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「 ヤンキーとあの子 。 」
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春が少し過ぎた頃のことだった。
賑やかな生徒の声が広がるこの学校に、
一人の生徒が転校してきた。
『2年1組』に転校してきた彼女。
「今日は転校生が来ます。入ってきていいですよ〜」と、先生の目線がドアに向き、合図を出す。
ガラガラと、少し古びた音を出しながら
ドアは開いた。
入ってきた彼女はまるで別世界にいるようだった。絵本から飛び出してきたかのような女の子だった。
誰もが彼女に魅力された。
休み時間、彼女の周りには男女生徒が集まっていた。
「彼氏はいるのか」「好きなタイプは?」
など、恋愛的なことを聞く人もいれば、
「好きな食べ物は?」「嫌いな食べ物は?」
と、食べ物を聞いてくる人もいる。
彼女はゆっくりと、回答欄を埋めるように、
一問、一問、と答えていった。
口から出る声は、まるで鈴を転がすような声だった。
お昼、彼女は流石に疲れて、誰もいないであろう屋上に行った。初めての校舎で少し迷ったが、
なんとか辿り着けた。
大きな2つのうち一つの扉を開けると
一気に外の空気と風が入ってきた。
髪の毛が風で後ろに持っていかれるのがわかる。
張り詰めた心も風と一緒に流れていったような
気持ちになった。
そして、彼女は屋上全体を見回す。
すると、屋上に設置されているベンチの上に
明らかにヤンキーっぽい人が寝ていた。
近づいて見れば、顔は整っていて、
金髪に黒色のピアスを両耳にしている。
典型的なヤンキーだ。
自分の学ランの上をお腹に被せて、
片方の腕で目を隠している。
太陽が眩しいのだろう、
今日は晴天なのだから。
彼女は何を思ったのか声をかけた
「 あの、大丈夫ですか ? 」
ヤンキーは瞼を動かして目を開けた。
彼は明らかに不機嫌そうに口を開いた
「 ____ 。 」