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紫嫌われ→愛され(になる予定)
〖 俺のことも 〗
長男 桃
愛されている。イケメン。文武両道。ストイック
次男 紫
虚弱体質。
上からも下からも愛されていないと感じている。
勉強は一応得意。
三男 橙
青と双子。食物アレルギー有。愛されている。
勉強は普通だが、運動はできる。
四男 青
橙と双子。喘息持。愛されている。ゲームが得意
勉強は普通。運動はドクターストップが
掛かっているが、とにかく楽しいことが好き。
五男 赤
黄と双子。オッドアイの持ち主。愛されている。
成績はオール3というThe ・ 普通。
六男 黄
赤と双子。吃音症。愛されている。
勉強は普通。少し腹黒な所が有る。
緋、蒼、樹、代、百
看護師と医者。六兄弟と親しい。
ちょっとだけだるかった。
ちょっとだけ甘えたかった。
ちょっとだけ、ちょっとだけ。
〖 俺のことも 〗
紫side
六人兄弟の次男って本当に損だと思う。
三兄弟や兄弟ならば愛されキャラであろう次男。
俺も愛されキャラだったら良かったのにな、
なんて夢を見た事もあったが、
そんな夢とうの昔に捨ててしまった。
唯一の兄に愛されるかと思えば、両親がすぐ
下をつくった。
しかも、俺より出来てるヤツらを。
物心着いた時にはいつも1人だけなぜか
輪に入っていなくて、家事をしていた気がする。
長男とは歳が離れ過ぎてて、
弟たちとは2歳や4歳程しか変わらないという
最悪な組み合わせの兄弟だから
俺が愛されないのは当然だろう。
虚弱体質。というなんとも不便な体質な俺は
親にも呆れられた事がある。
確かに愛されてはいないが、別に嫌われている訳
でもなく、漫画などで見るような ” 酷い扱い ”
は受けていない。
ただ、休んでいると舌打ちされたり、
俺だって体調が悪いのに兄弟の面倒を見たり、
兄弟の薬を買いに行ったり、
利用されている気がして止まないのだ。
買い物に行くにも、体力を使うため、
すぐしんどくなったり、目眩がしたりするなど、
本当に不便だ。
桃「 おい。いつまで寝てんだ。
休みだからってだらだらすんなよ?」
紫「 今行く…ごめんなさい… 」
桃「 青が熱だした。喘息怖いから病院
行ってきて。」
紫「 でも… 」
だるいの。
言いたくても、喉につっかえて出なかった。
桃「 は?何。文句あるの?
休みたいのは皆同じ。青が熱出してるの。
青病院連れてって、薬とか貰って来て。」
紫「 分かった… 」
俺はそう言って、青の部屋に向かった。
紫「 青、入るよ 」
青「 あ、ゴホッ、紫にぃ、ッ、」
紫「 病院行くから。上着とマスク。」
青「 はい…ゴホッ、ゲホッ」
黄「 な、なな、ハァッ、紫、にぃ…?」
紫「 黄ちゃん、どうしたの? 」
黄「 かッ、かお、しろいよ?」
紫「 あ~、大丈夫だよ。」
黄「 ほ、ほん、ほんと、ですか? 」
紫「 …うん。」
青「 できたよ 」
紫「 行くから、玄関行くよ。」
青「 はぁ〜い 」
玄関の扉を開けると、夏だと言うのに、
寒気がした。虚弱体質だからだろうか。
紫「 寒いね 」
青「 夏だよ?紫にぃも熱あるの? 」
紫「 あ〜、さっき風吹いたからかな? 」
青「 ……?吹いた? 」
紫「 青が風邪引いてるから
分かんなかっただけじゃない?」
青「 え、そんなことある!?あ、ゴホッゴホ」
紫「 大声出すからだわ、馬鹿だな 」
青「 紫にぃ酷いッ 」
紫「 酷くて結構 」
俺が虚弱体質な事は兄と両親しか知らないが、
兄はもう昔の事だったから忘れて居るだろう。
紫「 ッ…疲れた… 」
青「 え、紫にぃ、?大丈夫?休む?」
紫「 あ、ううん。桃くんに怒られるから 」
青「 でも、紫にぃ顔青白いし、」
紫「 俺の顔が青白いのなんかいつもでしょ?」
