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「セツナ、あの野菜……」


「ああ、そうだな……。

ここは交渉といくか。


クレヴェンでは土が合わないのか、野菜を作るのが難しくてな。

畑を作っても牧草しか育たない。


そこで、レト王子が持っていたジガという野菜だ。

あれは美味い食べ物だとライと話しててな。

うちの国の民にも食べてもらいたいと考えているんだ」




「それは僕の方も同じことが言えるよ。

食事に出してくれた果物が美味しかった。

あれはグリーンホライズンでは見たことがないよ。


果物があることによって、主食が質素でも満足感を得ることができそうだ。

それに、栄養も摂れる。


肉の油は……、民に受け入れてもらえるか分からないけど……」



「クレヴェンで採れる果物を気に入ってもらえたのか。それは嬉しいことだな。

あと、こっちには自慢の服がある。

四つの国の中で一番質がいい物だぜ」



「僕の知らないうちに、かけらの外見がどんどん綺麗に変わっていったのは、そういう訳か……」



「きっ、綺麗な服だよね……!

服は変わっても、私自身は何も変わってないから」



「服以外も綺麗にしていたいんだよな」


昨日のデートを思い出すと急に熱が上がってきた。

同時に、この場から逃げたくなるくらい恥ずかしくなってくる。



「セツナ王子とかけらが目を合わせている……?

僕がいないところで一体何を話していたんだい」



「私のことはいいから先に進めよう。

とりあえず話し合ったことを紙に書いて……。それで……。

ううっ、なんだか恥ずかしい……」



「はぁー……。ふたりのせいで、かけらの頭が回らなくなってる。

だから、こっちでまとめるよ。

ふたりの意見を紙に書いておくから。あとで皆で確認して。

セツナとレト王子は、かけらに気にせず真面目に話し合うこと!」



「うん、分かったよ……」

「すまないな、ライ……」



ドキドキしている自分を隠すため、体育座りをして縮こまり、王子たちの話を聞く。



グリーンホライズンでは、平原に大きな畑を作って、様々な野菜を植えて収穫量を増やす。


クレヴェンでは、果物の木を植えて収穫量を増やして、服を作る。


半日掛かって細かいところまで話し合っていたけど、簡単にまとめるとこんな感じの内容になった。




「互いの国のいいところを活かして食料を安定させる。

グリーンホライズンの野菜の収穫量が増えたら、交易を開始だな」


「食べ物の種類が増えて、好みの服を着ることができる。

これで今よりも民の幸福度が上がる。

楽しみで仕方ないよ」



途方も無い旅に出てから、早くも平和に向かって進むことができて、少しだけ大きな荷が降りた気がする。


不安そうにしていたレトの顔にも笑顔が戻って、やっと心の底から落ち着くことができた。



「そういえば、セツナ王子はクレヴェンの王になるんだよね。

僕との話し合いに時間を割いて大丈夫だったのかい?」


確かに、セツナに初めて会った時に四日後に王になると聞いていた。


王座に就く者がこんなにゆっくりしていいものなんだろうか。


デートをしている時も薄々そう思っていたけど、聞く余裕さえなかった。



「それはだな……、延期することにした。

王になったら、こうやって簡単に動けなくなる」


「思い切った決断だね……。

僕とかけらと出会ったから?」



「ああ。おまえらと会ってなかったら王位継承の準備でバタバタしていただろうな。

だが、王子でも王の決定権を持てることにした。


用事が終わるまで、親父には玉座にいてもらう。

足を怪我して動けないけど、座っていることくらいできるだろって話してな」



「その分、臣下であるこっちが忙しくて大変なんだけどね。

第一王女は結婚して庶民として暮らし、第二、第三王子は戦いで命を落とし……。

第四王子は、まだ小さな子供だから仕方ないけど……」



「余計なことを話すなよ、ライ。

話の続きだが、親父にかけらとレト王子のことは話してある。

グリーンホライズンとクレヴェンの和平を結ぶ計画もな」


私がライさんの家の建築を手伝っていた時、セツナは先のことを考えて動いていたんだ。


つらい想いをしながら……――



「すごいね、セツナ」


「かけらに褒められるのは嬉しいが……。

明日の朝から計画を進めるため、レト王子に試させてもらう」



「僕に試すって……。

どんなことか分からないけど、受けて立つよ」



恋戦〜王子様たちに溺愛されて〜

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