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「拷問、終了しました。あ、私は薔薇園鶫です。よろしく」
入ってきたのは誘惑科教官…ではなく、拷問科教官らしき人だった。
うん…なんか血まみれだ。怖。
「鶫お疲れ様!どうだった?今回は」
「ちょっと…手強かったんですけど、あんまり楽しめなかったです」
「そう?あ、こっちは凪野蒼くん。うちの新入りだよ。拷問科のこと説明してあげて」
「了解です。さ、こっちきてね」
「え?」
ちょっとちょっと…どこ行くんですか!?
連れてこられたのは拷問室?の前。相変わらず血飛沫が…
「あ、ちょっと待ってて、まだ中入っちゃダメ。後片付けしないと。岸ちゃんに頼もっかな」
「あの…俺、中に入らないとですか?」
「当たり前でしょ?じゃないと説明できない。ほんとにすぐ終わるから、片付け」
片付けって…死体の?
想像するだけでぞわってくるから本当にやめて。
えーと、あと残ってるのは誘惑科と普通科…普通科に入ろう。うん。
「さぁ、どうぞ入って」
「し、失礼しまーっす…」
うわっ。
そこに置いてあったのは、十字の拘束台、あと俺が見たことのないいろいろな拷問器具。そしてあちらこちらに血飛沫が。
あとなんだろう…?記録用のノートや、白衣。色々あるなぁ。
「どう?君も拷問されてみる?」
「え、遠慮しときます…」
「拷問科の仕事は、君が見た通り、拷問。たまに書類整理もやらされるし、暇な時は現場に行かされる。あと新しい拷問器具の開発とか、薬を作って提供したり。かな?」
「へ、へぇ…ふーん…」
うん。絶対入りたくない。
「ここは人手があんまりでさぁ。ほら、仕事柄。人手不足は誘惑科といい勝負してんのよ。ね、君も入りたくないって思ったでしょ」
「まあ、はい…」
見透かされてる…
「そろそろ誘惑科帰ってきたかな?じゃ私の説明は終わり」
「はい…」
次は誘惑科…なんだか無性に期待してしまっているのはなんなんだろうか…
「蒼くーんっ!こっちこっち!」
「?ひらりさん?」
「いいから来て!」
「は、はい」
なんだろう。
ひらりさんの元へ行くと、もう一人…小柄な少女?がいた。
いや、鶫さんも同じくらいか…で、この人は誰?
綺麗な紅い瞳…もしやこと人が誘惑科の…
「あなたが凪野くん?私は誘惑科教官、甘愛彩でーす。よろしくね」
「よ、よろしくお願いします…」
なんか思っていたのと違ったけれど、綺麗な人だ。
いや、みんな美形の方なんだけど。この人はなんか、特別な感じがする。仕事柄?
「ねぇねぇ、凪野くんは、誘惑に弱いのかな?試してみてもいい?」
「え…?わからないです」
「ものは試しだ!やっちゃお…」
「駄目だって。新人に何させようとしてるのもう、彩は」
「えへへ、ごめんねー」
「今度一緒に仕事させてあげるから、今は我慢ね?」
「はーい…」
さらっとやばい約束された…しかも俺の許可なしに!!
「誘惑科の仕事はね、誘惑をすること!もちろん人によって誘惑の仕方は違うけど…私はターゲットを甘やかして、私に依存させて、あまーい言葉をかけ、魂を取る…まあ、悪魔なんでね」
「…ターゲットを本気で好きになったりしないんですか?」
「…どうだと思う?ま、私はそんなことなったことないけど!それより、凪野くん、いい瞳(め)してる…いいなぁ。手に入れたくなる…」
「…ッ」
近い近い近いー!!
この人、やばい…罠にはまるターゲットの気持ちもわかる…うん。
「あはは、反応可愛いー!ちょっとからかっただけだってば。凪野くん、遊び甲斐があるね」
「俺を弄ばないでください…」
「…」
「説明は以上?蒼くん、どうする?」
「俺、一番マシそうな普通科に入りたいんですけど…」
「えっ!?嬉しい!普通科は基本書類整理とか、手伝いなんだけど…ま、大歓迎!」
「…誘惑科は人数が少なくて忙しいのに…手伝いに来てね凪野くん!今私ターゲット5人掛け持ちしてるんだから。1人用済みになったけど、あいつすっごい抵抗してさぁ。大変だった」
「お疲れ様!もう遅いし、今日は蒼くん帰っていいよ!」
「はぁい…」
「また会いましょうね、凪野くん❤︎」
誘惑科教官恐るべし…
でもなんであの人だけ俺のこと名字で呼ぶんだろう?みんな下の名前で呼んでたのに。
まあどうでもいいか…