中也女体化
中也愛され
転生
敦中◀︎今回はこれがメイン
芥中
太中
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敦視点
母「あつし、そろそろ来るわよ?」
敦「うん!楽しみ!!」
今日はお父さんとお兄ちゃんが来る日
僕は楽しそうな雰囲気を出す
僕とお母さんの服装は少し気合いが入っている
『ピンポーン』
家のチャイムがなる
2人が家に着いたんだろう
母「は、はい!今行きます!!ほら、敦も行くよ?」
敦「うん」
お母さんに手を引かれて玄関に向かう
『ガチャ』
大柄の男性と、見覚えのある少年が立っていた
少年を見て僕は呆気に取られた
眉より上で切られた前髪
黒と白の髪色
鋭い目付き
そして病弱そうな白い肌
そう、少年は芥川だった
芥川もまた、僕の方を驚いたような顔で見ている
母「こんにちは、どうぞあがって?」
父「ええ、お邪魔します」
芥「…」
嘘だ
嘘だと言ってくれ
こいつが僕の兄になるなんて…
そんなの絶対嫌だ!!
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1階から母と父になる人物が楽しそうに会話しているのが聞こえる
僕と芥川は「子供同士仲良くした方がいい」ということで2階の僕の部屋にいる
仲良くなんてできるか
そんな思いでお互い睨み合う
芥「どういう事だ」
敦「知らないよ、ていうかなんでお前いんの?」
芥「それはこっちのセリフだ」
……
お互い黙り込む
仲良くする気なんて1ミリもないからだ
それから何分だっただろうか
お互い睨むだけで何もしない
芥「あの男は最低な野郎だ」
芥川が唐突に口を開いた
急に何言ってんだこいつ
芥「お前の母親の他に何人も女がいる。おまけに暴力を振るう奴だ」
そう言って芥川は左腕の袖をまくる
敦「…」
白く細い腕には沢山のあざと傷があった
芥「虐待というやつだな、お前の母親はこれを知らないただの金づるだ」
敦「はぁ?」
芥「きっと結婚したら本性見せるだろう、何とも哀れなものだ」
敦「それって僕にも被害出るじゃないか」
芥「嗚呼、そうだな」
敦「なんか出来ないの?」
芥「知らぬ」
否、なんも出来ないのかよ
こういう時って大体解決策を話し出すもんじゃないの?
芥「奴はとても凶暴だ、流石に僕も体が危ない。何とかしなければ貴様と貴様の母親諸共死ぬぞ」
敦「どうだっていいよ」
芥「…」
中也さんいないならどうでもいいし
あーあ、どうせなら芥川じゃなくて中也さんが良かった
芥「あの方…中也さんがいるかもしれない」
敦「は、?」
芥「確信は無い、だが此処には貴様も僕もいる。そして“森鴎外”も。ならば、あの方だっているのではないか」
中也さんがいる?
中也さんが生きてる?
芥「あの方と会わずに死にたいのなら勝手にしろ、僕は必ず会いに行く」
会わずに死にたい…?
馬鹿かお前
会いたいに決まってんだろ
敦「会いたい」
芥「で?」
で?ってなんだよ
冗談も程々にしろよ
敦「はぁ、会いたいので協力してください、お願いします」
芥「…協力してやろう、僕もあの方に会いたい」
まじでなんなんだよこいつ
敦「で、どうするんだ」
芥「逃げる」
敦「逃げるぅ?」
芥「嗚呼」
敦「どこに?」
芥「ここ周辺の地図と森鴎外について調べた」
意外と役に立つな
芥「大体の地図は覚えた。この近くに一通りが少なく、廃墟だらけの街がある。そこに逃げる」
敦「…いつ決行する」
芥「あの男は来週また此処に訪れる。その時に結婚届を書く気だ。その時に決行する」
敦「それ迄に準備をしなくちゃだろ?」
芥「其れを今から話し合う」
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それから1時間後、芥川たちは帰った
全ての持ち物と細かな作戦の内容が決まった
あとは決行日迄に準備をするだけだ
お母さんには申し訳ないが、僕にはどうにもできないから其の儘暴力男と結婚してもらうしかない
良心が痛むが、仕方がないことだ
それと、芥川によると、異能も健在で、むしろ異能が強くなっているらしい
僕は力が制御できなかった時のため使わないが、強化されているのならありがたい
僕は少しずつ、着実に準備を進めて行った
そして決行日になった
また、家のインターホンがなり、2人が家に入ってくる
芥川は大きなバックを背負っている
玩具を持っていく、と言って誤魔化したらしいが、その中に入っているのは非常食やカッター、野宿必要なものや地図、お金だった
僕も同じようなものを準備している
母「お母さんたち、大事な話をするから少しお部屋にいっててくれる?」
