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「そんな欲しがりな顔しちゃって、俺が逃がすと思ってる?」
甘いマスクと優しい声を持つ彼が、こんなにも鋭い目つきでねっとりとした愛し方をするだなんて、思ってもみなかった。
「俺と触れ合いたくて、焦らされて、ずーっとうずうずしちゃってるんでしょ」
余裕を含んだずるい妖艶な笑顔に、理性がなくなってしまいそうになる。この空気に呑まれてはいけない、呑まれたくない。そう思っていても、誘うような視線と頬をくすぐってくる指先の感覚に素直な自分の体。自覚したくない背筋の痺れに、思わず目が泳ぐ。
「俺に抱かれてみなよ」
禁断の果実を飲み込むような気持ちになりながら、神谷悠音は固く目を閉じた。
悠音は、中学校で教師をしているごく普通の二十四歳の男だ。そんな彼が逢坂蓮と知り合ったのは、とある図書館だった。生徒たちに読ませる本を探していて、蓮におすすめを教えてもらったのだ。そのときに、連絡先を交換した。後から知ったのだが、蓮はその図書館の司書ではなくカフェの店員をしているそうだ。(彼が二十二歳だということも同時に知り、年下とは思っていなかったのでかなり驚いた)
それからというもの、お互い予定が空いていたらいつでも二人で過ごしている。平日でもニ、三日に一回、週末に関して言えばほぼ毎回会っている。
二人が知り合って、二ヶ月くらい経ったある日。悠音は蓮の家に遊びに来ていた。他愛もない話で盛り上がったり、漫画を読んだり、お互い学生みたいに楽しんでいた。その中で蓮が「今彼女いる?」と聞いてきたのが事の発端だった。
「いないよ……大学のときは、いたんだけどね」
そう答えると、
「意外~。悠音さん、雰囲気的にも性格的にもモテそうなのに」
と言われた。お世辞だろうな、とは思ったが正直嬉しかった。
「そんなことないよ。てか蓮のがモテそうじゃん!顔も声もいいし優しいし…」
そう言うと、意外な返事が返ってきた。
「実は…俺も彼女いないんだよね。職場内恋愛もなし。とにかくモテたい」
大袈裟なくらいに悲しそうな顔をする蓮を見ていると、ちょっと可愛いなと思う。そういうところもモテ要素なんだよ、と言いたくなる。
「えーそうなの?俺は蓮のこといいと思う」
嘘ではないが、これだと蓮に恋しているみたいだ。どうにか取り繕おうと考えたが、いい言葉が浮かばない。焦っていると、これまた予想外な反応が返ってきた。
「ほんとに?嬉しいなぁ~…俺も悠音さんのこと、いいと思う」
「…!」
少し淫靡さを含んだ表情と声で囁かれ、耳が熱くなる。
「ねぇ、今から簡単なゲームしない?」
唐突に、そう提案された。話が逸れてありがたいなと思いつつ、「いいよ」と返す。すると、「やった!じゃあさ…」と言いながら近づいてきて、「このゲーム、俺が勝ったらキスさせてほしいなぁ…」などと訳のわからないことを言い始めた。当然、悠音は困惑した様子で「……それ、冗談だよな…?」と聞くと、蓮は
「んー、どこまで冗談で済ますつもり?とりあえず、これは見逃して?」
と言いながら悠音の顎を軽く持ち上げ、ためらいなく唇を重ねた。
「っ…⁉︎ン……!」
反射的に押しのけようとする悠音だったが、後頭部を持たれているせいで離れられない。
その間にも、蓮は舌を入れてくる。
「ん、ぅ…ッ、ぁっ……!」
いや、じゃない。だが、くすぐったいほど優しく舌先をつついたり、かと思えば舌を擦り合わせてきたり、友人同士がするキスにしたって淫らすぎる。じゅるッ、くちゅ…といやらしい水音がするせいで、耳から脳まで溶かされていく。
「ぁ、ふぅ…っや、ぇ…」
やめろ、と言おうとしたが、舌を絡め取られて上手く話せない。飲み込めない唾液が口に溜まってくる。そのとろりとした感触と生々しさに溺れそうだ。そして、それごとかき混ぜるようにして口内を隅から隅までねぶられる。限界が近くなり蓮の胸板を強く叩くと、
「ん、…俺の名前呼んでくれたら、やめてあげる。ほら、呼んで?」
と、意地悪だけど甘えたような風に言い、また口づけてくる。
「んんっ……、れ、んっ…?れん…っ」
