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レイヤ「…ライト……嘘、だよね。
あんなの神様なんて到底言えないし…」
ライト「またその様な事をッ…
無礼にも程がある!!
口を慎みなさい!!」
レイヤ「ッ…ご、ごめん……
でも…やっぱり最近のライト、可笑しいよ…!!
神代わりが起きてから…特に……」
ライト「……鬱陶しい、何度それを言えば気が済むのですかッ!!
貴方は私に何を望んでるんです?」
レイヤ「…………。」
ライト「…はぁ、すぐ黙り込むのどうにかなりませんですか?
まともに会話が出来ないのなら、最初からそんな話しないで下さい。」
レイヤ「…ッ…………」
…気付けば、俺とライトは疎遠気味になっていた。
同じ天界に居て、何度も会っているはずなのに。
会話を殆ど交わさなくなった。
あの事件から数千年経ったとある日。
俺は、ライトの元へと行った。
話したくなったから。
随分と髪も伸びて、金色に輝く髪を高い位置に結っているライト。
俺も、髪が伸びただろうか。
レイヤ「…あ……ライト、あの…」
ライト「……今忙しいので。」
ライトは此方を軽く見た後、横を通り過ぎて行った。
更に数千年。
レイヤ「……ライト、話したい事が…」
ライト「…今時間無いので。」
今度は此方を見る事も無く、手元の書類を見ながら通り過ぎて行った。
…更に、数千年。
レイヤ「………」
ライト「……」
もう、声をかけるが怖くなった。
ライトに冷たくされる度に、心臓にヒビが入る様な感覚。
苦しい、辛い。
俺は声をかけなくなった。
ライトからも声をかけてくれる事は無かった。
なんで…?
けれど、数万年経って……転機が訪れた。
天術を上手く使えず、対話も下手でまともに話せず孤立していた俺だったが…
昔からずっと体や刀術を鍛え続けたお陰で、戦族天使として誇れる成績を掲げる事が出来た。
最も優秀な戦族天使として、認められた。
物凄い注目を浴びた訳でも無かったが、嬉しかった。
ライトにも、もしかしたら褒められるんじゃないかと思った。
その時は本当に胸が踊った。
レイヤ「…ライト……俺、戦族天使として一番になったよ。
…もしかしたら、ライトの役に立てるかも……
彼奴の配下にはなりたくなんかないけど、ライトの為ならなんだって出来るよ。」
ライト「………」
声が少し喉に詰まる。
でも今日は言えた。
期待を込めた瞳で、ライトを見た。
笑ってくれてるかな。
そんな小さな希望が、ライトの表情で一瞬にして崩れた。
ライト「…私の役に立ちたいのなら……
神様に対する無礼を辞めて、服従しなさい。
貴方だけですよ、未だに神様に反抗している天使は。
それに、学校にも行ってないんでしょう?
何が気に食わないのです?
…いい加減、早くまともになりなさい。
話はそれからです。」
久しぶりにライトの声を間近で聞いた。
こんな、冷ややかな声だったっけ。
レイヤ「……だって…教科書全部に、神様に生涯を捧げるだの、神様こそが全てだの…
彼奴の事ばっか書いてあるから…
あんなの、勉強だって言えないよ。
そっちの方がまともじゃない。」
少しだけ苛立ちを覚えた。
こんなにも頑張ったのに、何で怒られないといけないのかと。
それで言い返してしまった。
ライト「……はぁ…困った。
本当に…どうしてそうなったんでしょうか。
貴方は天使の恥ですよ。
全く…」
天使の恥?何で?
天使=神様の奴隷なの?
普通に考えて、頭可笑しいだろ。
何で俺が、可笑しいってなるんだよ。
何で…何でッ…
レイヤ「………神様ゞってさ…馬鹿みたい。
神様の事しか脳に無い操り人形が。
そんな風になるくらいなら…天使の恥になった方がマシだ。」
顔を逸らしながら毒を吐くように呟いた。
その言葉は、ライトの脳によく響いた。
ゆっくりと、レイヤを見る。
最初は驚いた表情をしていた。
けれど、段々と…怒った、潤んだ瞳のごっちゃまぜの表情に変化していった。
もうそこからの途中までの会話は覚えていない。
俺らはその日、人生初めての大喧嘩をしたと思う。
苦しかった…思っても無い言葉が次々と出てくる。
喧嘩とは、そういうものなのだろうか。
気付けば、俺は…ライトの片腕を切り落としていた。
ライト「ッあ”ぁ…ぅ”………ッ」
血が吹き出す半分だけの片腕を抱え込みながら蹲るライト。
傍にはライトの片腕と剣先がほんの少し赤く染った剣。
……あれ?
