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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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「鬼塚教場、五条芹那。教官室に来い」


放送がなる。


「えー」

「五条、何したんだ?」

「何もしてないよ」

「セリだけ呼び出しとか珍しいな」

「行って来る」

「いってらー」


私は教官室に行く。

コンコンコン


「失礼します。鬼塚教場、五条芹那です」

「来たか」


鬼塚教官に連れられ個室に入った。そこには黒スーツの男2人が居た。まるで補助監督の服装だ。


「五条様。お待ちしておりました。私、警察庁警備局特殊課の佐藤と申します。」

「同じく斎藤と申します」


呪術界の息がかかった課だ。私にそう言う態度なのも分かる。


「どうも」

「単刀直入に言いますと、スカウト、と言う名目でお会いしに参りました」

「私は元からそこに配属される事になってますよね?だからスカウトと言うよりも、確認しに来たのでは?」


そう。私の役割は呪術界と警察のパイプ。呪術界の上と警察の上は知っている。つまり、私がちゃんと分かっているか確認しに来たのだ。


「ええ。その通りです」


そこからは早めの課の説明をされた。簡単に言うと、この課は警察がこちら側に踏み入れようとした時の捜査の中止、隠蔽、時に協力を主に行う。課の人間は全員補助監督、窓、呪術師で構成されており、皆本業はそっち。警察なのはサブ。そして警察だとバレてはいけない。この課が存在している事も基本隠さなくてはならない。まあ、基本呪術師だからバレることもないだろうが。


「分かりました」

「これからどうぞよろしくお願いします」

「はい。失礼します」


私は教官室を後にした。


「ふう…」


私がここを卒業したらみんなと会うこともなくなるのだろうか。寂しいな。次は移動教室だったな。階段を降りている時、誰かに背中を思い切り押された。人の気配はしていたが突き落とされるとは。私は階段を転げ落ちる。無下限を張ったため怪我はない。


「何のよ、う!」


私に馬乗りになり頬を打たれた。口の中を切る。あれ?無下限は?


「お前が!お前が悪いんだ!!」


私を突き落とし、殴ってきたのは男だった。こいつ、どこかで見た気がする。いつだ?誰だ?


「お前が!俺の告白を断った上にあいつらと仲良くするから!!手紙も無視しやがって!!」


ああ。思い出した。私に告白してきた男だ。確か大学が同じとか何とか言ってたな。私は殴られ続ける。なんで無下限張れないの?手が震える。もしかして私、怖いの?相手は一般人。ただの一般人なのに。ああ、そうか。小さい頃に呪詛師に襲われ犯されかけた。あれに似てる。悟が助けに来てくれたんだっけ。私の唯一のトラウマ。粘着質な人間。あの時と同じように馬乗りされる。あれ?無下限どうやって張るんだっけ?


「殺してやる!殺してやる!!」


首を絞められる。動け、術式を張れ。どうして、動かない!


「はっ。ただ殺すのも勿体無い。一回抱かれとくか?」


「ヒュッ」


私は制服のボタンを引きちぎられる。


助けて。










「何してやがるてめえ!!」


松田の声がした途端。上に跨っていた男が吹っ飛んだ。


「「「「「セリ!」」」」」


ヒロに抱きしめられる。


「ヒロ…」

「今班長と萩原が教官呼んできてる」

「ヒロ…」

「怖かったね。もう大丈夫だよ」


向こうで松田とゼロが男をボロボロに殴っている。


「ヒロォ!」

「よしよし」

「怖かったあ」

「そうだよね。遅くなってごめんね」


私はヒロに思い切り抱きつく。


「松田、降谷、そこまでだ」

「「チッ」」


班長と萩原が教官達を連れて来た。


「11時27分、暴行罪、わいせつ罪で現行犯逮捕する」


男は連れられて行った。


「セリちゃんこれ、俺のジャージで悪いんだけど」


萩原のジャージを上から着させられる。


「ありがと」

「保健室行こうか」


私は医務室で手当てをされる。


「はい出来た。裁縫道具も貸してあげるね」

「ありがとうございます」

「セリちゃん大丈夫?」

「取り敢えず、みんなに見られた下着がお気に入りでよかったと思ってる」

「元気そうだな」

「確かにセリちゃんの下着可愛かったね!」

「でしょ?」

「こら萩原」

「みんな、助けてくれてありがとう」


こうして私のストーカー事件も終わった。

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