すがるように呼べば、ますます淫らに舌を絡め、吸い付いてくる。上顎を舐めたり、舌の裏まで探ったりしている。さっきよりもさらに丁寧で、余す所なく悠音の口を味わっているようだ。かと思った直後、いきなり腰に手を回され、無意識に肩が跳ねてしまう。そのまま蓮は悠音の背中を軽くさすり始める。温かくて大きめの手に背中をさすられると、我慢しようとしているのに体が言うことを聞かない。手が行き来する度に全身が甘く痺れ、下腹部がずくんと疼く。
「はッ、ぅ…んんぅっ…っ‼︎」
溜まった唾液が口許からあふれ、まともに呼吸できなくなる寸前に蓮がキスをほどいた。
「っぷぁっ…!はぁっ、はっ、けほっ…」
酸欠と快楽で目の焦点が合わない。全身の力が抜け、ずるりと崩れ落ちる。一方で蓮は、頬が上気して夢心地であるかのような表情をしている。だが、余裕そうな雰囲気を纏っているのに変わりはない。
「悠音さん、大丈夫?息できてる?」
こんな状態までキスしたのは蓮のくせに、と言うように睨んだつもりだったが、それが逆に興奮材料になってしまったようだ。いたずらっぽい笑みを浮かべ、
「そんな欲しがりな顔しちゃって、俺が逃がすと思ってる?」
と、年下とは思えない鋭い目つきと言葉で圧倒してくる。仄暗い欲がちらつく漆黒の瞳でじっと見つめられ、顔が熱くなる。顔のラインをなぞるように頬を撫でられ、体が小さく跳ねてしまう。そのことをできるだけ考えないようにしたいのだが、蓮の誘うような視線に抗えない。それに気づいた蓮が言い放つ。
「俺と触れ合いたくて、焦らされて、ずーっとうずうずしちゃってるんでしょ」
間違っていないから、言い返せない。全部見抜かれている。
「俺に抱かれてみなよ」
禁断の果実を飲み込むような気持ちになりながら、悠音は固く目を閉じた。
服を全て脱がされ、自分で脚を持ち上げ開いた状態になった悠音に、蓮は
「指、入れるね?痛かったら言ってよ?」
と言って縁をくるりとなぞり、指を中に入れていく。ローションをたっぷり施してあるので、痛みやひきつる感じはほとんどない。
「っ、…」
しかし初めてなので、圧迫感がある。悠音の苦しそうな表情を見た蓮は、
「大きく深呼吸して?そしたら、ちょっとは楽かな?」
と気遣わしげに提案し、尋ねてくる。
「ぅ、ぐ…っ…はぁ、はぁ……」
怖気付きぎゅっと手を握りながらだが、深呼吸したことによって中が弛緩し、指をさらに奥まで導いた。しばらくして馴染んだのを見計らい、ゆっくり前後に動かし始める。
「…ぁ、あっ、!は、んっ…!」
長い指が行き来して媚肉を擦る度、腰から背筋、そして全身に、ビリビリとした刺激を覚えた。二本目の指を入れられても痛くなく、むしろさらに快感が増してくる。指を曲げて前立腺を押されると、ベッドのスプリングが鳴るほど腰が跳ね、声を抑えられない。
「や、ぁあッ、も、イっちゃ…!」
射精してしまう直前、蓮が指を抜いた。どうして、と蓮を見遣ると、己のズボンに手を掛け、下着ごと下ろした。堂々とした顔と態度に似つかわしい大きなそれが現れ、悠音は目を見張った。既に膨張していてかなり凶暴なサイズになっているので、慄いた。
「あー、ちょっと驚いちゃったかな?でもさー、悠音さん、今イったら絶対冷静になっちゃうかなと思って。」
そう告げる蓮の体は、見ているだけで興奮してしまうくらい綺麗だった。くびれのある腰に、縦に割れた腹筋。その腹に付きそうなくらいガチガチな蓮自身。全てが悠音を魅了する。昂っているのを抑えるためか眉毛を寄せた顔が何とも艶めかしい。悠音が見惚れている間に、蓮は自身にコンドームをつける。付け終わると、
「入れても、いい…?」
と遠慮がちに聞いてきたから、頷く。少しして、もったいぶるようにゆっくりと挿入される。優しすぎるくらいの手つきでほぐされた隘路を熱くて太い肉筒に貫かれ、軽く意識が飛びかける。上半身は緊張しているのだが、腰から下はどろっと溶けているような感覚があり、少しもじっとしていられない。
「あれ…入れただけなのに、悠音さんのこれもうガチガチびしょびしょじゃん。初めてなのにそんな感じちゃうんだね、やーらし…」