青「 駄目だけどそうだね……ぅ、ゴホッ、」
紫「 あぁ〜、早く行くか。」
「 上着着とけ。」
青「 え!?でも、紫にぃ寒いんじゃ…」
紫「 青風邪引いてるんだから。」
青「 …うん!分かった。 」
紫「 ほら、ついた。」
꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱
緋「 あれ!?紫くんじゃん!お久〜」
紫「 お久しぶりです。」
青「 こんにちは!」
緋「 その感じは青くん風邪引いたのね 」
蒼「 緋くん声でかい。うるさい。」
緋「 ごめん… 」
蒼「 じゃあ、診察券いれて、座ってて下さ~い」
紫「 は〜い 」
樹「 じゃあ、青くんはお熱測ってくださいね」
青「 はーい、! 」
代「 お!青や!身長のびとる! 」
青「 そうかな? 」
代「 おじさん感動やわ… 」
百「 お前ら騒ぎすぎな?
紫くん顔色相変わらずだな… 」
紫「 あははッ、大丈夫だよぉ!」
代「 青はどうせ時間かかるんやし
その間休んどき 」
紫「 え、でも… 」
代「 大丈夫やって 」
紫「 ぅー。」
樹「 青くん38.6です。
代「 お、了解 」
百「 紫くんはこっちな 」
青「 紫にぃ…? 」
紫「 いつものだよ。大丈夫。」
俺は青の頭をガシガシと撫でて、
百くんに着いて行った。
百side
百「 で、どうよ。相変わらず? 」
紫「 そうだねぇ…」
樹「 桃くんとは?どう? 」
紫「 うん…、そうだねぇ… 」
樹「 そうだねぇだけ言われても困るよ? 」
百「そろそろ家族に話したら? 」
紫「 それは駄目だよ!!だって…俺が… 」
蒼「 我慢すれば、ね? 」
樹「 駄目だよ!! 」
紫「 別に、誰も悲しまないよ、俺が倒れても 」
樹「 なんでそうやって、すぐ…… 」
樹が俯いて、静かに呟いた。
生まれつき体が弱い紫くんは3歳の時、
初めてこの病院に来た。
顔は青白くて、浅い息を繰り返して、
こいつもう死ぬんじゃないかって思った。
長男の桃くんが10歳頃だった。
紫くんを抱っこして「弟が弟が」
って走ってきた桃くん。
俺らも新人で、緋 とか 樹 に至ってはまだ、
学生で、たまたまここで実習をしていた。
みんな驚いて、紫くんに急いで点滴をしたり、
桃くんを落ち着かせたりしたのが出会いで。
それから良く紫くんが病院に来るようになって、
橙や青が生まれてからは週に2.3回来るように
なっていた。両親が家庭に居ないことが
多いからか、桃くんが家事をしたり、
兄弟の面倒を見たりして大変だった。
紫くんが家族の中でも異常に大人びていて。
物事を理解するのが早くてとても空気の読める
子供。色々なことが重なったからか、紫くんの
『 虚弱体質 』は無いことになっていた。
紫「 あ、もうすぐ青の診察終わるんじゃない?」
いかなきゃと1人立ち上がって部屋をでていく。
百「 あいつ倒れるぞ? 」
樹「 僕に…、紫くんを救う事は出来ないの? 」
過去に弟を病気で亡くした 樹 は紫くんを弟と
重ねてしまうのかもしれない。
蒼「 ッ……今日はいつもに増して
しんどそうだからなぁ、帰りに倒れたりして? 」
百「 縁起でもないこと言うなよ、 」
蒼の勘は良く当たる。俺自身、紫くんは倒れる
と思っている。
百「 …でも、、倒れそうだよな、
意地はらなかったら良いのに。
少なくとも俺らの前だけでも」
俺はそう言い、仕事をしようと白衣を羽織った。
紫side
青「 にぃちゃあぁ~!! 」
紫「 いつまで泣いてんだよ、ちょ、引っ付くな
鼻水汚ぇな!!」
緋「 青ちゃん頑張ったもんねぇ~ 」
代「 これからも1人でええんちゃう? 」
代くんが意地悪な事を言う。
青「 僕にぃちゃん好きだから1人なんか嫌だよ」
代「 あっははッ!意地悪やったなぁ? 」
青「 代くん嫌いだもん 」
紫「 あ!!上着に鼻水付いた!
