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スマイル視点
俺の通う大学は都内に位置している。
実家からは少々遠く、片道2時間は容易にかかるような距離だ。
そのため、あまり関わりがなかった従兄弟であるきりやんさんの家にちょくちょく泊まりにいっている。
土曜や、次の日の講義が余裕のある時間帯でなければ実家に帰ることはない。
そんなことなら大学付近で一人暮らしでもすればいいのにと思うかもしれないが、自他共に認める生活力の無さを汲んで、母親が叔母さん(母の姉)に頼み込んだのである。
そして少し遅くなってしまったが今日もまた、きりやんさんの家の前にいる。
kr「あれ、スマイルじゃん。」
スーツケースを持った如何にもなサラリーマン。
少し頬が火照ているため、呑んできたのだろう。
これだから酒呑は…。
sm「…呑んできたんですか?」
kr「ん〜、スマイルくんも呑む?」
sm「いや、いいです。遠慮しておきます。」
kr「そ〜んな堅いこと言わずにさぁ!」
sm「え、いや、その、俺…成人したばかりだから。」
これだから酒呑は…。
このままでは埒が空かないのでさっさと鍵を開けてきりやんさんの家にお邪魔する。
kr「スマイル〜、相変わらず冷たいなぁ。」
sm「…そうですか。」
呑んだくれには早めに寝てもらうが吉だ。
sm「きりやんさん、寝巻きに着替えて、早く寝てください。明日も早いでしょう?」
kr「そ〜だけどぉ、」
ちっ、こいつまだ何か言う気か?
kr「や〜っぱ何でもな〜い。」
sm「…そうですか。」
寝室…と言っても布団が敷きっぱなしになっている空間へ連れて行き、押し倒して布団を被せる。
暫く頭なり布団なりを撫でていれば、自ずといびきが聞こえてくる。…現在進行形でそうなのだが。
sm「にしても、晩飯どうしようかな。」
きりやんさんが寝てしまっては料理と言う料理が食べれないし作れない。
仕方ない。カップラーメンにでもするか。
お湯を入れて3分待っている間に、普段目を向けない部屋を見回してみる。
きりやんさんのことだ、興味を引くような面白そうなものは置いていないだろうな。
中途半端に期待をして眺める部屋に、少しだけ興味の引くものがあった。
sm「…こんなの見るんだな…。」
俺の手の中には、えっちな雑誌やえっちなDVD…同人誌まで、多種多様なえちちなものがあった。
いや、ちゃんと片付けとけよな?
sm「従兄弟…え、アイツそう言う趣味?」
何故だか全身に悪寒が走った。
衝撃的過ぎて暫く固まったのがいけなかった。
kr「ん…スマイルくん何見てるの?」
寝ぼけ顔で丁度よく起きてきたきりやんさんに見つからないように背中に隠す。
sm「いえ、別に何も?」
kr「…そう?」
背中に隠された手を不思議そうに見つめてから、腕を掴まれた。
kr「嘘でしょ。何持ってるのか見せなさい?」
ぐいっと腕を引っ張られる。
sm「いやだ、ダメだから。」
kr「見せて。」
持っていたものが目の前に出されて、目を見開くきりやんさん。
そりゃぁ、驚くだろうな。
kr「こんなに持っちゃって…。」
「そんなに気になる?」
優しそうな瞳からは考えられないほど、爛々と性に満ちていた。