敦「うん」
全てが予定通りに進んでいた
僕達は最後に計画と持ち物の確認をしはじめた
芥「それと敦、貴様に話がある」
敦「なに?」
芥川は大量の写真と1枚の手紙を出した
芥「これはあの男が今迄にしてきた悪事の証拠だ」
敦「え?」
芥「この後の被害を減らす為だ。あの男を刑務所に放り込む。手紙には今までの経緯が書いてある。貴様の母親の部屋に置いてこい」
敦「逃げた後に追われないようにするためってことか」
芥「そういうことだ、1回の説明で理解しろ」
なんでこいつはこんな言い方しか出来ないんだ
そう思いつつも言われた通り写真と手紙を持って部屋を出る
怪しまれないよう、静かに隣の母親の部屋に入り込む
そして化粧台の目立つ所にそれを置いて、また部屋に戻る
手紙には丁寧に、
『おかあさんへ、ぼくたちがいなくなったあとにひとりでこれをみてください』
と書かれていた
きっと芥川は怪しがられないように平仮名で書いたのだろうけど、達筆すぎて意味が無い
馬鹿だろアイツ
敦「置いてきたぞ」
芥「ふん、早く行くぞ」
遂にこの家を出ることになったのだ
窓を開ける
そこから芥川が異能で少し足場を作り、それを頼りに降りていく
子どもの姿だからか、少し危なかったけど、無事下に降りることが出来た
芥「急ぐぞ、バレたらまずい」
敦「わかってるよ」
そうして、僕達は走り出した
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走り出し回って辿り着いたのは路地裏だった
薄暗くてジメジメしてて、気味が悪い場所
僕達はそこで数日間を過ごした
この後の作戦を考えたり、街に出てみて噂を聞いてみたり、忙しい日々だった
芥「貴様もそろそろ異能を使ってみなくてはならない」
芥川が唐突に言い出した
敦「制御出来なかったらどうするつもりだ」
芥「……貴様は個性を知ってるか?」
敦「個性?」
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芥川は個性とこの世界について話し始めた
ヒーロー
ヴィラン
個性
色々な単語が出てきた
今までこの世界について無関心だったからどれも知らなかったが、この世界の違和感や謎が全て消えた気がした
敦「じゃあ僕らの異能は個性に変わってるのか?」
芥「否、僕の予想では変わっていない。ただ“死んだ時”に強化されたんだ」
敦「どうして言い切れる」
芥「…1度、僕はヒーローとやらに会った。会ったと言っても一方的に見ていただけだがな」
敦「なんの関係があるんだよ」
芥「そいつは推測だと、“視界に入った物の個性を消す個性”だった」
敦「太宰さんみたいだな」
芥「似ているが違う。僕は奴がヴィランと戦っている間に影からそいつの近くで異能を使った。1度バレない程度にそいつの視界に入ったし、個性なら消えるはずだった。だが、消えなかった」
敦「……」
芥「よって、僕達力は前世より強化された異能だと考えた。もし、強化されているなら貴様も制御可能かもしれない」
敦「でも、」
芥「言い訳するな、貴様はいつもいつも言い訳ばかりだ」
敦「ちょっと待て」
芥「待たぬ、言い訳するなといっ」
敦「誰か来てる」
本当に足音が聞こえる
1人だけど、それでもやはり危険だ
血相を変えて言うと芥川も察したらしい
芥「本当か?逃げた方が良いかもしれぬな」
逃げる準備をしようとしたら、足音がやんだ
そして聞き覚えのある声で、誰かが叫んだ
「虹色のゾウリムシだァ!!」
芥・敦「!!」
太宰さんだ
こんな事言うのは太宰さんしかいない
かつての上司の顔が思い浮かぶ
強くて頼りになるあの人だ
僕達はその声の方向へ走り出した
そこには笑顔でたっている太宰さんがいた
太「やァ、久しぶりだね
敦君、芥川君」
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今回は終了です
これにて敦君視点は一旦終わりです
次は芥川視点!!
そして、このお話の♡が2000を超えました!!
本当に本当にありがとうございます!!
自己満なのでまさかここまで読んでいただけるとは思っていなくて、自分でも驚きです
このお話を読んでフォローしてくれた方もいて、とても嬉しいです
ありがとうございます!
これからも、楽しんでいただけるように頑張りますので、応援してくださると嬉しいです
それではまた!
コメント
9件
もう、好きすぎます!!! 続き楽しみッ‼️╰(*´︶`*)╯
最高です✨ 物凄く続きが気になってしまう(*´﹃`*)過去1で好きかもで好きかもです!応援します!後、フォロー失礼します