洗わなきゃじゃんかぁ…」
しんどいのに、と独り憂鬱になる。
代「 …… 」
紫「 代くん? 」
代「 あ、どしたん? 」
紫「 いや、その……暗かったから 」
代「 大丈夫やで、紫くん…倒れんとってな 」
紫「 ……?俺は大丈夫だよ、!」
しんどさに蓋をしていつもみたいに
明るく振舞った。
いや、いつも以上に。
緋「 紫くん… 」
バレるのが怖い。やだ。
だから、緋くんの声も聞こえないようにした。
紫「 じゃぁ、外で青が待ってるから!」
そう言って外に出て急ぎ足で向かう。
これ以上問い詰められたらボロが出そうだから。
泣いちゃうから。帰れなくなるから。
青にも黄ちゃんにも、心配かけちゃうから。
桃くんに怒られるから。
俺は助けられるべきじゃないんだ。
そういう運命だから。
꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱
帰り道。
青はしゃくりあげながら俺の隣を歩いていた。
青「 にいッちゃッ、!ヒック 」
紫「 もう、うるさい… 」
歩いていたら頭がガンガンし始めた。
青「 ご褒美、グスンッ…ほしッ、くッ、 」
ご褒美。
俺が病院帰りに毎回買ってあげている。
頑張ったね、って。お疲れ、って。
でも、今日はいつもよりしんどくて、
早く家に帰りたくて、足元がフラフラする。
紫「 桃くんに頼んでよ、」
青「 紫……にぃ…? 」
ごめんね、最低で。
紫「 1人で帰って、」
目が腫れた青を道にほおって、
意識がなくなる前に病院まで走った。
꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱
紫「 はぁッ…、ッ゛… 」
視界がぼやけて、青大丈夫かな?なんて、
自分が置いてきたくせに心配をする。
樹「 あれ?紫くん?どうしたの? 」
紫「 たすけッ…てッ… 」
助けを求めたのなんていつぶりだっけな…
樹くんが叫んでる。
みんなが駆け寄ってきてくれて。
死に際みたいだな、なんて変な事が頭に浮かぶ。
死んじゃうのかな、それなら死んじゃいたい。
桃くんの負担が減るでしょ?
こんなやつ要らないんだ。
みんながテキパキと大袈裟な程、
忙しなく動いている。
青「 紫にッ……? 」
青がいる。帰れって言ったのにな、
なんでかなぁ……。
もうダメかもしれない。
紫「 あ、ぉ… ___。 」
青「 ひュッ…やだッ!やだぁ!! 」
樹「 青くん落ち着いてッ!!! 」
青と樹くんのそんな声を最期に意識が飛んだ。
樹side
紫くんが帰ってから、1人だけ焦っていた。
紫くん倒れないかな、倒れないで欲しい。
死んで欲しくない。一緒に、まだ生きたい。
僕の可愛くて、儚かった弟にそっくりなんだよ。
君の纏う雰囲気は。笑い方は。喋り方は。
いつまで引き摺ってんだ、って
思われるかもしれないけど。
ほんとに大好きだったんだ。
茈っていう名前で。すぐ無理をして。
実は寂しがり屋で悪戯好き。
最期まで堂々としてたな。
それで、僕に涙を見せない奴で。
生意気だったけど、おっちょこちょいで
守りたくなるような。そんな子。
紫くんが来た時運命だと思った。
君はさ、生まれ変わりなのかな?