そう囁かれ、羞恥で全身が熱を帯びる。
「…悠音」
「~~~っっ……」
低くて心地の良い声に慣れない呼び捨てで呼ばれる。これには、ぎりっと奥歯を噛み締めないとみっともない声が漏れそうだった。
「…っ、悠音のお尻、俺のをすごいきつく締め付けて、食いちぎりそうなくらい搾り上げてくる。悠音はさ、名前呼ばれるのが好きなの?」
「も、やらしいことばっか言うなぁ…!」
次から次に普段から聞き慣れない言葉で責められ、心臓が持たない。
「ごめんごめん、悠音が可愛すぎてつい…」
蓮は悪びれる様子もなくそう言った。
「それ、やめろ…っ」
悠音が、振り絞るように告げる。
「それ?どれ?悠音って呼ぶの、嫌?」
寂しそうな、不安そうな表情になる蓮だったが、
「かわいい、って言うの、だよ…」
と返ってくると、安心したように言った。
「あーそれ?やだ言う。だって可愛いもん」
軽い調子でまたもや「可愛い」と言ってくる蓮。
「かわいくなんか、…ぁ、あ!」
反論しようとしたら、いきなり腰を打ちつけてきた。今までゆるくて甘かった蓮の雰囲気が変化する。
「茶番はここまでにして……早く気持ちよくなろ?」
言いながら、腰をしならせて自身を行き来させ始める。
「ひ、あっ…⁉︎あっ、んっ!」
蓮の動きは始めから手加減などはなく、突かれる度に体がバラバラになりそうなくらいの快感に襲われる。肉同士がぶつかり合う音も卑猥すぎて、余計に感じてしまう。
「っはは、いい声……もっと啼けよ…っ」
そう言い放つと、尻を上げさせて突き入れる角度を変えてくる。これ以上入らないと思っていたのにさらに奥まで入れられ、快感が増す。
「ぁ、ぁんっ、おッ…れ、ん…ッ」
名前を呼んでよがる悠音に、蓮が追い討ちをかける。
「悠音、ここ好きでしょ」
と、中の少し窪んだところをゴリゴリとえぐる。今までに感じたことのない凄まじい快楽に、頭ががくんと仰け反り、腰が浮く。白目を剥いてよだれを垂らしながら喘ぎ続ける悠音の口を、蓮がキスで塞ぐ。
「んっ、むぅ、ぉんッ、んん…!」
くぐもった声で啼く様子を見て、
「…はぁ……悠音、気持ち良すぎておかしくなっちゃいそうな顔してるの、ほんとかわいすぎる。俺もおかしくなるかも。ねぇ、一緒にイこ?」
と快楽に酔ったように話し、ピストンの速度を上げてくる。
「ぁ、ひッ、イくっ、ぃ、イっ、く…!」
びゅるっ、びゅくっ、と白蜜を放つ。一回だけでは満足できず、二回、三回と体を震わせて射精する。生ぬるい自身の白蜜が腹に滴り落ちるくすぐったさと、中で蓮自身が絶え間なく脈打つ感覚にも反応してしまう。一通り射精し終えたところで、蓮が自身を抜く。
こんなにいいセックスを知ってしまったら、もう他の人とはできないかもしれない。
視界がぼやけ意識を手放す直前に優音が耳にしたのは、「受け入れてくれてありがとう」と呟く蓮の穏やかな声だった。
それから一週間後のこと。
二人は、ショッピングモールに買い物に来ていた。というのも、蓮が普段着るための服を選んで欲しいと悠音に頼み込んだのだった。
ただ、悠音は
(一週間前、俺こいつと…)
と、あれこれ思い出してしまい、色々な店をまわり商品を見ることに全然集中できない。
「…さん?…とさん、悠音さん?」
蓮に話しかけられたのにも気付かなかった。
「顔赤いけど、大丈夫?」
いつの間にか、頬から耳にかけてが熱くなっている。
「や、…店内で上着着てると暑いよな~!」
あからさまに大きな声と大袈裟な上着をあおぐ動きで、何とか誤魔化そうとする。「脱ぐなら持つよ?」と尋ねられたので「良いって良いって!」と冷や汗をかきながら返す。
(今日は別に『そういう』んじゃないんだから、あんま考えないようにしよう…)
改めて気を引き締め直す悠音だった。
「あ、この店良さそう。見てもいい?」
悠音が焦っている間にも蓮は良い感じの店を探し続けていたようで、さっさと入店していく。後を追う形で、悠音も入店する。
「ねぇ、悠音さんはどっちの服が好き?」
早速好みのを見つけたのか、嬉々として聞いてくる。パーカーとハイネックで迷っているらしい。
「んー、蓮にはどっちも似合うけど…働いてるカフェの雰囲気的には綺麗めなハイネックが合うかなぁ……」
