借金組
視点:『』 視点以外:「」
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kn視点
…いつの日だったかな。
君が毎晩、俺のせいで泣いている、と言うことを知ったのは。
「…幸せだけど、辛いんだ」
「幸せだから…、辛いんだ」
「幸せには、終わりか、絶望か、悲しみか…どれかが必ず、存在するから…」
『シャケは、今、幸せなの?』
「………うん」
『だから、幸せが壊れるのが怖くて、泣いてるの?』
「っ、うん………」
つまり、それは…
俺が…
君を幸せにすると同時に…
君を、泣かせてしまっていたってこと…?
「幸せが長く続けば続くほど、辛いことの“辛さ”の度合いが、大きくなっていってる感じがして…怖いんだ。きんときと一緒に居たいと、思えば思うほど…辛くなって…‼︎」
『………』
驚いた。
君が、そんなにも考え込んでしまっていたなんて。
『…大丈夫だよ』
じゃあ…泣かせてしまっていたお詫びとして………
…俺の、夢の話でも、してあげようか
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そのとき君は、
“分からない”とでも言うかのような…不思議そうな顔をしていたね
小さく、「そうなんだ…」と、呟いて
「じゃあ、お互いにお互いに関してのことで、」
「苦しんでたってことなのかな」
『そうだったら、なんか…良いね。』
『お互いがお互いに翻弄される…みたいなw』
「…苦しむのは、…………嫌だけどな」
君はまた、涙を流す。
キシ、と小さく音を鳴らして、
俺が、君を、抱きしめる。
君は俺の肩に頭を乗せて、ひぐ、と小さく声を漏らす。
………愛らしくて、堪らなかった………
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そこから、一緒に住むまでに、時間はかからなかった。
君は恥ずかしいと言って一緒には寝てくれなかったけど、毎日見れる、君の寝顔。
君が一定のリズムで呼吸をする…それだけで、俺は幸せで満たされる。
“おはよう”とお互いに言い合って
君と一緒にご飯を食べて
毎日、少しずつ違う、日常を
君と共に過ごしていく
なんて、
幸せなんだろう…
でも、君の言った通りだった
俺の幸せには、悲しみが伴った。
…嫌な夢
良い夢を観る頻度より多く、嫌な夢を観るようになった。
現実には大好きな君が居てくれる、それを理解しては居たけども
現実にいれば、眠らなければならなくて…
眠ればまた、あの嫌な夢を観ると言う恐怖に、蝕まれて…
ごめんね、シャケ。
裏切るような事して…。
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………………良い夢の中にも、欠点はある。
それは、声。
君の愛らしいその声が消えていた。
おはようの、その声も
いだだきますの、その声も
俺の名を呼ぶ、その声も
全部、全部、全部、全部、全部、全部…
全部っ…………‼︎
聴こえなくなった…。
はは…
君の声が聞こえないんだったら…
この夢も
悪夢のうちの
一つじゃないか……………
そろそろ我慢の限界だ…。
君のその、愛らしい声が…聞きたくて、堪らないんだ………
俺は…すう、と、瞳を開いた
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sh視点
君が眠り始めて…1週間が終わった。
君の穏やかだった顔が、少し…苦しんでいる顔に変わって…
俺は、彼の手を…強く、強く…
握った………。
『っ…』
『きんときぃっ………』
俺の涙が、君の手に落ちて…
君は、すぅっと、目を覚ました
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sh)‼︎
sh)きんときっ…⁈
kn)………シャケ…
sh)きんときっ…お前‼︎…夢の中で何してたんだよ…‼︎
sh)俺っの、事…おいてっ……‼︎
kn)…ごめんね………シャケ
シャークんはボロボロと泣きじゃくって
きんときは、うすら涙を、浮かべてた…。
kn)シャケ、………おいで?
きんときが、腕を広げて俺を呼んだ。
シャークんは…ぐ、としゃくりを飲み込み、きんときの腕の中に飛び込んだ。
わあぁと大きな声で泣きじゃくるシャークんを抱きしめて…
kn)夢なんかよりも…現実が、いっちばん…幸せな空間なんだね…
きんときは、微笑み涙ぐんで、
そう、言った………………
END
コメント
2件
読んでて一緒に涙しました。良い作品をありがとうございます。