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水族館とカフェを満喫して、少し沈みかけた太陽を背に並んで歩くふたり。
みことは小さくあくびをして、すちの腕に無意識に寄りかかった。
「眠いの?」
「うん……すちくんと一緒にいると、なんか安心しすぎて……」
「それ、嬉しいけどちょっと困る。」
「なんで?」
「油断してる顔、…可愛すぎて、我慢がきかなくなる。」
みことははっとして顔をあげた。
「え……? 今のって…そういう意味……?」
すちは立ち止まって、みことの顔をまっすぐ見た。
「今日、楽しかった?」
「うん、すっごく楽しかった……すちくんと一緒にいて、ずっとふわふわしてた。」
「じゃあ、最後にさ、俺からも“楽しかった”って言っていい?」
「うん……?」
その「うん」が終わる前に、すちはそっとみことの頬に手を添えて、
優しく、だけど確かな意志で、唇を重ねた。
一瞬でみことの体がびくっと震える。
「……!」
でも拒むことなく、ただ目を閉じて、受け入れるようにその唇に応えた。
離れたときには、みことの目がうるんでいて、頬は真っ赤だった。
「……っ、心臓……すごい音してる……」
「俺もだよ。」
「……すちくん、ずるい……いきなり……」
「我慢してた。でももう無理だった。」
すちはふっと笑い、みことの手を取り、指を絡める。
「これからも、俺の隣ね。」
「…うん。どこにも行かないよ。」
夕暮れの街灯がふたりを照らしながら、
静かな帰り道に、恋の余韻がふんわりと溶けていった。
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