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あの後、1時間ぐらいそうしていた。

だけど、先生の優しさに甘えてばかりではいけない。そう感じた俺は大丈夫か?と家まで送っていこうとした先生を大丈夫です!を連発して何とか一人で帰ることが出来た。


「はぁ、…明日合わせる顔ないな」

恥ずかしさで恋する乙女かのように足をバタバタとさせると余計実感が湧いてきて嫌になる。


だけど、嫌なほど明日はやってきてしまうわけで。

準備を済ませて重い足取りで学校に向かう。


「あ、あの後大丈夫やった?」

学校に着いて速攻言われるものだから、驚いて逃げ出してしまった。

あ〜、また気まずくなることが増えた…


「さとみ、…俺真剣に聞いとるんやけど」


答えてくれへんの…? なんて、言われちゃって。流石に…照れた。

「は、…//なにもなかったですけど…」


何もなかったけど…ずっと先生のこと考えちゃってたなんて、口が裂けても言えない。


「そっか、良かった」

「心配やったんやから」

そう溢しながら自然に俺の手を取り教室へ向かう。あの、手繋ぐんですか?って聞いたら繋いだら嫌?って返されたから、

「嫌じゃ無いです…、//」

って答えちゃった。


「じゃあええやん、な?」


俺より一回り大きくて、…格好良い先生を見ていたら、なんだか本当に”すき”なのかもしれないと思ってしまったけれど、

きっと違う…先生に恋なんて、

おかしいから。






俺の頭はオレンジ色の髪、緑っぽい瞳、…そんなのでいっぱいで。

授業に集中できなかった。


やっぱり、みんなに優しい先生は人気で休憩時間もずっと話しかけられている。


あの輪に入れたら、なんて幸せだったのだろう。 だけど、俺はじっとしていることしかできない。優等生のレッテルを貼らないと、

駄目だから。


なのにやたらと さとみ〜、ってたくさん呼んできて、その度に胸が痛くなる。






「お〜い、さとみ??大丈夫なん?」


「ひぁ、っ…?!」


「あ〜、ごめん。なんか集中できてなさそうやったから」


「ごめん…なさい、優等生じゃなくて、…

殴ら、…ないで」


「え?」


「や、…っ!」

優しく俺の頭に回りかけた手を俺は勢いよく拒んだ。

すると、こちらから見てもわかる程度に飼い主に置き去られた犬みたいな顔をして授業に戻った。 だけど、みんなの視線も先生の視線も俺にちら〃と寄せられる。


元々家は 「はずれ」 だったから。

その時のトラウマが出てしまう。

そのおかげで中学でもいじめられて…

「優等生」でないと、殴られる。家から追い出される。

それに耐えかねて一人暮らしを始めたけど、その時のトラウマがなくなってしまうわけでは無い。





「さとみ〜?さとちゃんって呼んでもええ?」

思い切り拒んで、嫌われたはずなのにどうして今膝枕をされて、こんなふうに言われているのだろうか。


「あの、膝…」

「固かった?やけどこうしてて」


そう言って髪をそっと撫でられたら何も言えない。だけど、目の前に好きな人の顔…いや、好きじゃないし、…やっぱり自分に嘘をつくのはやめよ。

好きな人の顔があると、恥ずかしくて目線を逸らしてしまう。


「な、さとちゃん。何があったんかも、全部教えて?気持ちも、全部な?」


「あ、ぇと…」


「ほら、ちゃんと目見て答えて?その為に膝枕してるんやから」


と、両手で顔を挟まれたかと思えば真っ直ぐに顔を向けられて、引き込まれそうな瞳と目が合う。


「その…」


家の事、いじめられていた事…全部話した。

それを笑う事なく聞いてくれて…だから嫌いになれない。


「そっか。なぁ、その家って解約できる?」


「え、…」

実家に帰れと?それともホームレス?


「俺の家一人暮らしやからさ、2人で住まへん?…私情やし、他の先生生徒には秘密やけどさ」


「え、あ、…いいん、ですか?」


「勿論やで、いつから来てもええけど」


「じゃあ、来月から…でも?」


「分かった、。それと、連絡先交換しとこ。なんかあった時連絡する事。連絡せんかったらお仕置きやからな…?」


「お、お仕置き?!ってなにするんですか」


「ん〜、おしりぺんぺんとか?」


「え、…いや、恥ず//」


「お仕置きやからな。」



なんて、大好きな先生と、同居することになりました。


これから俺は、どうなるのでしょう?

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