リィナに先導され、一味は島の中心部へと歩を進めた。周りには色とりどりの花々が咲き誇り、空気には甘い香りが漂う。
島の美しさに感動しながらも、皆がそれぞれのペースで歩き続けていた。
「すごいわねぇ…ほんとに」
ナミがその広大さと壮麗さに目を見張りながら、自然と声を漏らす。
「本当に…植物がこんなに生き生きとしている島は初めてだわ。」
ロビンが静かに感嘆の言葉をつぶやく。
そして、彼らが辿り着いたのは大きな植物園だった。巨大なドーム型の建物で、ガラス張りの壁が太陽の光を柔らかく取り込み、内部を明るく照らしている。その中には、見たこともない種類の植物が並び、まるで異世界のような景色が広がっていた。
「これが、島の自慢の植物園です。」
リィナが誇らしげに案内を続けると、ルフィは目を輝かせて叫んだ。
「すげぇ…!」
他の仲間たちもその光景に驚き、感動の声を上げる。
「すっげぇ、こんな植物見たことねぇ!」
ウソップが興奮しながら、珍しい花々に近づいていく。
「本当に、どれもこれも見たことがない植物ばかりね。」
ロビンはその美しさに心を奪われた様子で、慎重に歩きながら観察していた。
「うわっ、あっちにも見たことないのがいっぱいだ!」
ルフィが走り出しそうになった瞬間、ナミが注意深く声をかける。
「ルフィ、勝手に触らないの。触ると危ないやつもあるかもしれないわよ?」
「大丈夫ですよ、ここの植物は触っても大丈夫なものが多いんです。」
「あらそう?なら、いいんだけど…」
「この島では、貿易が盛んで…基本的には、この花や植物たちをよく出してるんです。」
リィナが説明を続けると、サンジが花をじっと見つめながら言った。
「へぇ、あ…この花、前うちのバラティエで飾ってあった奴と一緒じゃねぇか。懐かしい。」
サンジは花を指さしながら、思い出に浸るように微笑んだ。その花は、かつてバラティエを飾っていた美しい花の一種だった。
「バラティエでか?それはすごいな。」
ウソップが興味津々に聞くと、サンジは少し照れくさそうに答える。
「まぁな、あの時は店を彩るために使ってたんだ。料理にも花を使うからな、こういうのに詳しいんだ。」
「お前、花のことまでよく知ってんだな。」
「ま、料理を作るには見た目も大事だからな。」
サンジは少し照れくさく笑いながら、胸を張った。
「それに、花を使うことで料理の雰囲気も変わるしな。どんな花を使うかで、料理の印象も大きく変わるんだ。」
「へぇ、さすがだな。」ウソップが感心した様子で言う。
「でも、花の名前なんてよく覚えてんな。」
「ふん、俺にかかればこんなもんさ。」
サンジは得意げに言いながら、また花をじっと見つめる。
「まあ、こういう花が咲いてるってことは…あの時のことを思い出すな。」
「お前、バラティエのことは今でも大事に思ってんだな。」
ゾロが少し感心したように言うと、サンジは少し恥ずかしそうに目をそらしながら答えた。
「当たり前だろ。あの店は俺の全てだったからな。」
その後、リィナがニコッと笑いながら、みんなに向かって言った。
「さぁ、皆さん、もう少し進んでくださいね。ここにはもっと素晴らしいものがありますから。」
「おぉ!」
ルフィが先に走り出すと、サンジやウソップ、ゾロ、チョッパーも後ろに続く。
ロビンが微笑んで歩きながら、ナミもその後ろをついていった。
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