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俺たちは野営場を引き揚げ街道を北へ進んでいる。


真ん中に馬一頭が引く幌馬車があり、マクベさんが馭者をしている。


馬車を挟むように右側を俺とシロが歩き、左側をコリノさんが歩いている。


奥さんであるカイアさんは馬車の中だ。


うしろに矢筒を背負い、大弓は左肩に掛けているコリノさん。


俺としてはあの耳が気になっているのだが、まだ何も聞けてない。


まぁ、そのうちだな。今日も天気が良いし元気だして行きましよう!


しかし、野営場を出てくる前に一騒動あったのだ。


いざ出発しようとしてもマクベさん家の馬がまったく動かない。


まあ、この原因はシロちゃんにあったわけだが……。


馬はシロに怯えてしまい動けなかったようだ。ホントに固まってしまって一歩も進まないのだ。


シロはただそこに居るだけだ。ちょこんとお座りして見守っている。


特に威圧とかもしてないようだし、慣れるまでは仕方がないのだろうか?


どうしたものかと皆が困りはてていた。


う~ん、俺はしばらく観察したのちシロを呼び寄せた。


「シロ、その外に漏れている魔力って、もう少し抑えることできるか?」


実は今朝から、シロから立ちのぼる靄のようなものが何となくわかるのだ。おそらく魔力だと思う。


シロ自身まったく意識してなかった様子だ。


シロは『えっ、そうだったの~?』て感じで自分の体を見回している。――可愛い。


すると、魔力を抑えるように意識したのだろう、放出されていた魔力がス~と霧散していった。


程なくして馬は動けるようになったのだ。






まぁ、あの時点で気づけて良かった。知らずに町や村へ入ったら、馬や家畜が暴れて大変な事になっていたかもしれない。


その辺も含め、いろいろと確認していかないとダメだな。


因みに町までは馬車で2日の距離 らしい。


今朝の解体作業や出発時の遅れなどもあったので雨が降らなければ3日で行けるということだ。


それで荷物を積み込む際に、


「こんな大量の革、悪くなったりはしないんですか?」


と気になったので聞いてみた。


するとマクベさんは馬車から茶色のバッグを取り出してきて、


「こいつが有るから問題ないんだよ」


見せてきたのは拡張魔法が付与された魔法鞄であった。


しかも、時間経過が遅くなる魔法も付与されておりとても重宝しているそうだ。


また、皮の代金をもらう際にこの国の通貨についても教えてもらった。


ここクルーガー王国の通貨単位は『バース』で王都の名前にもなっているのだとか。


通用硬貨は全部で7種類。


下から、銅貨・大銅貨・銀貨・大銀貨・金貨・クルーガー金貨・白金貨となる。


それぞれが10枚で上の硬貨へとあがっていくのでとても分かりやすい。


町の宿屋で400バースぐらい。通りの串焼きが30バース。安くて固い黒パンは3バース。


日本円になおすとどうなんだろう。1バース=10円ぐらいの感覚でいいのかな?


う~ん、よくわからん。



クルーガー王国の貨幣制度 【単位バース】


白金貨 1,000,000バース

クルーガー金貨 100,000バース

金 貨 10,000バース

大銀貨 1,000バース

銀 貨 100バース

大銅貨 10バース

銅 貨 1バース (1バース:10円ぐらい)



因みに皮の引き取り価格はカモドオオトカゲが2000バース・グレーウルフが200バース・ブラックウルフが500バース・ハイウルフが5000バースであった。


大銀貨を10枚と銀貨を1枚貰った。


大銀貨は3.5㎝ぐらい。アメリカの『モルガンダラー』 (西部開拓時代) ぐらいの大きさかな。銀貨は100円玉ぐらいだな。


なんだかまじまじと見入ってしまった。


大銀貨の表には王様か誰かの肖像、裏には鳥がそれぞれ彫られている。


ズッシリと重みがあってかっこいい。


できれば、いろいろな国のコインも見てみたいものだ。


2時間ほど進んで小休止。


馬もたびたび休ませないとバテてしまうらしい。


マクベさんが馬車から桶を2つ馬の前にならべる。飼葉もこまめに与えるそうだ。


なんでも馬は少しづつしか食べられないのだとか。


俺たちも木陰に入り水を飲んで一息いれる。


今飲んでいる白湯なのだが、


――シロに頼んだら良んじゃね?


と言うことで、川べりにて浄化してもらったのだ。


鑑定すると、”水:最良・飲水可” と出たのでまったく問題ないようだ。


飲んでみたのだが凄く美味しい!


こんなことなら早く頼めば良かった。――シロ凄い。






時空間魔法も歩きながら検証している。


まずはインベントリーだ。手に持った銀貨を入れたり出したり。


語呂は卑猥だが仕方がない。――検証なので。


右手からインベントリーに入れ左手に出したり。


背中のダッフルバッグからナイフをインベントリーに入れたり、また、インベントリーからナイフを右手に出したり。イメージ次第でいろいろ出来るようだ。


最終的にはインベントリーを介さずに背中のバッグから取り出せるようになった。


まあ、実際はインベントリーを通して行っているのだが、よりスムーズになったということだろうか。


抜き身ナイフを一瞬で手に出したり、下に落ちている物をバッグに入れたりなどなど。


これで手品し放題だな! ――フフフッ♪


次はやはり出し入れできる距離だよな。


『鑑定』 ではしてやられたが……。


そういうことで、いま歩きながら小石なんかをインベントリーに吸い込んいる。


まるでダ○ソン。吸引力が落ちません!


足先に触れたものを吸い込んでいる。


小石が何個とか、割とアバウトにカウントしてくれるので楽でいい。


ゴミ箱もある。


どこに捨てているのか? いささか不安ではあるが……。


まぁ、亜空間か何かなのだろう。――気にしない 気にしない。


それでダ○ソンよろしく検証を続けていると、なんと2mぐらいまでなら吸い込めるようになったのだ。小石だけど。


ただ、草木はダメなようだ。――残念!


密かに薬草採取で無双できると思っていたのに……。


時空間魔法があるおかげでインベントリーが使えている訳だが、


この『インベントリー』、スキルのような扱いなのだ。


あとからMP (マジックポイント) を確認してみたが、全く減ってなかった。


う~ん、これでまた夢が広がるよなぁ。

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