テラーノベル
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「どうもありがとうございました」
舞台が終わり俺は楽屋へ戻ったそこには先輩芸人がいた
「今日えらいうけてはったやん」
「ありがとうございます」
昔から可愛がってもらってるからこの一言はとても嬉しい
「でもな、さすがに時期ネタは使わん方がええ。時期が過ぎてしもたら、ただのお飾りやそのボケは。」
しかし、このような厳しいことも言われた
今を生きるのに必死でどうしようもないように感じてしまった指摘に俺は頭を抱えた
「おー、まさるー久々やね」
同期にあったが俺は顔をあげれない
「まさる、飯行こうや」
俺は静かに首を振った
「よっしゃ行くぞ」
強引に腕を捕まれ連れてこられたのは、
下積み時代からの店
「大将久しぶりです」
「お前らな、成功してから帰ってくるっていう約束はどこいった」
俺は、その言葉が刺さり目に涙を浮かべた
「まぁまぁ、息抜きですよ」
「息抜き言ってもな、お前らがいる世界はな…」
俺は耐えきれず席を立った
「まさる、お前どこ行くとか」
「ネタを作り直してきます」
大将はキョトンとした顔をした
「馬鹿かお前は、腹を満たさないいネタは浮かばんぞ」
そんなことはわかっているが、やはり言われたことが胸から抜けない
「…成功してからまた顔出します…」
俺は店を出た
家に着き、暗く狭い自分の部屋を見て
ため息すらつけなかった
プルル、同期からの電話だ
「お前今どこや」
「家や、ネタを作り直さな」
俺は内心、あ〜またあの頃のようになるのかと思った
俺は昔こいつとコンビで組んでいたが
俺の体調面も崩れ始め、俺からあいつを離した過去がある
「大将言いよったぜ、昔のお前と今のお前比べたら今のお前の方が断然といいって」
そんなの俺が言われてもと思った
そしたらあいつが、
「でも昔撮った写真を見ながら、 昔の方があいつは楽しそうだったなってよ」
「って言われても俺の都合でお前の未来は潰せない」
「誰が組み直すって言った?」
「わからん、流れで」
「でも、お前が俺を思って解散したのは十分わかっただから」
「もう一度組むとか言うのか」
「さすが相棒、だからよ体調面もしっかりカバーするからもう一度立とうや」
俺は悔しかったが、あいつは清々しいほどに声が通っていた
「後悔しても知らんからな」
「逆にお前に組み直して良かったって言わせてやるよ」
少し気持ちが楽になった気がした
そういや、あいつ今どこにおる
「お前どこにおる」
「大将の目の前」
「はぁそれ先に言えよ」
「店で待ってるから愚痴はそれからな」
生意気やけど楽しいからいっか
そういや、あのカメラマン今話題だよな
今度依頼して写真でも撮ってもらうか
結成の次に再結成ってなんやこのコンビってなりそうやけど
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