余命は無いけど、体の弱い君。
初めて病院に来て目覚めた時、
僕に手を伸ばしてくれた。
お兄ちゃんでもなくて、先生達じゃなくて。
学生の僕に。だから、泣いてしまった。
3歳だった君は驚いていたよね。
もう忘れちゃってるかもしれないけれど。
外を眺めていると紫くんが戻って来た。
弟と同じくらい君が大好きな僕は
君を見つけるのが得意なんだよ。
知ってた?ねぇ、紫くん。
倒れてなかったっていう安堵と、
どうしたんだろうっていう
心配で、不安になりながら、笑顔で聞いてみる。
助けて、
紫くんから出されたSOS。
倒れた紫くんを見て思わず叫んでしまう。
樹「 紫くん!!紫くん!!いやぁぁぁぁ!!
起きて!!紫くん!!」
百「 樹!ッ…代、! 」
代「 分かっとる、」
死なせたくない。死なせない。僕が。
看護師だけど。僕が。絶対。
青「 紫にッ……? 」
青くんが来る。君も紫くんのこと好きだもんね。
きっと追いかけて来たんだろう。
紫「 あ、ぉッ…好きでいてくれて、ありがとう 」
青「 ひュッ…やだッ!やだぁ!」
樹「 青くん落ち着いて! 」
自分も叫んだくせに。
自分が1番落ち着いてないくせに。
紫くん、死んじゃだめだよ。
置いていかないで。君を救えなかったら、
僕が看護師になった意味が無いじゃないか。
無理しすぎなんだよ。
ねぇ、聞いてよ、紫くん。
また、笑ってよ。僕にさ。
ねぇ、紫くん。…茈くん…。
青side
青「 きょじゃくたいしつ…? 」
代「 そうやで。紫くんはな、
生まれつき体が弱いんやで。」
青「 でッ、でも!紫にぃは! 」
緋「 みんなには心配かけれないんだって。」
青「 へッ… 」
緋「 そう言ってたよ。紫くんは。」
初めて聞いた病気。しかも紫にぃがその病気
なんて、とてもじゃないけど信じられなかった。
虚弱体質といって、常に疲れやすかったり
どこか体が不調だったりするようなそんな病気。
治療法は特になくて。生活習慣の改善だとか
ストレスをなくすだとかで、
今の紫にぃの生活では改善なんか
無理なんだってわかった。
僕が、僕らのせいだ。紫にぃはいつ休んでる?
今日だって、しんどかったはずだ。
起きてくるのが遅かった。
顔もいつもより青白くて、、、。
どうして、気付けなかったんだろう。
僕も、みんなも。
青「 ッ…う゛ぁ…… 」
わかんない。馬鹿だから。
今まで適当に生きてたから。
どうしたらいい?僕に何が出来る?
