テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第2話 根付いた印象は拭えない
md side
招集場所に指定された部屋の中に入ると既に何人か先客がいた。
???
「ガイストじゃんか!てっきり引きこもってると思ってたけどちゃんと来たな! 」
ガイスト(md)
「…一応、招集来たから。というか、僕はクリスこそ鉱山にこもってるものかと思ってたけど。」
そう言うとオレンジの髪の僕より少し小柄な男、クリスは頭を少し掻きながら答える。
クリス・エル・セリスト(ch)
「そりゃお前の言う通り招集が来たからな。それに今日は大事な式典、欠席してちゃ顔が立たないからな。」
md
「そうだね。」
そう軽く返すと、僕はソファで縮こまって寝ている人…獣人に目を向ける。
md
「ずっと寝てるの?」
ch
「俺が来た時からああだから、多分そうなんじゃないか?」
md
「へぇ…」
そう会話しながら寝ている当人…ナハトに再び目を向ける。すると目が覚めたのか、目を擦りながらこちらを見てくる。
ナハト(nc)
「ん…ガイスト、来てる。」
紫色の髪にピンクの目を持つ獣人はそう言った。前髪で片方の目は隠れているがもう片方の目でこちらをただ見つめている。
md
「ずっとここで寝てたの?」
nc
「うん…時間まだあるし…暇だったから。」
そういうと背筋を軽く伸ばす。ナハトは生まれつき姓反転の能力を持っていて、その影響で男でもあり女でもあるらしい。本来の性別は誰にも分からない。当の本人も自分がどっちか分かってないらしい。
nc
「まだこれだけ?早くして欲しい…」
ch
「ま、そうだよな。そろそろ時間なんだけどな。」
クリスがそう言うと部屋の扉が開いた。
???
「いや〜ゴメンね〜!急患の面倒見てたらこんな時間になっちゃった〜」
???
「かくいう僕も商談相手と話が盛り上がってしまって……」
そう言って入ってきた2人の方を見る。白衣に身を包み、水色の長い髪を後ろに流すリリアと片方の目を眼帯している黄色の髪のトロンは、僕達の方を見るとこちらによってきた。
リリア・エーテルワイズ(li)
「あれ〜ガイストとクリスじゃーん!1番来なさそうな2人が私達より先に来てるの珍しいね〜」
md
「そんなに珍しい…?ちゃんと招集には来てるけど、というかだいたいそっちの方が遅れることの方が多いじゃん。」
トロン・フォグナー(tr)
「痛いこと言いますね…まぁ実際その通りなんですけど。」
ch
「おいトロン、いい加減敬語外れないのかよ。俺らにはタメでいいっていつも言ってるだろ。」
tr
「癖で中々外れないんですよ。それに商談は貴族も僕ら平民も良心的な態度を取らないといけないので。」
li
「私はあんまり気にしたことないな〜。いつも患者の人達には気楽に色々話しやすいって言われるからこの調子で話すし。」
中々大変だなと少し思ってしまう。リリアは王都総合病院最高責任者で、毎日重症の患者を中心に見て回っている。トロンは僕ら七つの王冠の中で唯一の平民出身で、商品制作総合取締役兼商業最高責任者として、主に王都に出回る商品の管理などをしている。ちゃんと確認しないと悪徳業者などが素を作ってしまうため、常に気を張らないとならない仕事だ。どちらも大変である。
tr
「あとはあの2人だけですね。彼女達はまだ遠征から帰ってきてないんですかね。」
ch
「どうだろうな。数日前に急な遠征に向かわされるんだもんな、大変だよな。情報だとそろそろ帰ってきてると思うんだが……」
li
「私やトロン以上に国に貢献してる2人だからね〜。頼りにされてる分、働かされる量も違うってことかな〜。」
nc
「…こっちに向かってる足音が聞こえる。」
ナハトがそう言うとドアが開いた。
???
「あちゃ〜、私達が最後かー…。ゴメン!遅くなっちゃって…… 」
???
「リリア、そっちに何人か怪我人を搬送させた。後で部下達と共に見てくれないか?」
li
「りょうかーい。お疲れ、アイリスにエレナ。」
手を合わせて長い赤色の髪を後ろでポニーテールにしているアイリスは申し訳なさそうに言う。一方、リリアに怪我人の報告をしているエレナはモノクルをしている左目でこちらの方をチラッと見ると、青い髪を1つに三つ編みしている髪を後ろに流して近づいてくる。
エレナ・シュレイザー(el)
「ガイスト、次の遠征に向けて君が開発している魔法陣の書かれたものをいくつか貰ってもいいだろうか?」
md
「うん、分かった。数日中にはそっちに送っとく。」
el
「助かる。」
アイリス・シルフィーヌ(ir)
「じゃあ全員揃ったことだし、今日の式典についてと今後のことについて相談したいことがあって……。」
アイリスはそう言うと僕の方に目を向ける。あー、嫌な予感……。
ir
「ガイストに王家の人間の護衛をまず頼みたいんだけど……。」
md
「………は?」
To Be Continued………