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「「「「ぎゃあああああああああ」」」」
叫び声とともに大きく舞った煙。
煙幕のようにモクモクとしておりあちら側がどうなっているかは煙が濃くて確認できない。
ゾロは少し様子を見てから、こちらを見て言った。
「今のうちだ……!!
ところでお前、誰だ」
「私…泥棒よ」
「そいつはウチの航海士だ」
『航海士…!ほんと?』
今まで慌ただしくて聞けなかったが、この女の子は誰なのか?その疑問をゾロは真っ向から聞く。
ナミは泥棒らしいが、ルフィは航海士と言っている。
航海士と言う言葉にエマは目を輝かせる。女の子が増えるのが嬉しいんだろう。
「バッカじゃないのまだ言ってんの!?
そんな事言うひまあったら自分がその檻から出る方法考えたら!?」
「違うみたいだぞ?」
『そっか…』
「あーそりゃそうだそうする」
ルフィに怒鳴るナミを横目にゾロは気まずそうにエマに言う。エマの目からは先程の輝きはなく、心做しかしゅん…という効果音と垂れ下がった犬の耳が見えてくる。かわいい
「いや檻については問題ない。てめェは檻の中にいろ!!」
そう言うとゾロはルフィが入っている檻に近づき、オオ…!!という声を上げて苦しそうに持ち上げ始めた。持ち上げ始めた(2回目)
鉄の檻、物凄く重い檻、脇腹負傷の腹部重体。
ゾロは力持ちだ。しかし度が過ぎてるとは思わないだろうか。
『え』
「おいゾロ、いいよ!腹わた飛び出るぞ」
「飛び出たらしまえばいい」
「何でそこまで…!!!」
エマはびっくりしたようにゾロの方を見た。発した"え"には驚きと心配と色々が混ざっているのだろう。
ルフィも怪我の状態を見て止めるが、ゾロは止まらない。ゾロの腹部からはブシュウ…!!と血が出ている。腹わたに関してはそういう問題じゃ無い。
ナミも信じられない、という顔で言葉を発した。
「おれはおれのやりてェ様にやる!
口出しすんじゃねェっ!!!」
『わ、ゾロかっこい…!』
「(どうしてそこまで……!!!海賊のくせに…!!!)」
遂に檻が持ち上がり、ゾロの肩へと乗っかった。ズオオと気迫が伝わってくる。脇腹から出ている血は止まることはないが、同じようにゾロも止まることは無い。
鬼気迫るゾロの姿にエマは感嘆の声を漏らしたが、檻の中のルフィの顔がむすっとしたのは勘違いではないだろう。
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