と思案しながら言うと、
「あ、じゃあそうする~。すみません、これくださーい」
即決して、「あ、え?ちょっ…」とアワアワする悠音を尻目に会計を始める。
店を出て開口一番、
「お前決めんの早いって、もう少しくらい考えればいいのに…」
と文句をつける。
「あ、ごめん……俺はハイネックが良かったけど自信なくて、悠音さんと意見同じだったからよし買おうってなっちゃって…」
なんだそうだったのか、と納得してしまい、怒りにくくなる。
「…立ち話するのもあれだし、あそこの喫茶店行かない?」
微妙になった空気を打ち破るように、蓮が提案する。「そうしよそうしよ」と賛成して歩き出す悠音だった。
喫茶店に着き、悠音はアイスコーヒー、蓮はホットミルクティーを注文した。その後で、
「…蓮って、甘い飲み物しか飲まないの?さっきからリンゴジュースとか、今からはミルクティーだし…」
と悠音が尋ねる。蓮がコーヒーやお茶といった苦めのものを全くと言っていいほど飲まないので、ふと脳裏をよぎった素朴な疑問だった。ちょっと言いづらそうな顔をして、蓮が答える。
「あー……、うん、苦いのあんま好きじゃないんだよね。」
カフェ店員なのに?と思い、吹き出してしまった。すると、
「なに?なんで笑うの!もう!」
頬を膨らませてむくれているのが可愛い。また笑ってしまうのを堪えながら、しばらく蓮の顔を眺める。と、ふと目が合った。
「…苦いのとか苦手だから、その点、悠音さんは甘くて大好き」
全く意識の外側からそんな言葉を囁かれたものだから、思わずぞくっとしてしまう。目はあの夜の獣のようだが、ふわりとした優雅でどこか優しい気配が残っている。その妙な色気に、かぁっと顔が熱くなる。
「…な、何言って、こんなとこで…!」
すぐさま対抗したが、
「へぇ、『こんなとこで』?じゃあここ以外ならいいんだ?悠音さん、意外と変態?」
と、次から次へとパワーワードばかりの言葉責めで言いくるめられてしまう。だから、変態だなんて言葉を公共の場で堂々と言うな馬鹿‼︎と思いつつ、羞恥心から目を背けるようにうつむく。
「なんてね、冗談だよ。」
またいつも通りのゆるゆるな感じに戻った蓮が、軽く笑いながら話す。悔しくて言い返そうとしたら、蓮が突然真面目な顔になり、
「今日…まだ、一緒にいてくれる?」
と手を握り、自分の額をコツンと悠音の額に当てながら尋ねてきた。
「…わ、わかったよ……」
そんな、欲しがるような、縋るような顔で聞かれたら断れるわけない。ずるい、と思いながら返事をした悠音だった。
それから数時間後、二人は悠音の家へと向かっていた。なんだかこのまま帰るのはさみしいから、どっちかの家に泊まろうという話の流れからだ。その玄関先。
「うわっ、ちょ、なに、…」
いきなり蓮に抱きしめられ、戸惑う悠音。そんなのはそっちのけで、さらに強く抱きしめる蓮。
「あー……、やっと、触れた」
耳元で吹き込まれたうなるような低い声に、ピリッとした甘苦しい刺激が恥骨のあたりを伝う。蓮がずっと我慢し続けていた欲が、決壊したダムのように溢れ、悠音をのみこんでいく。全身をまさぐられ、首筋、鎖骨と順番に口づけられる。脇腹や臍の付近を熱い手が掠めると、嫌でも体が反応してしまう。そのうちにヒョイと抱き上げられ、家の中へ連れていかれた。
「…悠音さんの家、ローションとかってないの?」
玄関に入って最初に蓮が発した言葉は、意外ではなかったが言われるとじわじわ恥ずかしくなる言葉だった。あるわけがない。彼女もいないし、抱かれるなんて、思ってもいなかった。
「ないよ~…逆にあると思ってたの?」
と聞いてみると、
「んー、可愛い悠音さんのことだから、ないだろうなって薄々は思ってたよ?思ってたけどさ~…」
珍しく、言いにくそうに言葉を濁す蓮。
「思ってたけど?」
じれったくなってハッキリ聞いてみる。別にどんな答えだって構わないと思いながら…。
「ローションないなら、俺が悠音さんのお尻舐めてほぐすしかないなって。あ、ローションじゃなくても、ワセリンとかない?それでも代用はできるから。」
