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「、、帰った、か」
美術室に寄ってみたが鍵がかかっていた。
もうすぐ18時。さすがにもう帰ったか。
「何か用事?」
急に声がしてぱっと横を見ると先生がいた。この前見た美術部の顧問だ。
「この前のお客さんよね。えっと、、幡中さんだっけ、いつもすごく目立ってるから」
「あ、はい、たまにお邪魔してます」
「宇治くんなら今さっき私のところに来たからまだ下にいるかも」
「あ、ほんとですか」
私は先生にお礼を言って早足で下に降り下駄箱まで行くと自分のクラスのところから音がした。
「うわっ」
「!!」
「えっ幡中、ごめん大丈夫?」
角のところで軽くぶつかってしまった。
「大丈夫、ごめん」
「何、急いでんの」
「あ、宇治に用っていうか」
ていうか、よく考えたら別に今日じゃなくてもいいんだけど。
とりあえず履き替えて昇降口を出た。
「今日もポスター?」
「うん、⚫︎⚫︎中のとこの祭りの」
これは、話が早いかも。
「あ、用なんだけどさ、妃奈乃が紗月ちゃんと宇治と私と4人でその祭り行きたいって言ってて」
宇治、イメージ的にすごい祭り行かなさそう。
「あ、無理なら全然いいんだけど」
「、、いいけど、俺妃奈乃ちゃんのこと全然知らないけどいいの」
あれ、いいって言ったよね、意外。
「妃奈乃結構どんな人とも話すし大丈夫だと思う」
「そうなんだ、じゃあ紗月に聞いとくよ」
宇治、案外フッ軽?
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翌朝。
「紫乃試合26日だよねえ、部活オフなら見に行ったのに、、 」
「何回か来てくれたじゃん」
「何回でも見に行きたいの!紫乃はバドしてるとき特にかっこいいんだから」
玲花が私の机にへたって言った。
「はよ」
何気なく教室を見回していると斜め後ろの席に来た人と目が合い軽く挨拶された。返却物持ってる、日番か。
「おはよ」
「あ、29日おっけーだって」
「ああ、うんわかった」
「?なんの話??」
玲花はぱっと顔を上げた。
「⚫︎⚫︎中のとこの夏祭り、宇治と」
「え゛っ」
話の途中で玲花が声を荒げた。
「やっぱ、仲良いよね??この前も一緒に勉強してたし」
「いや2人で行くんじゃないよ、前に妹同士が友達って言ったでしょ、だから4人で」
「、、なるほど、、でも一緒に遊ぶくらい紫乃と仲良い人って上岡くらいだし、、」
「変な噂立てないで」
宇治が、提出していた古典の問題集を私の机に置いて言い、すぐに去った。
「別にまだ噂にしてるわけじゃないじゃん、ねえ紫乃」
「、、まだ」
「いやしないしないよ!ね宇治!、、いないけどね!」