……とは言ったものの、エマが失踪してから真面な手掛かり1つとして
手に入れられていないアゲハ達は、YSPクラブの教室内で頭を抱えていた
ジンペイ「うーん…」
あのいつもお気楽で細かい事は気にしないジンペイでさえも、
何故かさっきから本を読んで唸っている
アゲハ「ジンペイ…?」
いつも本なんて真面に読んだことのないジンペイが、突然唸りながら真面目に読み始めるなんて明らかに可笑しい。
心配になったアゲハは、ジンペイに声をかけた
それでも只管うんうん唸るジンペイ。
心配度が限界に達したアゲハは、ジンペイの顔をズイッと覗き込む
アゲハ「ジンペイ!」
ジンペイ「……ファッ!?!?!//////」
ジンペイは可笑しな奇声を上げると、椅子から勢いよく転げ落ちた
アゲハ「え……ごめん…」
ジンペイ「いや……大丈夫…///////(待て待て待て…距離が近すぎじゃないか…?
わざとか!?確信犯か!?////)」
ジンペイは口に手を当てて悶絶する
コマ「(なんか…アゲハちゃんとジンペイ君の距離が近い…)」
フブキ「(よし。ジンペイ君は後で潰そう……)」
メラ「(……なんか、つまんねえな……)」
コマは羨ましそうにジンペイを見つめ(睨んで)
フブキは謎に黒い笑みを浮かべ、メラはつまらなさそうに顔を背ける
アゲハ「『大人の恋愛術』…?あっ!えんら先生が書いた本だよね!」
4人の心境を露知らず、アゲハはジンペイが転んだ衝撃で床に落ちた本の表紙をみて声を上げる
帯の著者名には『園等なつき』とあり、『恋愛解体新書・不健康なムラムラにさよなら!』と書かれてある
フブキ「それ知ってる!」
フブキも先程まで浮かべていた黒い笑みをパッと無くすと、話の輪に入ってくる
フブキ「恋の手解きを書いた本で、乙女心を分かって、しっかりフォローしてくれるのよね!」
アゲハ「ジンペイ、さっきどのページ見てたの?」
ジンペイ「え。」
その質問でジンペイが固まる
ジンペイ「えぇっとぉ……;」
コマ「…ジンペイ君はここ見てたよね??」
さっきの嫉妬を根に持ったコマが、先程ジンペイが開いていたページを開け、
アゲハとフブキに見せる
その瞬間、アゲハは真っ赤になって顔から湯気を出し、フブキは驚いてからの~…
ジンペイの頭を思いっきりどついた
貴方「ふ…フブキちゃん、落ち着いて…/////」
もう1度ジンペイの頭をどつこうとするフブキを、アゲハが顔を赤くしながら止める
コマ「ジンペイ君は、年上好きなんですよね~?」
コマはジンペイを挑発するかのようにわざとらしい笑みを浮かべる
ジンペイ「こ、コマ君…!」
コマ「年上好きで熟女好きなら同い年で幼馴染のアゲハちゃんの事は好きにならないよね?」
ジンペイ「~~~ッ(コマ君……!絶対態とだろそれ…!!)」
なんかジンペイとコマ君の間の空気が悪くなった時、タイミングが良いのか悪いのか
マタロウが戻ってきた
マタロウ「ただいま~……って、あれ?ジンペイ君、コマ君、どうしたの?」
2人の空気が悪いことに気付いたマタロウは、首を傾げる
ジンペイ「……いや、何でもない!それより、早く調査しようぜ!」
コマ「(ジンペイ君…逃げたな…)」
コマは心の中でそう毒づくマタロウは気にせず、持ってきたポスターらしき物をテーブルに広げた
マタロウ「退学した人のリストを貰ってきたよ」
ジンペイ「おお!流石マタロウ!『たまたま』にしては気が利くな」
マタロウ「これくらいできるよ!;」
アゲハ達6人は、早速テーブルを取り囲んでリストを確認し始める過去に
この学園を去っていったのは、全部で11人、
しかも皆女子。アゲハが何かに気付いて、リストを指指す
貴方「全員女の子で、『サバゲー部』が7人、残りが『俳句研究クラブ』。2つの部に集中してるね…」
ジンペイ「サバ缶部!?」←
貴方「違う、サバゲー。サバイバルゲームの略だよ;」
ジンペイの可笑しな聞き間違いに、アゲハが半目になって突っ込む
フブキが脱線した話を戻す
フブキ「この2つの部に、恋愛を誘発する何かがあるってことかしら?」
マタロウ「恋愛といえば、サッカー部とか、テニス部とか…青春の輝く汗!
っていう感じなのに、何故サバゲーと俳句?」
首を傾げながら疑問を感じるマタロウ確かに、サバゲ―ならまだしも、
俳句だなんて恋愛から程遠いまあ、俳句には恋の模様が書かれたものもいくつかあるが……
そこで、マタロウがハッとなる
マタロウ「学校内の地図って出せる?」
コマ「確か……」
マタロウにそう言われ、コマはPCを操作して画面に地図を出すそれを見たマタロウは、
確信めいたこのように、小さな笑みを浮かべた
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!