青「 ヒュッ、ゴホッ..はッ、ッ゛…! 」
代「 緋、!ネブライザー! 」
緋「 はい! 」
青「 はッ、ごッヒュッ、ヒュッ、ヒューッ 」
代「 青……ッ、大丈夫か? 」
青「 ッ…ごめんなさいッ…ごめんなさいッッ!」
緋「 青くん…… 」
青「 僕ッ…なんにも出来なくてッ…、」
代「 青、ええか?青はなんもせんでええんや 」
「 紫くんはな絶対大丈夫や。俺らに任しとき」
青「 でもッ… 」
代「 青が笑顔やなかったら、
紫くんに心配されるで?」
青「 ……ッえ? 」
代「 紫くんはな、みんなの笑顔が
好きなんやって、よく言よったんよ。」
緋「 笑っててあげてよ、で、起きたら、
バカ兄貴って怒鳴ってやれ! 」
緋くんの笑顔はいつも以上に優しく感じた。
青「 うん!! 」
僕は僕らしく笑顔でいようと思う。
桃side
遅い。遅い、遅い。何やってんだあいつ。
桃「 …連絡もよこさず… 」
イライラして舌打ちをしてしまう。
よく言われること。
昔は仲良しだったのにどうしたんだい、と。
関係が悪化したと言えばしたのかもしれない。
紫くんは俺の最初の弟で、生まれた時こそ、
仲が良かったかもしれない。
7歳差。それまで一人っ子同然の扱いを受けて
きた俺にとっては少し苦痛でもあった。
それでも両親は俺にちゃんと愛をくれていたから
嫉妬なんてなかったし、紫くんと仲良くしたいと
思えたんだと思う。
昔は可愛かったんだ。
ただ、俺と紫くんが仲良くしているのを見て
ほっとして、か、紫くんが2歳の時に
もう1人弟ができた。
その後は早くて、年子を産んで、双子を産んで。
兄弟が6人になってから両親の仲が悪化した。
金銭的に余裕が無くなって。
関わる時間が無くなって。
父親は荒れて、手をあげるようになって、
夜中には毎日、父親が怒鳴る声と、
母親の泣声が聞こえて。
俺は家事を覚えて、出来るだけ両親の
負担を減らそうと努力して。
時には兄弟と目一杯遊んだ。
でも、紫くんは、紫くんとは変な間があった。
紫くんは俺より何かを覚えるのが早くて、
媚びを売るのが上手かった。
いつもにこにこしてて、親からも周りからも
いい子だ、って、桃とは違うな、って。
今まで俺がしてた努力ってなんなのかな…
なんて。今更だけど嫉妬した。
今までしてなかった分。余計に。
あいつはほっといても勝手にどうにかなって
くれるから、便利なやつ。
家族の中で難が1番ないやつ。
そんな認識で。
大嫌いなんだ。ああいう奴が1番。
努力せずに、楽して人に好かれる奴が大嫌い。
憎い。悔しい。負けたくない。
7つも違う弟と何張り合ってんだって
思われるかもしれないけど、それぐらい。
嫌い。大嫌い。
それが弟にも伝わったのか、
紫くんと俺らには壁がある。
俺の友達からもよく言われた。
『 桃と弟くん達似てるけど、
紫って奴だけ異質だよなw
似てねぇっていうか… 』
俺からしたら嬉しかった。
あいつと同類なんてごめんだ。死んでも嫌だ。
赤「 桃にぃ… 」
桃「 どうした? 」
赤「 紫にぃ遅くない?青にぃ大丈夫かな?」
桃「 病院に電話掛けてみようか。心配すんなよ」
赤「 うん! 」
正直面倒だ。声を作らなければいけないし。
さっき帰りました、なんて言われたら気まずい。
はぁ、と大きな溜息をひとつ。
家の固定電話に手を伸ばし、
病院まで電話をかける。
蒼「 …はい。××病院です。 」
桃「 あ、今日弟が其方に行ったのですが
帰って来ていなくて……」
蒼「 …桃くん? 」
桃「 あ、はい。 」
蒼「 じゃあ、青くんか!青くんは
今こっちにいるよ~ 」
桃「 え、、なんかあったんですか? 」
蒼「 ん~?青くんには何も無かったよ、」
「 紫くんの方が…、倒れちゃってね、」
ヒュッ、と喉がなった。
桃「 紫が…ですか……? 」
蒼「 うん。今は落ち着いてるけど、」
「 どうする?来る? 」
桃「 ぁ…えと、 」
蒼「 紫くんも青くんも待ってるよ、」
それはそれは優しくて甘い声で啼くものだから
好きでも無いくせに心配になってきて、
行きます、と頷いてしまった。
桃「 ごめん、俺病院行かなきゃ… 」
3人にそう告げる。
橙「 どして?なんかあったん? 」
黄「 じゃ、じゃじゃ、ぼ、ぼくもッ! 」
桃「 みんなで行くか、? 」
赤「 青にぃ心配だしね!」
赤もみんなもきっと、
青に何かあると思ってるんだ。
俺のせいだ。俺がみんなをこうさせた。
『 紫以外の兄弟と自分の命は大切にしろ。 』
いつか、下の4人に言った言葉を思い出し
俯いた。
꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱
桃「 あッ…代…せんせッ、」
代「 お、桃くんか、久しぶりやな、!」
よっ、といつもと変わらない笑顔を
見せてくれる代先生。
桃「 紫…、紫くんはどこですかッ、」
久しぶりに〔 紫くん 〕だなんて
呼んだかもしれない。
代「 こっちに居るで、青も一緒に。 」
案内された部屋を見ると、紫くんの手を握って
寂しそう、でもどこか嬉しそうな表情を
浮かべた青がいた。
桃「 あ…お…? 」
声をかけると元気いっぱいな笑顔で
こっちを向いた青。
青「 桃にぃ聞いて!紫にぃね、!
