第7話からの分岐
選択肢
『這いばい男さんのところへ』
…………………………『やっぱり黙ってて』
『アカガサやっぱりしゃべるの禁止』
最近 しばらく狩りに行ってない
あまり 派手に狩りすぎて
這いばい男さんたちに 注意された
ばかりだ さすがにまだ
行けない かな?
あー でもウズウズする………
ぺそっ と目の前に赤い傘が
落ちてきた
ビックリして ただ それを
見ていると雨など降っていないのに
ジワジワと傘の周囲に水溜まりが
出来はじめた
話しかけるな 勝手に出てくんな
と命令してあるので これが
下僕のアカちゃんに今できる
最大限の かまってアピールなの
だろう
ボク いじけてますよ
泣いてますよ? かまって!
ってとこか
なんだろ めんどくさい
とてつもなく 面倒くさいが
ちょっとカワイイと思ってしまう
適当に水滴を払ってから
パンッと傘を開いて乾かしてやる
まぁ、この傘の持ち主はわたし
なんだから たまには手入れ
してあげないとね
狩りに行ってないから そういえば
アカガサとも会ってなかったんだ
近くの椅子に腰をおろすと
風もないのに カタカタと転がり
足元に寄ってきた
傘なのに 機嫌が良くなった
のが伝わってきて面白い
『アカちゃん 出てきていいよ』
許可をだすと 膝の上に
顎を乗せ 上目遣いで撫でて?
と無言の要求をされた
最近 アカガサはカワイイを
狙ってやってやがる節がある
その動きは這いばい男さんや
生首くん のする カワイイ
仕草 に 似てきた
たぶんわたしがカワイイと思うものに
擬態しようとしているにすぎない
あざと カワイイ なのかな
これも?
ただ 目をみれば 相変わらず
瞳孔ガン開きの黒い瞳が
じっとこちらを 観察している…
………気が してゾワっとするけど
サラサラの赤髪は指通りが良くて
ひんやりしていて撫でていると
気持ちがいい
しばらく ただぼんやりと頭を
撫でていると 急に目の前に
アカガサの顔が 現れて
唇に柔らかい感触が触れる
びッっっくりしたぁ!
急にワープすんな!心臓に悪い
あれ?この前 わたしに危害ある
こと禁止!
オマエのキス 息できない➡️危害
噛みつく=痛い➡️痛い=危害
だからキスはダメだと命令した
はずだ
混乱しているわたしを尻目に
ちゅ くちゅっ と軽い
キスを繰り返すアカガサ
もしかして 苦しくしなければ
OKと思ってる?
そういうとこ 勘違いストーカー
気質なんだよね やっぱりコイツ…
『ちょっ まっ…』
口を開くと 逆に舌の侵入を許して
しまった ヌルリと入ってきた
長い舌は 上顎や歯列を撫でて
わたしの舌に絡み付く
ちゃんと息継ぎできるよう
唇は 時々離れて角度をかえる
けれど 舌は退いてくれない
背中に腕が回り 椅子ごと
抱きしめられた
お互いの息継ぎの呼吸音と
濡れた粘膜の触れ合う音だけが
聞こえる
コイツこんなキスもできたんだ
…そんなこと考えていたら
ヤバい 変な気分になって
きちゃった
今度は耳に口づけを落とされた
くちゅちゅ わざとらしく音を
たてるソレはとてもくすぐったい
逃げようと横を向くと今度は
首筋に口づけが下りてきた
そのまま鎖骨を伝わって
レインコートのボタンを開けて
胸元へ………
えっ!?ここで おっ始めようと
してますか?
『ちょっと こんなとこで
何しようと…』
ジジっ
言いかけたところでノイズが走り
アカガサの赤い領域に移動した
『えーと ココにわたしを引き込む
ことも禁止してたはずなんですけど』
『あなた 望んだ 移動』
口パクで そう伝えてくる
アカガサの口角は最大限に
引き上げられている
『確信犯じゃん!』
と言っても とくにアカガサは否定
しなかった
押し倒され 口づけで命令を
出せないようにされている
レインコートのボタンが外されていく
グイと引っ張られたので 破かれ
ないように 自分で袖から腕を
引き抜いた
すると アカガサは驚いたように
わたしを見た
いいの? と言うように小首を
かしげて あざとカワイイを
発動する
ここまで好き勝手やっておいて
カワイイでは済まされないでしょ
わたしは クスっと笑って
アカガサの赤い髪に手をつっこんで
グイと引き寄せ こちらから
キスをした
わたしのここへ来る前
の記憶は曖昧だ
ココに来た時は
まだ 人間の女子高生だった?
化のあだみは人だったときの
本当の名前?
すでにレインコートの怪異だった?
それすら自分でよくわからない
人間として暮らしていた記憶は
ほとんど無い 人間のときから
狩りをしていたのか
そもそも本当に人間だったときは
あったのか?
かつて恋人同士だったという
アカガサの 話はコイツの妄想 なのか
本当なのか?
ま 正直どうでもいい
ただ 今 ちょっとそういう
気分 な だけ それでいい
赤いコートのベルトを外して
開く 黒いハイネックのシャツ
は ぴったりと彼のシルエットを
写し出す
細いけど 結構 筋肉質だな
ペタペタと胸板を確認する
くすぐったいのか 感じているのか
わたしが触れるたび ビクッとする
アカガサ
楽しい! わたしは黒いシャツの
裾からの中に手を突っ込んだ
直にアカガサの肌に触れる
脇腹をわざとくすぐったいように
さわさわと撫でて背中に腕をまわす
身体が密着すると アカガサの
喉元から グルルルと猛獣の
唸り声みたいな音が聞こえた
顔にはいつもの笑顔が張り付いて
いるが 黒い瞳はいつもに増して
獰猛に獲物をとらえている
ヤバい!これ以上煽ったら………
私はスルりと撤退したが
アカガサは逃がさないというように
私の背中に腕を差し入れ抱きしめる
耳元でなにか 囁き
わたしがさっきやったように
ワンピース裾に手を突っ込んだ
服を捲りあげながら 脇腹を撫でる
くすぐったい 身をよじるが
逃げられない
さっきの言葉『お返し』かな?
コメント
2件
マジで最高です!ほんとに面白い