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植物園の建物から出ると、そこには色とりどりの屋根の屋台が並び、さまざまな食欲をそそる香りが辺りに漂っていた。屋台の間を歩くと、甘い香りやスパイシーな匂いが交錯して、まるで異国の市場に迷い込んだような気分にさせる。
「…この匂い、焼き菓子かなにかか?」
サンジが鼻をひくひくさせながら言うと、リィナがにっこりと笑って答えた。
「すごいですね、すぐわかるだなんて。あれは、私たちの島の名物のマサラダです。」
「マサラダ?」ウソップが興味深そうに耳を傾けると、リィナはうなずいて続けた。
「はい、マサラダは、島の特産のスパイスを使った焼き菓子です。甘さとスパイシーさが絶妙に調和して、他では味わえない風味なんですよ。」
「なるほど、スパイシーな焼き菓子か…」
サンジが手をひらひらさせながら言うと、ルフィがその言葉を聞いて、さらに興奮した様子で声を上げる。
「おっ!それめっちゃうまそうだ!食いてぇ!」
ルフィが興奮気味に言ったその瞬間、屋台から漂う香りがますます強くなり、サンジも我慢できずに顔を輝かせた。
「俺も料理人として、気になるからな…行こうぜ」
サンジも鼻をひくひくさせながら、屋台に近づいていく。リィナは微笑みながら、続けて説明を始めた。
「マサラダは、サクサクとした生地の中に、島の特産のスパイスやドライフルーツが練り込まれていて、食べると甘さとスパイシーさが口の中で絶妙に混ざり合うんです。香ばしい香りと、ほんのりピリッとした後味が特徴で、どこか懐かしさを感じる味わいなんですよ。」
ウソップが目を輝かせて言った。
「おいおい、それ絶対美味い奴じゃねぇか…!」
サンジも待ちきれない様子で一つを手に取った。
「よし、俺が最初に試すぜ!」と、自信満々に言うと、マサラダを一口食べる。
「…ん!これ、すごい!サクサクしてて、中に入ってるスパイスがほんのり効いてる…それに甘さとスパイスのバランスが絶妙で…いいなこれ」
サンジは驚きの声を上げた。「…名物になるのもわかる気がするぜ」
ルフィもすぐに手を伸ばし、「俺も!俺も食べたい!」と勢いよくマサラダを手に取る。
食べると、まず口の中でサクッとした食感が広がり、次に甘さが広がるが、すぐに香辛料のピリッとした風味が追いかけてくる。その後、スパイシーな余韻が舌に残り、思わず何度も食べたくなるような味わいだ。ドライフルーツの甘みとスパイスのアクセントが絶妙に調和し、口の中で不思議な心地よさを感じさせる。
「うおっ!うまっ!」ルフィが目を輝かせて言うと、サンジも「だろ?」と得意げに笑った。
「見てみろよ、ちゃんとわかってるだろ?」
サンジが自信満々に言うと、ゾロが横で「食べ物にうるさい男だな」と苦笑いをしながら言った。
「本当にうまいな…こんな味、他の島じゃなかなか味わえねぇ。」ウソップも感心した様子で言う。
「これ、食後のデザートにもぴったりね!」ナミが興味深そうに言うと、リィナがうなずいた。
「はい、こちらでは食事の後に食べるのが一般的です。でも、島民の間では朝食にもよく食べられます。すごく人気があるんですよ。」
「マジか!それじゃ、食後にバクバク食べるぞ!」ルフィが笑顔で宣言すると、サンジが少し困ったように言った。
「お前、晩飯食った後も食べる気か…?」
「気にすんな!」ルフィが明るく答えて、再びマサラダに手を伸ばす。
すると、ウクレレの穏やかな音色が、温かい島の風と共に耳に届いた。ルフィたちが音の方向へ振り向くと、そこに現れたのは大柄な男、長い金髪をマンバンにまとめ、アロハシャツを着た彼がウクレレを奏でながらゆっくりと近づいてくる。
「カイさん!」
リィナが嬉しそうに声を上げて、その男に手を振る。
「おお、リィナじゃないか。随分と、たくさんの人を連れているね。」
カイがウクレレを弾きながら、リィナに近づいてきて、笑顔で一味を見渡した。
その優しい笑顔と穏やかな雰囲気に、思わず皆がリラックスした表情を浮かべる。
カイはリィナの紹介を待たずに、すぐに自分の言葉を続けた。
「ここの島に来ているってことは、きっと冒険者たちだろう? それにしても、賑やかで楽しそうな面々だな。」
リィナはにっこりと微笑んで、カイを紹介する。
「ええ、こちらはカイさん。島の伝説的な音楽家で、ウクレレがとても上手なんです。」
「音楽家か、いい響きだな。」サンジが軽く頷きながら、カイを見上げた。
「そのウクレレ、弾いてみてくれよ。」
「ほほう、そうきたか。」カイはウクレレを軽く弾きながら、サンジに目を向けた。
「俺の演奏を聴いて、気に入ったか?」
「お前、弾くのが得意なんだな。」
ウソップが驚きの表情で言うと、カイは笑いながらウクレレの弦を軽やかに弾き続けた。
「得意ってわけでもないけど、こうやって弾いてると、島の人たちが元気になるんだよ。それが嬉しくてな。」
リィナが嬉しそうに補足する。
「カイさんの音楽は、島の人々にとって大切なものなのです。毎晩、広場で演奏されるんですよ。」
その言葉に、ルフィが目を輝かせながら言った。
「毎晩!?それなら、絶対に聴きに行くぞ!」
「おう、そうだな!」サンジも手を叩きながら、ウクレレの音色に耳を傾ける。
「これからの旅が楽しみだな、ますます!」
カイはウクレレを少しだけ止め、にっこりと微笑みながら言った。
「そう言ってもらえると嬉しいな。まあ、俺の演奏が終わる頃には、
みんなもリラックスして楽しい時間を過ごせるようになるさ。」
その穏やかな雰囲気に、リィナが満足そうに頷いた。