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「(だめだっ!!わけわかんないわ、やっぱ海賊ってだから嫌いっ!!ここは自力で逃げ出す方法を……!!!)」
ガーンと効果音がつくほど頭を抱えた女の子。紹介が遅れたが名前はナミである。
「バカたれが、逃がすかロロノア・ゾロ!!!バラバラ砲ーうっ!!!」
背中を向けてかけ出すゾロとエマ。
そんな二人をバギーが易々と逃がす訳もなく、二人の元へはナイフを握った手がドヒュン!!と片手ずつ飛んでくる。
ゾロは怪我をおっているからか苦しそうに剣を抜き、ギンギン!!と防戦一方で交わす。
若干苦戦しているゾロの元へエマは向おうとするが、エマのことをバギーの片手は逃がしてはくれない。鉄パイプ二本の二刀流で交わして行くが、背中を見せたらすぐにでもナイフが突き刺さりそうだ。
「ぎゃーっはっはっはっはっは!!ゾロが逃げるぞ!!」
「バギー船長から逃げられるもんかァ!!!」
しかし、その俊足でだだだだだと駆け出しバギーの手を置いてきぼりにする二人。
ゾロが向かう先にエマも着いて行くが、着いた瞬間察したように鉄パイプを背中に収めた。
『ほんとにやるの?』
「アァ、手伝ってくれるか?」
『しし、もちろん』
ぐっ…!っと力を合わせて何かを持ち上げる二人。グイッ…と少し持ち上がると、余程重いのかゾロの傷口からブシュっと血が出てきた。
「まさか……!!」
これにはナミも驚き。エマはゾロの傷を心配しながらも力いっぱい持ち上げた。
その甲斐あってか、ガコン!と鉄の塊が180度回転した。そう、二人が持ち上げていたのはあのバギー海賊団の大砲だったのだ。
「「「「!!!」」」」
「ぎいやーーーーーーっ
大砲がこっち向いたァーーーーーっ!!!」
「ぬあ〜〜〜〜〜〜っ!!!
あれにはまだ"特製バギー玉"が入ったままだぞ!!!」
大砲の向く先にはバギーとその海賊団一行。
言わずもがなぎゃーっぎゃーっと騒然である。
ちなみにバギー玉とは、街一つを簡単に消し去ることができるバギー御用達の大砲玉である。
「おおっ!!」
「おい、点火だ!!!」
「え……は…はいっ!!」
「急げ!!!」
「よせ!!!
ふせろォーーーーっ!!!」
感嘆の声を上げるルフィとは反対に焦って止めるバギー。
しかし、大砲はそんなことに止まりもせずドゥン!!!と発射した。
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