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大広間の空気があまりにも重く、劉磨さんと一緒に柚さんの様子を見に来た。お互い何も話すことができず、時間だけが過ぎていく。
「もし…このまま柚が目を覚まさなかったらどうしよう……。」
「劉磨さん…?」
振り返り見ると劉磨さんは泣いていた。1回も見たことの無い劉磨さんの涙。私には弱弱しく肩を震わせるその姿を抱きしめてあげることしかできなかった。
「きっと……大丈夫。柚さんは目を覚ましてくれるよ。だから…大丈夫。」
泣きじゃくる劉磨さんは、まるで幼い子供のようで私が守ってあげなきゃいけないと思った。
「花月……?」
今、私の名前を呼んだのは……誰…?
「花月……。」
「柚…さん…?」
「お前、意識が戻ったのか!?俺が分かるか!?」
「分かるよ……劉…磨…。」
「お、俺、皆を呼んでくる。」
「あ、劉……」
「花月……ここにいて……。貴女とお話ししたいから。」
柚さんに袖を引っ張られ、可愛いらしいと思った。この人が本当にあのキズさんだったの……?
「黒鬼院は……?」
「劉磨さんが倒してくれましたよ。もうすべては終わりました。」
「そう……輝石たちは…?」
「大丈夫です。皆ここで暮らしています。」
「よかった……。花月、ありがとう。私を……皆を助けてくれて。」
「私は何もしていません。皆が……戦ってくれたんです。」
「そんなことない……。今私が生きていられるのは花月のおかげなんだから。」
柚さんがニコリと笑う。まるで女神さまのような優しい微笑み。
「柚が目を覚ましたって本当!?」
「体調は大丈夫なの!?」
ガラッとドアが開くと、いつもの賑やかな空気に変わった。
「まったく、いつ見ても皆はうるさいな。でも……ありがとう。」
「だって柚のためだもん!」
和気藹々とする空気の中、突然胸がいたくなった。柚さんと皆が会話する姿を目にするとその痛みが強くなっていく。
「花月、大丈夫か…?泣きそうな顔してる。」
「だ、大丈夫だよ!私飲み物取ってくるね。」
「あ、おい。」
急いで廊下に出てきても、部屋の中から聞こえてくる皆の楽しそうな声。皆に心配させたくないから焦って部屋を出てきてしまったけど……かえって心配をさせてしまったかもしれない。
「なんで……素直に喜べないの…?」
涙をぬぐいキッチンへと向かう。
柚さんが帰ってきたから…私はもう…必要なくなるのかな……?