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ある休日、みことは、すちのベッドに寝転がって、スマホをいじりながら 時々思い出したように「ねぇ、すちくん」と話しかけてくる。
すちはその横で、床に座って何かノートを開いていた。
「……さっきからずっと話しかけてくるけど、俺に集中させる気ないでしょ?」
「えへへ、だってすちくんいると話したくなっちゃうんよ…」
「ほんと天然で煽ってる自覚ないの、ずるい。」
「ん? なにが?」
そのまま、すちは立ち上がってベッドに腰かけ、 みことの上半身を軽く引き寄せる。
「こっちのセリフ。……そんな無防備に俺のベッドで転がって、かわいい顔で喋りかけないで?」
「っ、ちょ、急に抱きしめんといて…!」
「ダメ?」
「……ダメじゃないけど……」
みことの声がだんだん小さくなって、すちの胸に顔を埋める。
「……好きって言ってほし…い。」
「何回でも言うよ?」
「ほんとに?」
「……好きだよ。俺だけの、みこちゃん。」
「……俺も、すちくんが好き。」
ベッドの上、ただぎゅっと抱き合って、
肌の温度と鼓動を感じた。
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「……ねえ、すっちー、なんか全然映画の内容入ってこん。」
「俺も。みこちゃんの頭が肩に乗っかってくるたびに、気が気じゃない。」
「うえっ!?そんなつもりじゃ……」
「わかってるよ。かわいいから許す。」
そう言って、すちはさりげなくみことの手を取って、指を絡める。
「……最近、こうやってると安心する。」
「俺も。というより、そろそろこっち来ない?」
すちは自分の膝の上をぽんぽんと叩いた。
「え? ……ここ?」
「ほら、早く」
「……じゃあ、ちょっとだけ。」
みことはゆっくりと膝の上に身体を預け、すちの胸に軽く頬を寄せた。
すちはその髪を指先で撫でながら、ふっと微笑む。
「……こんなの、我慢できるわけない。」
「え?」
そのまま、すちはみことのあごを軽く持ち上げ、
唇に、そっとキスを落とす。
一度、二度、重ねるたびに、
そのキスは少しずつ深く、熱を帯びていく。
「……っ、すちくん……」
「嫌じゃない?」
「……うん。でも、いつも突然なんだから……」
「そういう反応が、俺を煽ってる。」
すちはみことの腰に手をまわし、ゆっくりと引き寄せる。
みことの胸にすちの鼓動が伝わって、息が浅くなる。
「……ねぇ、これって、映画どころじゃないよね?」
「とっくにみこちゃんしか見てないよ。」
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