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どうしたのひろぱ( ߹ㅁ߹) なんか思ってもなかった方向にどんどん進んでいるような、、、流石ですね これからも楽しみに待ってます(´˘`*)
あぁぁ‥まじで小説ですね。凄いです。若井の立場からするとちょっと辛いですよね。。本家エピソードと被ってとってもしんみりです。更新楽しみにしてます😭
ひろぱはもっくんその気にさせた涼ちゃんに複雑な気持ちなのかな? とても続きが気になります😆💕
藤澤さんたちのバンドの話から始まり、学祭やライブのこと、最近ハマっている音楽の話などでかなり盛り上がったが、先輩のひとりがバイトの時間だからと退出したことでお開きの流れになった。
俺と若井も先輩たちにお礼を伝え、サー室を出た。
「いつの間にそんなに藤澤さんと仲良くなってたの」
サー室から出て歩き始めてすぐに、若井が俺に尋ねた。
「え?あ、ピアノの話なら3日前くらい……べつにめちゃくちゃ親しくなったわけじゃ」
「軽音入ろうって思ったの藤澤さんがいるから?」
俺の言葉をさえぎって、なぜか責めるような口調の若井に違和感を覚える。
「なに?なんか怒ってんの?」
「怒ってないけど、でも」
言葉を濁す若井に、痺れを切らして何が言いたいのかと問い質そうとしたとき、
「二人とも待って~」
藤澤さんが息を切らしながら、追いかけてくる。何か大きな黒いケースを背負っているが、キーボードだろう。よくあんなの背負って走れるな。
「ごめんごめん、さっき、ふたりのこと、おくりだしてから、っはあ、グループラインに、招待してないの、思い出して」
大きく肩を上下させて、息を切らしながら話す藤澤さんに、ゆっくりで大丈夫ですよ、と声をかける。若井が不思議そうに藤澤さんを見る。
「ていうか、グループラインって」
「え?あぁ、軽音サークル全体のがあって」
「あ、そうじゃなくて、もともと連絡先知ってる相手なら普通に追加できますよ」
俺のも元貴のも藤澤さん知ってますよね?と言われて、え?と藤澤さんがぽかん、と口を開ける。俺はこらえきれずに吹き出した。
「え、うそ、どうやってどうやって」
「いや普通に……待ってください、画面出してもらってもいいですか」
スマホを取り出して、操作方法を教える若井。地味にツボに入ってしまって笑いをこらえることによる震えが止まらない。
「これで、ここ押して、招待。ほら、これでできます」
「うわーっ、本当だ!ありがとうー!」
目を見開いて驚きをあらわにする藤澤さんに、さすがの若井も笑いをこらえきれずに肩を震わせている。
「呼び止めちゃってごめんね」
申し訳なさそうに謝る彼に、俺も若井も苦笑いしながら首を振る。藤澤さんも帰るところだというので途中まで一緒に行くことにした。
「二人はGW何して過ごすの?」
「え~、いやなんも予定ないですね」
「俺もっす」
二人とも実家勢だから帰省とかもないしなぁ、と頷き合う。
「藤澤さんは実家帰るんですよね、さっき水野さんと話してたの聞こえました」
「そう!長期休みは大体帰ってるんだよね~、うちワンちゃんとかインコとか、動物いっぱい飼ってんの。皆に会いに帰んなきゃ~って思っちゃう」
へ~、楽しそう、と笑うと、若井が
「藤澤さんどこ出身なんですか?」
と聞く。
「長野県!長野市って言ってもイメージわかないかな……善光寺とかあるんだけど」
「あー、善光寺って聞いたことあるようなないような……何気に行ったことないんすよね~長野」
唸る若井に、俺も俺も、と頷く。
「でもすごい気になってて、行ってみたいんです」
藤澤さんが嬉しそうに目を輝かせる。
「実は東京から新幹線で1時間くらいだし、結構近いんだよ!今度案内するし遊びに来てよ」
「うわー、めちゃくちゃお願いしたいです。長野って美味しいものも多そうだし」
もちろん、と藤澤さんは満面の笑みで答えたあと、少し考え込んでから
「GWに予定ないなら、よかったら遊びに来る?日帰りでも、なんならうちに泊まってもらってもいいし。長野案内するよ!」
え、と真っ先に食いついたのは俺だ。
「いいんですか、行ってみたいです」
な、若井も行こうよ、と彼の方に目をやると、なぜかあまり乗り気しないような顔つきで唸った。
「いや、そろそろバイト始めようかなって思ってたんで、GW予定はいっちゃうかもだし……今回はいいです」
なんだか態度がそっけない気がしたが、初めての長野県、しかも藤澤さんに案内してもらえるチャンスというものに浮かれ切っていた俺はついそれをスルーして、じゃあ俺だけ行きます!と元気よく返事をした。
藤澤さんは大学近くのアパートに一人暮らしだというので、細かいことは後で決めようと話して駅前通りの途中で別れた。
「バイト考えてたなんて知らなかったな~」
と何気なく話しかけると
「別に。俺ら全部が全部お互いのこと把握してるわけじゃないだろ」
と、つっけんどんに返される。そりゃそうだけどさ……と不服そうに口を尖らせてみせると
「俺、元貴が何考えてんのか全然わかんないよ」
そう吐き捨てて、改札前で彼は、
「ごめん用事思い出したから先に帰って」
と踵を返した。何となく追いかけることができずに、人込みの中に消えていく彼の背を見送った。普段は何気なく聞いている入線メロディーの音が割れているのがやけに耳に残って離れない。
※※※
人間関係難しい……
いろいろと複雑そうな本作です
来週は作者多忙につき更新できない日やコメント返せない日もあるかもしれませんが、引き続きよろしくお願いします🙇”