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stpl 紫緑 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
照明を落とした部屋は、昼間よりずっと静かで、二人分の気配だけが濃い。
玄関のドアが閉まる音がして、ほっと息をついた瞬間、背中から腕を回された。
「おかえり」
「……ただいま」
低くて落ち着いた声が耳に触れて、それだけで力が抜ける。
こったんはそのまま離さず、ゆさんの肩に顎を乗せた。
「今日は遅かったね」
「うん。でも、早く会いたかった」
素直に言うと、腕の力が少しだけ強くなった。
「そういうこと、さらっと言うの反則」
耳元で囁かれて、くすぐったくて肩をすくめる。
その仕草すら逃さないみたいに、こったんはゆさんの頬にキスを落とした。
リビングに移動してソファに座ると、自然な流れで引き寄せられる。
ゆさんはこったんの胸に寄りかかって、指先でシャツの端を掴んだ。
「離れる気、ないでしょ」
「ない」
即答すると、こったんは小さく笑って、頭を撫でてくれる。
「夜は特に甘えたくなる?」
「……なる」
正直に言った瞬間、顎に触れられて顔を上げさせられた。
「じゃあ、いっぱい甘えてよ」
唇が触れる。
深くはしないのに、ゆっくりで、確かめるみたいなキス。
一度離れて、またすぐに。
今度は少し長く、息が混ざるくらい。
「……キス、多くない?」
「夜だから」
理由になってないのに、妙に納得してしまう。
こったんはゆさんを抱きしめ直して、背中をなぞるように撫でる。
落ち着かせるみたいな、守るみたいな手つき。
「ここにいる間は、俺の腕の中な」
「ずっと?」
「ずっと」
迷いのない声に、胸がいっぱいになる。
ゆさんは顔を埋めて、小さく息を吐いた。
「……あったかい」
「知ってる。ゆうくん、すぐそうやって溶ける」
額にキスをされて、髪に、こめかみに。
どれも優しくて、逃げ場がない。
夜が深くなるほど、距離は自然に近づいていく。
言葉がなくても、触れ合っていれば足りる。
こったんの腕の中で目を閉じながら、ゆさんは思う。
大人なのに、こんなに甘くて。
でも、この夜は、誰にも邪魔されたくない。
こったんの胸に頬を寄せると、すぐに抱きしめ返された。
「……このまま寝よ」
「うん。離さないで」
「最初からそのつもり」
低い声と、確かな体温。
夜は、静かに、二人を包み込んでいった。