僕達のこと好きなんだって! 」
ニコニコしながら言う青の言葉を聞いて
思わず涙が溢れた。
紫くんはまだ寝ている。
青の言っていることが本当か、
なんて分からない。
桃「 ふッ、う゛…、う゛あ゛ぁ! 」
黄「 桃くん…、紫くんはね、
虚弱体質っていう病気なんだよ。 」
虚弱体質。まだ、橙が生まれていない時。
紫くんを病院に連れて行って、
言われた気がする。
黄「 紫くんは、ずっとね、頑張ってたよ。」
「 桃くんも頑張ってるように、きっと紫くんは
桃くんのこと誇りに思ってると思うなぁ… 」
看護師の黄さんが優しく言ってくれる。
努力しないで、全て完璧、
なんてあるわけないんだ。
『 俺が頑張ったように 』
紫くんは空気を読むのがうまかった。
だから、媚びがうれた。
でも、それは、
物心ついた時にはこの環境だったからだよね。
勉強が出来たのは、本当は俺も知ってた。
兄弟の面倒を見て、みんなが寝た後に
1人で沢山勉強してたもんね。
全部、全部知ってた。
俺が嫉妬して、真実から目を逸らしてたんだ。
桃「 ぐッ…ごめん、…紫くん゛…! 」
樹side
数時間後、紫くんは完全に目を覚まし、
兄弟と仲直りできたようで、
楽しそうに笑っていた。
百「 仲直りできたようでよかったな、 」
緋「 これで、樹くんも笑顔に
なってくれるかな?」
樹「 え…? 」
蒼「 ほんとだよ、!樹くん紫くんのこと
思い出す度辛そうにしてさ、
最近笑顔見てなかったからなぁ!」
蒼ちゃんが僕の頬っぺをぐ~、と上にあげる。
樹「 ちょっと!やめてください! 」
代「 俺が笑わせてやってもええよ? 」
樹「 あ、遠慮しときます。 」
代「 なんでやねん! 」
5人で笑う。
外を見ると空が夕焼けに染まっていた。
樹「 茈くん…僕、救えたよ…、 」
茈「 ちゃ~んと見てたよ、」
「 僕も、樹お兄ちゃんのこと
誇りに思ってるからね、」
はっ、となって周りを見渡す。
やっぱり茈くんの姿はない
でも嬉しくなって、思わず笑いを零す。
代「 樹どしたんニヤニヤして… 」
樹「 別にぃ?ちょっと嬉しいことが
あっただけです!」
お久しぶりです…(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
8.544字書くだけに時間かかりすぎだと
思った方。大正解です。((
これほぼ1ヶ月くらいかかったwww
俺作品書くのにめっちゃ時間かかる
タイプなので、更新頻度ゴミですが!((殴
これからも作品を読んで下さると嬉しいです!w
ここまでありがとうございました!
お疲れ様でした!
それでは!ヾ(‘ω’⊂ )))Σ≡サラバ
コメント
8件
初コメ失礼しますっ いい作品過ぎて思わず涙が出てしまいましたッ これ感動作品ですよ ブクマ失礼しますっ
おわ、、すご、、 久しぶりに感動したかも、(><) やーやばいね、涙腺崩壊だぁ( ᐛ )