何で俺、こんな事…
少しだけ、左目瞼と右目の下に痛みが走った。
軽く触れると、指に血が着いた。
俺も怪我をしている。
……何でこんなことに。
自分の持っていた刀を見る。
ベッタリと、黄金に輝く…ライトの血が。
一つゞこの目に収めた。
そうしてようやく理解する。
取り返しの付かない事をしてしまったのだと。
レイヤ「…ライ、ト……ごめ…」
謝ろうにも、謝って済む事じゃ無かった。
ぞろゞと天使達がやってきては、悲鳴を上げてライトの周りを囲った。
心配と不安の声が飛び交う。
無意識にレイヤは後ろに下がった。
天使「レイヤ…お前、大天使様になんて事を!!」
天使達が鋭くレイヤを睨み付け、罵詈雑言を浴びせ始める。
レイヤは混乱したまま、天使一人ゞを目で追う。
その時、奥から凄まじいオーラと共にあの”忌まわしき神”が現れた。
「 …騒々しいぞ、何を騒いでいる。 」
神はゆっくりと、傷付いたライトとレイヤを見た。
目を細め、状況を理解する。
「 大天使に手を出したか、貴様。
天使同士での武器を交えた争いは禁じられているはずだ。
…前々から嫌気は差していたが……もう充分だろう。
貴様を今日、天界から追放する。 」
神の声は、やはりよく響く。
レイヤに、周りの天使たちに…そして、ライトに。
よく届いた。
周りの天使達は、驚いた様子でレイヤと神を交互に見る。
レイヤは瞳を揺らした。
追放…?もうライトと会えない?
でも…この意味の分からない規律から逃れられる?
レイヤの感情は、その時だけふと消えた。
ライト「……追…放…?」
僅かな声が無意識に漏れた。
痛みで歪んだ顔も、少しだけ力が抜ける。
レイヤが追放される。
これでようやく、神様に背く者はいない。
もう神様から何か言われることも無い。
規律が保たれる。
全てが完璧に…
…………全てが、完璧に…
レイヤは天界の入口に立った。
その後ろから、ライト、そして神様が見ている。
まだ少しだけ、レイヤの顔の傷は血で赤く滲んでいる。
ライトは包帯で応急処置をされており、血が滴ることは無い。
「 お前の手で、其奴を突き落とせ。 」
ライトにその言葉が振り落ちた。
ライトは少し立ちすくんだ。
自分の手で…レイヤを、此処から。
ライト「……はい。」
静かに返事を1つ、それと同時に歩き出しては…目の前の天使に近付いた。
そしてすぐ前で立ち止まる。
レイヤは相変わらず、無表情のまま。
少しだけ腹が立ってしまった。
今から追放されるというのに…何でそんなに、余裕そうなのか。
顔を歪めて、少し俯きながらも突き落とそうと手を伸ばした。
の前に、レイヤが口を開いた。
レイヤ「………いつか…此処にまた来る事が出来たら。」
ライトは手を止めた。
静かに瞬きをして、レイヤの目を見る。
レイヤ「…全部、破壊する。
変な規律も邪悪な存在も、全部。」
真剣な目で、そう宣言した。
ライトはハッとして、震えた手は行き場を失いかける。
神はそれを見れば、バツが悪そうに低く唸る。
「 …突き落とせ!!大天使!! 」
神の声が威圧的に響く。
ライトはビクッと体を跳ねらせ、手を強く前に突き出してレイヤの胸を押した。
ドン!!と突き落とされたレイヤは、そのまま真っ逆さまに落ちていった。
天界からどんゞ離れていく。
ライトの顔も、段々と遠ざかる。
目を細めて、静かに息を吐いた。
そして目を閉じて、落下に身を委ねる。
天界から遠ざかる程、レイヤの容姿は色を失った。
小さな一雫が、宙を舞った。
…満天の星空の下。
森の中で、傷だらけのレイヤは倒れていた。
やはり神の力は強い。
今はまだ敵わなかった。
…と、其処に1人の影がレイヤに伸びた。
ジン「…うわぁ、ひっでぇ。痛そ…」
星を瞳に宿した悪魔は小さく苦笑を浮かべた。
そして龍の尻尾を強く振るい、身を青白く光らせた。
大きな星龍へと姿形を変え、レイヤを背中に乗せて星空の下を泳ぐ。
満月の光が、大きな龍と小さな堕天使を照らして。
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くもねこ☁
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ら む ね _ @暇人
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ゆいらーめん
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コメント
1件
ああ、もう…胸がぎゅっとなりました。頼ってもいいはずのライトに何度も冷たくされて、声をかけることすら怖くなってしまうレイヤの心情が痛いほど伝わってきました。それでも頑張って認められたくて成果を伝えに行ったのに、あの冷たい言葉…そしてあの喧嘩の末の出来事。最後のジンさんの登場で、ほんの少しだけ救われた気持ちになりました。この先、どうなるんだろう…続きが気になります✨