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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「まんまと和牛に釣られてやってきました!一般人の潔世一です!」

とか言いたくねぇよ。クソ

大体さ。五徹明けの俺にピンポイントで送ってくるなよ。頭回んねぇよ。


本当は受けたくないよこんな仕事…


みんなも来るしさ…必死で遠ざけて、蜂楽にはあんなこと言ったのに…


けど受けちまったしな…

しかも家の真ん前に黒のハイエース止まってるし…迷惑だし、乗るの恥ずかしいし…

「はぁ…」

俺は反射的に大きなため息をつく


俺は数日前に大きな段ボールと共に

『BLUEROCKは新しい世代で再始動する』

そんな内容の手紙をもらった

実際は、

『和牛1kgやるから来い』

とか言う側から見たら何を言っているのか理解もできない様な怪文書だったが…

「はぁ…」

もう一度大きなため息をつく


意を決して、会社に連絡をする。

この前、三徹目に「仮眠を取れ」と会社の休憩室に俺を思って放り込んでくれた部長なら分かってくれるだろうと希望を持ちながら…


「はい」

いつも通りの部長の声が聞こえる。

「あっ、あの…部長ですか…?」

俺は恐る恐るそう聞く

「そうだけど…潔君?どうかしたの?」



大丈夫。俺なら行ける。俺なら…

試合の前も震える手を握り、そう自分に言い聞かせていた



「あの…俺…今…日本サッカー協会から招集掛けられてて…」

間違ってはない。**”青い監獄“**はサッカー協会の一部だ。

「しばらくの間公欠みたいな扱いってできませんか…?」

俺は震える声でそう質問する。

「あぁ…それ?聞いてるよ。絵心さん?から。頑張って。無理しない様に。」

なんと心の優しい部長だろうか…俺の心配まで…


部長の許可も取れたし、安心…とまでは行かないが家を出る

家の前に止まってい車に乗り、俺のサッカー嫌いが始まった聖地に行くことにした









大丈夫








大丈夫








大丈夫









大丈夫だから…

そう言い聞かせながら震える手を…握っていた。



***



車の窓から見える監獄は、当時と変わらなかった。

監獄が…近づいてくる…

どんどん目の前に近づいてくる



車が止まった


目の前には

今回招集を掛けられた将来を代表するストライカーの卵達や

先に到着したスター達…

今を代表するスターが集まると聞いてやってきた大量の記者やテレビ局達…

一斉にカメラや視線が俺の乗る車に向いた



やめろ…向かないでくれ…他の選手を撮ってくれ…

一般人の俺なんぞ撮っても意味がないから…

お願いだから…お願いだから…


やめてくれ…

今からでも帰りたい…


「あ“ッ…あ”ぁ“…」

大粒の涙がたれる


「いやだ…ィやだァ…」


「やめてくれ…俺なんか…意味な”い“がらァ…」


だけど…出なくちゃ…営業はいつでも笑っていなくちゃいけ無いんだよ…

さぁ…行こう?

俺は俺にそう言って励ます

大丈夫だから…と






よし…行こう


車の扉が開く

開くと同時にシャッター音が鳴り響く


行くよ…

「こんにちは!潔世一です!」

俺は思いっきりの営業スマイルでそう発する


「潔選手だ!潔選手‼︎」

「ブルーロックの申し子が!11年前!私達をわかせてくれた潔世一選手がこの…ブルーロックに帰ってきました!」


生放送かな?

もう…過去の栄光なのにな…

「あっはは!やめてくださいよ。選手だなんて…」


「おっ!潔じゃん!」

軽はずみで風の吹くような声…千切だ

「千切!久しぶり!」


「いさぎいさぎ」

俺のことを2回続けて呼ぶのは黒名だな…

「黒名?久しぶりじゃん!三つ編み変わんねぇな‼︎」


「凡。えらい久しぶりやなぁ」

凡と人を観察するように呼ぶのは1人しかいない

「烏…いい加減その呼び方やめろよなー!」


「いっさぎ〜‼︎」

…いつも愉快そうな、何処か寂しそうな声は蜂楽だ

「蜂楽‼︎電話ぶり!」


ドンッ…!

「あっ…わりぃ…肩ぶつかった」

みんなを包むような温かいお日様のような声は國神だな

「國神じゃん!このやりとり初めて会った時もした気がするわ〜」


「・・・」

何かを切り裂くような冷徹なオーラは…

「凛!そのオーラ全然変わんねぇ笑」



あぁ…疲れた…

「潔選手!インタビューいいですか?」

「あぁ…はい!」

「では最初の質問です…」


疲れた…

俺に聞いていったいなんの意味があるって言うんだ。

もっと活躍するスター達にインタビュー行かなくていいのか?


「あの…潔選手…?」

「えっ?」


「おいスター共。さっさと中入りやがれ。」

絵心さんのアナウンスが流れる

「あぁごめんなさい!時間が来たみたいで…」

「えっ?でも!」

「失礼します!」


ーto be continuedー

サッカー嫌いと言っているっ!

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コメント

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この先のこととか考えてなくて焦るよね。

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