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翌日の午後。
フロント業務を終えた華は、休憩時間にロビーの片隅のソファへ腰を下ろしていた。
人の出入りが少ない時間帯で、館内には落ち着いた音楽が静かに流れている。
「……ふぅ」
膝に手を置き、小さく息をつく。
律のことを考えれば考えるほど、胸が苦しくなる。
その時、柔らかな声がした。
「華さん、ここにいたのね」
顔を上げると、そこには琴音が立っていた。
凛とした立ち姿に、華の胸は一瞬ざわつく。
「こ、琴音さん……」
気づけば、自然と背筋を伸ばしていた。