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そして、その施設は爆発し、犯人は全員逮捕された。
その日は、最後というわけでみんなで学校に泊まり、そしてお別れ会をした。
短い間だったけれど、とても楽しく、面白い日常だったとみんなで談笑した。
楽しく歌ったり、食べたり、ジュースを飲んだりなどをし、最後の別れを惜しんだ。
ふと、すまない先生は彼が居ないことに気づいた。
✵✵✵✵✵
ひとり、ミツキはタバコを吸っていた。
「こら?未成年でしょ?」
後ろから声が聞こえ、振り向いた。そこにはすまない先生が困ったように笑い、近寄ってきた。
「これ1本だけですから、許してくださいよ☆」
と、可愛らしくウインクする彼に、すまない先生は苦笑した。
「・・・なら1本ちょうだい?」
そう言うと、彼はキョトンとした。
「・・・すまない先生、吸うんですか?」
「昔吸ってたんだよね」
と、すまない先生はミツキからタバコを1本貰い、それに火をつけ、肺いっぱいに吸う。
「ゲホッゲホッ!あー、やっぱ苦手だなぁ・・・美味しくないし・・・」
と、すまない先生は顔を顰めた。それにミツキは気になり、聞いた。
「・・・美味しくないのに、吸ってたの?」
そう聞くと、すまない先生は少し悲しげな瞳へと変わり、こたえた。
「・・・昔、僕ね、かなりヤンチャしてたんだよね。村人殴るわ、爆破させるは、いたずらっ子みたいにね。そん時にちょっとね」
と、すまない先生は内緒ねと言うように人差し指を自分の口元に持っていく。
「・・・あん時は、両親も死んで、かなりヤンチャしてたんだよね」
ミツキはその言葉に少し反応した。そして、聞いた。
「・・・すまない先生の両親って、どんな人だったんですか?」
「・・・そうだね」
と、すまない先生は思い出すようにこたえた。
「・・・お母さんは優しくて、お父さんとの特訓で負けて泣いてる時に優しく励ましてくれてたんだ。父さんは、強くて、修行は厳しかったけど、とても優しかった。僕ね、特訓中に剣の素振りをしてたらお父さんの弁慶の泣き所に当てちゃってさ、ふふ、あん時は面白かったな」
と、すまない先生はくすくすと笑う。月明かりに照らされた造形のような美しい顔に、誰でも見とれてしまうような笑顔でそうこぼす。
「・・・いつか、僕も、父さんや母さんみたいな人になれるかな」
そうすまない先生は呟くように言葉を吐いた。その言葉に、ミツキはタバコをまた吸い、こたえた。
「大丈夫ですよ。すまない先生なら、なれますよ」
そうあっさりと返す彼にすまない先生は首を傾げた。
「どうしてそう言えるの?」
そう聞くと、ミツキは目を伏せ、すまない先生と同じように人差し指を口元に持っていき、こたえた。
「内緒です」