前の話からだいぶ空いてしまいました(忘れてたからではないです……)。
この人遅いよ…もう話忘れてるよ……って方、本当に申し訳ございません。
それではどうぞ(無理矢理…)
「うーん………1人でも大丈夫、かな……」
ここは遺跡の中。さっき入口のとこで彼と別れてからずーっと歩き続けてるけど、なぁーんにもないの。
続くのはながーーーい廊下だけ。
「ねぇまだなの?!試練じゃなかったの?!」
怒り気味になりながら歩いても歩いても続く廊下を進む。
すると、少し先にドアのようなものがあるのが目に入る。
「ん?あれってドア??やっと試練?」
小走りでそこへ近づくと、何やら看板が貼ってある。
「えー、なになに、」
“ここではお前に試練を受けてもらう。まずそこから部屋に入ったら半分に欠けた緑の宝玉がある。その宝玉にお前が使える魔法全てを同時に放つのだ。もちろん回復の魔法もだ。1度部屋に入るとその試練をこなすまで出れなくなるからな。精々頑張るがいい”
「なんかこいつ、最後いちいちめんどくさいわよね……。てか、魔法を全部1度に宝玉に……あーもう!長いわ!とりあえず部屋に入って確認しましょ。」
ドアを開け、部屋に入るとギギギ、バタン!と音がして勢いよく閉まった。
「ほんとに出れないって訳ね……それより、1度に全部ってやったことないけど、出来るかしら?」
氷、雷、風、光とプラスで回復の魔法も。
「ううん。絶対にできるわ!彼も頑張っているんだもの、きっと!あたしが折れてちゃダメだわ!よし!早速やるわよ!」
_____。⋆˸*⋆ ✻˸*⋆❅*!!
まずは右手に氷を出す。これを右手に留めたまま左手で残りを出す。
「くっ………留めておくのもかなりキツイけど、、頑張れあたし!」
_____.*・゚⚡︎𖤐⚡︎.゚・*.!!
次に雷を左手に出す。が、右手の氷に合わせようとすると、氷、雷両方とも消えてしまった。
「あっ……!やり直し………」
落ち込んだが首をブンブンと振り、再びやり始めた。
「諦めないわよ!」
1時間後
_____。⋆˸*⋆ ✻˸*⋆❅*!!
_____.*・゚⚡︎𖤐⚡︎.゚・*.!!
_____𓏲𓇢𓂅𓏲𓇢𓂅!!
氷、雷、風の3つを合わせ終わった。
「あ、あと、ひと、つ…!」
光の魔法はこの3つよりやや出すのが難しいと言われており、古い書物にはこう書かれている。
『邪な気持ちを持っている者では光の魔法を出すことは出来ない。逆に闇の魔法が出され、永遠に闇に飲み込まれるだろう』と。
「あ、たしは、ぜったい、に諦め、無いわよ、!」
「”昔”の、あたしとは、違うんだから!」
「はぁーーーっ!」
_____.*・゚𓆩✧︎𓆪.゚・*.!!
眩い光と共に唱えられたその魔法は、例えるなら天使の微笑みのような、あたたかいものだった。
すぐさま右手のものに合わせると、光の玉へとなった。
「っ、は、あっ………で、出来たっ!あ、でも、これで最後じゃない!宝玉に合わせなきゃ!」
出口であろうドアの近くの机の上に、色がくすみ、球体が半分になったものが置かれていた。
「これ、よね。おりゃっ!」
光の玉を宝玉に当てるとキィィィン!と音がしてそれに緑色の光が宿った。
「これ、で終わり、かな?」
すると、ドアの鍵が開いたような音がした。
「や、ったぁ!できた、っできたよ!」
急いでドアを開けると、既に彼はいた。
「ねぇ、できた___」
あれ?
突如として視界がぐるん、と回りそのまま意識はなくなった。
1時間前:おんりーside
彼女と別れてから、長い廊下を進む。しばらく進んでいると、看板が見えてきた。
「試練はここで受けるんですかね…?」
看板には、
“ここではお前に、とある魔物を倒してもらう。その名もジャイアント・スコーピオン、つまり巨大サソリだ。このサソリに勝負を挑み、生きて帰った冒険者はいない。お前は相当腕のある冒険者だと聞いているから、こんなサソリ余裕で倒せるだろう?”
と書かれてある。
「なんでこんなに上から目線なんだ………」
とまぁそんなことはさておき、巨大サソリか。昔、冒険をしている時に何度か耳にした魔物。
看板にも書いてあるとおり、挑んで行った冒険者たちが帰ってきたという話は聞いたことがない。
「でも、彼女の呪いを解くためにはやるしかないんだ…!」
そう心に決めてドアを開けると、巨大なサソリが待ち構えていた。
シャーーーーーーーッ……
今にも噛み付いてこようとするサソリ。しっぽのトゲが勢いよく向かってきたので、素早く避けた。
完全に避けたはずなのだが、服に少し掠ったようだ。
「なるほど、一筋縄では行かない、ってとこですかね。」
まずは動きを封じるため、足を切断しようと試みる。いや、先にしっぽを切断した方が安全かもしれない。
持ち前のスピードで、すぐさまサソリの背後へ回りしっぽを切断する。
ギャァァァァ!
サソリが慌てている間に、足を切断する。
「もしや………………背中が弱点、ですか。」
背中をよく見ると、傷が深く残っている場所があった。誰かがつけたあとなのだろうか。
そこに剣を深く差し込む。
ガァァァァァァ!
その断末魔と共に、サソリは消えて無くなった。
「ふう。これくらい、何ともないですね。服は少し掠られてしまいましたが。」
ドアがガチャリと開いたので、奥へ進む。
「まだ、ぼん子さんは来てないみたいですね。無事だといいのですが………」
持っている時計を見ると、戦い始めてから30分が経過していた。
「無事だと信じて、待つしかないですね。」
それから30分後。
自分がでてきたドアとは逆のドアから彼女が出てきた。
「ねぇ、できた____」
と、言いかけて倒れそうになっていた。すぐに駆け寄って、受け止める。
「ぼん子さん、しっかり、しっかりしてください!」
顔を見ると青白くなっていた。
「これは大変だ………すぐに休ませなければ!」
そうして、遺跡を後にした。