覚悟はしていたけれど、それをはるかに上回るレベルの衝撃だった。見られるだけでも恥ずかしかったのに、舐められる?そんなの、いくらなんでも恥ずか死ぬに決まっている。
が、不運だった。ワセリンすらもない。
「いっ、今から、買ってくるから…!舐めるまではしなくても…‼︎」
これしかない。
「今から?あはっ、可愛いね。でも無理。限界。もう理性飛んでんだわ…」
矢継ぎ早にまくしたてられ、まだ靴も脱いでいない、そして玄関なのに押し倒される。
「ちょっ、待っ、ここ玄関だから…!」
制止しようとしたが、
「待たない」
一言だけで、鎮圧された。
「いや無理でしょ。ここで待てって言われても。俺は悠音のこと、今すぐ感じたいの。」
そう言っている間にもシャツのボタンを外され、ベルトもほどかれていく。
「ねぇ、ほんとに、ここではやめ…っ!」
蓮の肩をぐっと持ち、押し留める。しかし、その手をほどき上で固定される。蓮の方が力が圧倒的に強いので、ほとんど抵抗にすらなっていない。
「『やめて』?悠音の体は、こんなに素直なのに…」
そう言いながら、襟元がはだけて無防備に晒された乳首を弄り始める。
「ぃあ、ぁッ、だめ、それ…ぇ、」
今まで触られたことのない場所なので、どうしてもちょっとだけ痛い。だが、くにゅくにゅと指先で転がされたり、くいっと引っ張られたりする度、怪しい痺れが脳髄まで響いてくる。
「あれ?悠音、もしかして乳首でも感じちゃうの?ココ…もうパンパンだよ?」
「感じて、なぃっ…!」
盛り上がった悠音自身をなぞられるのと同時に蜜袋を軽く揉まれ、声が上擦る。ヂィー…と、ゆっくり、反応を楽しむようにスラックスのチャックを下ろされる。下着も脱がされると、どうしようもなく勃ち上がったソレが露わになった。
「あーぁ、やっぱ気持ちいいんじゃん。強がってるくせに真っ赤な乳首もぷっくり勃てちゃって…、ねぇ、お願い、俺だけのおっぱいになってよ」
「はぁ…ッ!」
突然乳首を甘噛みされ、吐息混じりの喘ぎ声を漏らしてしまう。愉楽に酔った悠音の顔を見ながら、赤子のようにチュパチュパと吸い上げる蓮。
「んっは…悠音の乳首おいし…もっと食べさせて?」
一度吸うのをやめてそう告げると、また吸い付く。口の中で飴玉のように突起部を転がしたり、かと思えば軽く噛みついてきたり、全く違う刺激を与えられる。刺激の種類が変わる度、ペニスがぴくぴく震える。それを察した蓮が、
「ねぇ悠音、コレ、大丈夫?我慢できないよーって爆発しそうなくらい張ってるけど」
と呟きながら片方の手でソレを握る。その瞬間、なんとも形容しがたい、腹の底が沸き立つような感覚に襲われた。
「ぁアッ、いま、ぁ、そこだめ、っ!」
にちゅにちゅ卑猥な音を上げながら擦り立てられ、一気に絶頂感が迫ってくる。視界の端がチカチカと弾け、何も考えられない。
「ぅぐ、っあっあっ、ひ、ぅ…!」
声を抑えることも忘れて啼き乱れ、白蜜を撒き散らす。ずっと我慢し続けたせいか、絶頂の波がなかなか引かない。蓮の腕をぎゅっと握りしめ、痙攣しながら身を悶えさせる。
「あは…気持ちよさそう。もっとびゅっびゅってしたいよね?俺も一緒に気持ちよくなりたいから、擦りつけあっこしようよ」
蓮は、悠音の答えを待たずして、ズボンと下着を一気に脱ぐ。ビンビンに張り詰めた蓮自身をイったばかりの悠音自身になすりつけられ、またぐんと大きくなってしまう。蓮が腰を上下させ始めると、これまでにない凄絶な快感が弾けた。この感覚には耐えきれず、蓮も息を乱し始める。
「…っ、は、ぁ…っ、…見て、俺らの精液でコレ、すっごいぬるぬる。まじでぶっ飛びそう。俺が二人分扱いてあげるから、悠音もおかしくなってよ…っ」
意識が朦朧としてきている中、また蓮がモノを握る。しかも蓮自身も同時に握っている。悠音の顔を見つめたまま、ゆるゆると扱き始める。お互いのモノが擦れる初めての感覚と、さっきのように扱かれる感覚が押し寄せ、体中が沸騰したように熱い。現実か夢かもあやふやな心地になりながら、悠音はイき果てた——。
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