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朝。まだほんのり薄暗い部屋の中、布団の中で小さな寝息が聞こえていた。


「ん……ネグ、起きとるんか……?」

すかーが柔らかい声で問いかける。けれど、ネグリュシカはただ静かに眠ったまま。


「……んー……ふぁ……」


少し遅れて、夢魔も横から覗き込む。


「ネグ、朝だよ……俺らと違って、ちゃんと起きなきゃダメでしょ?」


それでもネグは布団の中でふにゃっとした顔をして、むにゃむにゃと呟くだけだった。


「えへへ……」


その一声だけで、すかーも夢魔も心の中で叫んでいた。


(はぁぁ……可愛い……!)

(……寝起きのネグ、反則……)


ふにゃっと笑ったネグは、両手を伸ばして2人の腕を掴む。


「……起きた……」


そんな甘えた声を出されれば、すかーも夢魔もどうしたってネグに構わずにはいられない。


「しゃーないな……」

「ほんと、甘えんぼだな……」


そう口では塩対応気味に言いつつも、ネグの頭をそっと撫でてやる。


ネグはそれが嬉しそうに、「ふふ……」とまた小さく笑う。


腕を絡め、頬を寄せ合って、自然と距離が近づく――そのスキンシップの時間は、とてもゆるやかで心地よかった。


――少し時間が経った頃。

今度は佐藤がふっと顔を伏せ、2人に甘えるように寄ってきた。


「……おい、ネグ……」


そんなふうに名前を呼ばれるのは珍しい。


けれど、すかーも夢魔も今度は逆にそっけなく対応した。


「……はいはい、甘えたか」

「……別にいいけど」


腕を組んだまま、顔もあまり見ない。だがそれでも、視線の端ではしっかり佐藤を見ていた。


(……佐藤が甘えてくるとか……可愛い過ぎるやろ……!)

(……反則だろ、ほんと……)


そんな心の叫びは表には出さない。


しばらく無言の時間が流れた後、ネグは小さく、ほんの囁きのように言った。


「……好き。」


すかーも夢魔も一瞬、息を止めたように静かになった。

だが何も言わず、ふいっと顔を背ける。


ネグは寂しそうに、けれど諦めずに――

服の裾をクイッと掴んで、上目遣いで、声を震わせながら言った。


「……ギューってして、?」


その一言に、2人は耐えきれなくなった。


「……ったく、しゃーないなぁ」

「……おいで」


ネグをそっと抱きしめる。その腕の中でネグは、またふにゃっと笑って。


「えへへ……」


その笑顔があまりに無防備で、心臓が破裂しそうになる2人だった。


(無理……もう可愛すぎる……)

(……こんなの、心臓もたないって……)


――そして夜。


今度は、すかーと夢魔が佐藤に寄りかかるようにして甘え始めた。


「……なぁ、ネグ」

「……たまには俺らにも優しくしてくれよ」


けれど、佐藤は布団の端で背中を向けたまま。


「……ヤダ。」


それだけ言って、静かに無視した。


すかーも夢魔も、その瞬間静かにスイッチが切れたようになり――


「……あー、もう知らんわ」

「……おい、こっち来い」


2人が佐藤をそっと持ち上げ、ベッドの中央に連れて行く。


「ちょ、ちょっと、やめっ……!」


そのままイチャイチャと、体を撫でたり、指を甘噛みしたり――


「や、あっ……ん……!」


首筋や鎖骨に軽くキスを落としながら、耳元でささやく。


「無視なんかすんなよ……寂しいんだろ?」

「ほんと、意地悪……」


佐藤は顔を真っ赤にして、泣きそうな顔で言った。


「ごめん……ってばぁ……っ//」


その一言で、すかーも夢魔もふっと力を抜き、微笑んだ。


「よし、許した」

「……ほんと、仕方ないんだから」


2人は佐藤の頬に何度もキスをして、気が済むまで抱きしめ合った。


そして――眠りにつく頃。

3人はしっかりとお互いを抱きしめ合い、絶対に誰も離れないように、静かに目を閉じるのだった。


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