第14話 完