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※ソフィアチャンネルさん旧チャンネル
〈九章最終幻想異変 四十九話光に救われた闇〉を、参考・続きを創作させていただいています。
分かっていた。闇では光に勝てないと。光は、どんなに濃い闇でも、どんなに暗い心でも、照らすことができる。暗闇の中にある一つの希望だ。私は光が怖かった。恐れていた。今までに感じたことのない恐怖が私にまとわりついた。
アイツの笑顔はとても気に触る。哀しみを象徴としているアイツが、あんなに笑顔になって良いものか。と毎日のように思っていた。最初は”哀しみ”を象徴する者と”怒り”を象徴する者だと聞いて、似た者同士だと思っていた。だが、カオスもアルテマも毎日楽しそうに悲しみも怒りも感じさせない生活を送っていた。
「何故そんなに明るい顔ができる?私たちはそんなに笑っていい存在ではないはずだ。」
そんな私の思いとは裏腹に、エクスデスもゼロムスもバハムートもアイツらとお気楽に楽しく過ごしている。私はこんな空気が嫌いだった。私たちは各々強い感情から生まれた。だったら、その感情と一生を共にすることが1つの使命なのではないか。自分の感情以外を取り入れてはいけないのではないか。だから私はアイツらと極力群れなかったし、一人でずっと鍛錬していた。そんな私に好きで話しかけてくるヤツなんていなくて、とても集中できた。
「ゾディアークさん!私も混ぜてください!」
アルテマを除いては。
アルテマはいつもいつも私にしつこく話しかけて関わろうとしてくる。正直言って迷惑だった。それに、光と闇は対照的。お互いがお互いを弱点で、攻撃を一発くらっただけで致命傷になることがある。しかもコイツは強いから、本気を出せば私は負けてしまう。他の奴らもあの方も私のほうが強いと言うが、自分だから分かる。私はコイツの力に満たない。きっと私がコイツに勝てるのは、正直言って無いと思う。
ああ、羨ましいな。眩しいな。綺麗だな。優しいな。私も感情だけにこだわらずに、アイツらと関われたら何か変わったのかもしれないな。エクスデスみたいに全体を見てまとめられたら。カオスみたいに誰かを想う気持ちがあったら。ゼロムスみたいに理想の為に本気で動けたら。アルテマみたいに皆んなを元気にさせることができたら。バハムートみたいに皆んなから尊敬されたら。
もう、遅いか。ここは無の世界。アイツらといることは叶わない。
「「「「ゾディアーク」」」」
コメント
2件
投稿お疲れ様です! 神作品をありがとうございました😭 ゾディアークさんの羨ましい気持ち、私も分かります… 最後の名前を呼ぶシーンで涙腺が崩壊しました… きっとゾディアークさんは愛されていますよ。