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「全く、困ったものだな。勝手にアンジェの宮に入るなんて……捕まったらどうするんだ」

フレデリクの目に映るヴィオラはボロボロで、あの時よりもずっとみすぼらしかった。
しかしその姿は、あの時よりもずっと価値があるように思えた。

「まだ使い道があるんだから」

そんなフレデリクの言葉は、誰の耳にも届かなかった。
もちろん、ヴィオラ本人にも。

ヴィオラは呆然としたまま、引きずられるようにして皇女宮の敷地から出された。
長い道を歩かされても彼女は意識を失ったかのように静かだった。

「どうやって皇女宮に忍び込んだんですかね?」

城門の手前まできて、やっとウォルトが話しかけた。

「……」

しかし、ヴィオラは何も答えない。

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