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“特別”って言葉が昔から好きだった。
その人にとって一番じゃなくて特別でありたかった。
告白された。
同じキャンパスで出会った人。
かっこいい人だと思った。
案の定、大学で知らない人はいないぐらい人気でモテモテらしい。
そんな人だから少し抵抗があったが、僕に良くしてくれたりですぐに仲良くなった。
ある日遊んだ時に告白された。
驚いた。でも、僕も自分の気持ちにはうっすらと気づいていたのだ。
それがこの告白によって明らかになった。
「僕も好き , 」
僕らは付き合った。
告白された数も桁違いであろう若井に選ばれた。
((僕は特別なのだ))
そう思った。
「僕のこと、特別にしてね ,」
そういうと一つ返事で
「勿論。大好きだよ元貴」
うれしい。うれしい。
ここで時が止まって欲しかった。
いつからか、僕は特別ではなくなった。
「あの、若井、そんなに仕事忙しいの?…」
嫌な想像をしてしまい、声が震える。
「ずっとそう言ってるでしょ ,」
「….ちょっと寂しいと言うか ,….」
「あー、良い年してそんなんいうなよ、鬱陶しい」
「若井、僕ら付き合ってるんだよね . ?」
何を言っても我関せずな若井に腹が立つ。
「僕のこと特別にしてくれるって
言ったじゃん ッ!!!!」
「若井の嘘つきっ、泣 」
「もう嫌い、ッッ !!」
一瞬の感情の昂れで、家を飛び出てしまった。
なんなの、なんなんだ。
いつからだっけ、若井があんなになったの。
仕事が大切なのはわかる。でも僕はそれを許容できるほど器が大きくない。
「もときッ!!」
そんな声が聞こえたので後ろを振り返る。
「よかった、」
と零す汗だくの若井。
「ぇ、」
「ごめん元貴、俺が悪かった。」
「最近仕事言い訳にして元貴のこと構ってあげられなかった。」
「若井っ …!泣」
思い切り抱きしめた。
抱きしめ返してくれたこの暖かさこそが僕の求めていたものだ。
後で話を聞くと、僕が飛び出て行った後、若井は涼ちゃんに電話したらしい。
すんげー途中でいらつく笑笑
てか設定前話とほぼ一緒