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全校生徒が壇上の隷と壁際の六葉を交互に見つめた。
生徒会長が規律や成績の話をしている最中に個人的な健康を気遣う、しかも**「*薄着*」という親密な話題に言及するなど、前代未聞だった。
彼の口調はいつもの厳しいものではなく、まるで幼い妹を心配する兄のような微かな、しかし**明らかな優しさ**を含んでいた。
隷自身も、言葉を発した直後に青ざめた。
(何を…言っている!?)
彼の冷酷な仮面は、ガラガラと音を立てて崩壊し、彼の顔には焦りと動揺が浮かんでいた。
彼はすぐに話を戻そうと、喉を詰まらせる。
「…以上、総評を終わる。規律を守れ」
最後の言葉は、無理やり以前の厳格な口調に戻そうとした結果、以前にも増して硬く、不自然になった。
彼は挨拶もそこそこに壇上を降りると、全校生徒の好奇の視線から逃げるように、一目散に裏口から姿を消した。
残された講堂は、静寂の後に、ざわめきに包まれた。
「今、生徒会長、何て言った?」
「六葉って、もしかして…特別?」
一方、六葉は席に座りながら顔を覆った。
(隷様…!全校生徒の前で、そんな、恥ずかしい…!)
しかし、彼女の口元は隠しきれない笑みで綻んでいた。
彼の冷酷な仮面が溶けた後に残ったのは、彼女への**絶対的な「*本心*」**だった。