テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ガチャッ・・・
突然部屋にひとつしかない鉄のドアが開かれる。すまない先生は痛む体に鞭を打ち、生徒を庇うように前に出る。
「よぉ、俺の事覚えているよな?」
と、ボスであるその男はニヤニヤとしながら入ってくる。
「・・・お前、確か村を襲っていた盗賊の・・・!何故ここに?」
「あの後脱獄してきたんだよ。ったく、お前らのせいで俺の計画はぱぁだよ」
と、男はすまない先生達を睨みつける。それに負けじと、すまない先生も睨んだ。
「そもそも、君たちが村人を襲う方が悪いだろ。女子供まで殺して、金品を盗むほうが」
すると、男の逆鱗に触れたのか、男はすまない先生の頬を思いっきり殴り飛ばす。
「ッ!」
「「「すまない先生!!」」」
男は殴り飛ばされたすまない先生の青い横髪を掴み、引っ張った。
「いっ!!」
「うるせぇなぁ、そもそも、お前らが邪魔さえしなければ俺は捕まんなかったんだよ。お前らのせいだ。」
そう憎悪に満ちた目ですまない先生をにらむ。すまない先生はぐっと奥歯を噛み締めていると、
ジジッ
『──大変です!ボス!!』
「あ?なんだ?」
『──へ、変な子供達が・・・ひいっ!?来るな来るなッ・・・うわぁぁああああっ!!!』 ブチッ
「おい!何があった!?おい!!」
男はそう繋がらなくなったトランシーバに向かって叫ぶ。すると、
ガコンッ
と、鉄のドアが吹っ飛んだ。物理的に。
皆が目を丸くしていると、そこには、真っ白な髪の少年と、緑髪をハーフツインにしている少女。銀髪の少女、3人が入ってきた。
「あ?なんだ?このガキども」
「・・・!ミツキくんに、ギョクちゃん、それに、オトちゃん?」
そうすまない先生はどうしてここにと言うような瞳で3人を見た。
「・・・」
ふと、ギョクとミツキの目が座っており、オトは苦笑していた。
「な、なんだよ!!てか、お前らどっからッ」
すると、男の腕が飛んだ。男の片腕が地面に転がる。
「ぎっ・・・!ぎゃぁぁあああああっ!!!」
男はすまない先生の横髪から手を離す。そして、地面にのたうち回る。いや、そんなことより、すまない先生は、とある光景に目を丸くした。
──ギョクの持っている武器は、かつて母が使っていた、“八咫鏡”だ。
「な、なんで、君が?」
すると、男が殺意を持った目でギョクを睨みつけた。
「て、てめぇ、この糞ガキ!」
すると、男の目と鼻の先に、剣先を向けた。
「ひ、ひぃっ!!」
男は思わず怖気付く。その剣を向けているのはミツキだ。
「・・・僕の大事な妹に、そんな汚い目で睨むな。目を抉るぞ」
と、ミツキは剣先を男の目と鼻の先に突きつける。男は恐怖のあまり震えていた。
すまない先生は、その雰囲気が変わったミツキにも驚いたが、何より驚いたのが、
──ミツキの持つ剣は、父が使っていた、そして今は、自分が使っている“草薙剣”だった。 ミツキは草薙剣を男に向け、“紫色の瞳”で男をにらむ。
ふと、ブラックは首を傾げた。
(・・・おや?・・・彼、目は“青”では無かったでしょうか?)
ブラックは疑問に思っていると、
「はいはい、ミツキ、ストーップ」
パチンッと、指を鳴らすと、静電気みたいな小さな雷がミツキの体を走る。
「いっだぁ!?」
「頭冷えた?」
「頭冷やすの水でいいじゃん!!酷くない!?」
「酷くない。ほっといたらその人確実に殺す気だったでしょ?」
「だって〜」
「だってじゃない」
と、オトがミツキを止めた。男はミツキの殺気により、泡を吹いて気絶した。よく見ると、ミツキの瞳も紫色から青色になっていた。
(・・・私の気のせいでしょうか)
と、ブラックはあまり気にしなかった。
「すまない先生、怪我は?」
「う、うん、大丈夫・・・」
と、突然ギョクがすまない先生の服を上に引っ張りあげる。お腹の部分が赤く火傷のようになっていた。それを見たギョクはじっとすまない先生を見た。
「・・・嘘つき」
「あ、あはははは・・・」
ジト目でみるギョクに対し、すまない先生は苦笑した。はぁとため息をこぼすギョク。だが、ギョクの瞳には呆れなどという色ではなく、どことなく優しげに、そして懐かしそうな瞳に、すまない先生は首を傾げたのだった。
「さ、帰りましょ?多分、トキ達ここ爆弾セットしてるので」
「よーっし!!早く帰ろう!!」
と、みんなは慌ててその場から逃げ出した。