テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
〜*Hina*〜
85
#ご本人様には関係ありません
〜*Hina*〜
386
〜*Hina*〜
586
「……以上の理由から、本プロジェクトの予算増額を提案します。部長、いかがでしょうか」他部署の役員も出席する、緊密な空気が流れる会議室。
いるまはいつもの「鉄仮面」を被り、厳しい表情で資料を眺めていた。その隙のない姿に、周囲は固唾を呑んで回答を待つ。
ところが、隣に座っていたなつが、資料のミス(いるまがわざと仕掛けたチェック用の小さな不備)に気づいて焦ってしまった。
「あ、……ちょっと待てよ、いるま! そこ、数字が昨日のデータと……」
「「「…………!!?」」」
会議室に、ペンが落ちる音さえ聞こえるほどの静寂が訪れる。
なつは自分の口を両手で押さえ、顔面蒼白になった。
(やばい、昨日の特訓のせいで……完全に癖になってる……!!)
誰もが「部長が激怒する……!」と震え上がる中、いるまはゆっくりと顔を上げた。
その口元には、冷徹な仮面を突き破らんばかりの、邪悪で幸せそうな笑みが浮かんでいる。
「……ほう。暇、今何と言った? 私を名前で呼んだな?」
「あ、いえ! 失礼いたしました、いるま部長! 今のはその……」
「いいや、聞き捨てならないな。役員たちの前でそれほど親密な態度を取るということは、君は私に対して相応の『覚悟』があるということだろう?」
いるまは会議を中断し、なつの椅子を引き寄せて、至近距離で見つめた。
「……これは罰だ。明日から会社でも、私に対して敬語を使うことを禁止する」
「はぁ!? 無理ですよ、そんなの!」
「『無理です』じゃないだろ? 『無理』だろ。……ほら、タメ口で言い直せ。言わないなら、今の失言を正式に議事録に残して、全社に配信するぞ」
なつは周囲の「え、これどういう状況……?」という困惑の視線を浴びながら、絶望に打ちひしがれた。いるまの目は「逃がさない」と語っている。
「……わかったよ。……無理、……だよ。……いるま」
「……っ!!」
いるまはあまりの尊さに、一瞬だけ会議室の机に突っ伏した。
部下たちは(あ、部長が幸せすぎて死んだ……)と察し、役員たちは(……なんだこのバカップルは……)と呆れ顔。
「……よし、会議はここまでだ! 全員解散! 予算は承認する!」
「「「やったぁぁ!!(なつくんありがとう!!)」」」
「ちょっと、いるま! 勝手に終わらせるなよ!」
「いいんだよ。なつのタメ口が聞けたから、俺は今、世界で一番寛大な上司なんだ。……さあ、なつ。部長室で『タメ口の徹底特訓』をしようか」
結局、失言をきっかけに会社での立場がさらに「公認」へと近づいてしまったなつくん。
いるまくんの職権乱用な「タメ口強要」に、真っ赤な顔で付き合わされることになるのでした。
コメント
1件
あーもう!この回はニヤニヤが止まらなかったわ!! 会議室であの鉄仮面のいるまが「……っ!!」って机に突っ伏すとこ、完全にバレバレのバカップルやんwww 「タメ口の徹底特訓」って…その発言がもう職権乱用にもほどがあるけど、なつくんが真っ赤になりながら付き合わされるの想像しただけで尊い…。二人の関係が社内でどんどん公認ルートに突き進んでて最高だった!🔥