ある日の真夜中の事だった
zmさんが急に居なくなった
皆は「すぐに帰って来るだろう」と
探しはしなかった
私は胸騒ぎがした
“早く探さないとっ”
…あれから、何時間経ったのだろう
全く見つからない…
何かあったら大変だ
私は必死になっていた
気づけば…
古いトンネルの中に居た
とても古いトンネルだ
何か出てきそうで怖かった
そんな事を思いつつトンネルを抜けた
“そんなに短く無かったな…”
目の前には…
月に照らされてキラキラと光る
海が広がっていた
さっきまであっただろうか?
急に現れたのか…
そんな事を考えていると…
海から
ドロドロの化け物が出てきたんだ
その化け物はこっちに近づいて来た
“なんやこれ!?早く逃げないと…”
でもその時…
カラスが鳴いた
周りに動物なんて居ない
トンネルの中だからだ
でも確かに聞こえた
カラスが鳴いたんだ
その時、ドロドロの化け物は海に帰った
カラスのおかげ…?
なんだったのだろう
頭が痛い…耳鳴りがする
ごめんなさいzmさん…
もう会えないかもです。
急に視界が真っ暗になった
そういえば…
“夜にカラスが鳴くと、人が死ぬ”
という迷信があった
あれは本当だった?
zmさんすみません…
“もう探しに行けそうにないです”
私は笑った
微笑んだ
それしか出来なかった
もしzmさんが私を見つけてくれたら、
怖い表情じゃ嫌われるかもしれない
だから笑った
“私が見つけられる側になっちゃいましたね”
zmさん…
『今まで生きていてごめんなさい』
『今まで息をしていてごめんなさい』
『zmさんが救ってくれなかったら』
『私は生きてなかった』
『zmさんが私を庇ってくれなかったら』
『私は生きて無かった』
『 zmさんは言ってましたね』
zm[前な?誰もいない場所でカラスが
鳴いたんだよ
em[カラスですか?
zm[そ!それでそのカラスの姿を
ハッキリと見たんだ…
そのカラスは…
赤色だった
赤いカラスは本で見たことがある
そのカラスは人が死ぬ時に現れるそうだ
でもその事はzmさんには言わなかった
言えなかった
怖かった
目の前で話している人が死んでいるとは
思いたく無かった
em[そうなんですね。今度調べてみますね!
zm[お!俺も手伝うで!
em[お願いします!
調べなきゃ良かった
zmさんはそれを見たあと微笑んだ
私は泣きそうになった
だけど泣いてはいけない
だって1番苦しいのは
zmさんなのだから
『そんな事もあったな』
『赤いカラスが鳴くことは』
『死を意味する』
『私も死ぬんですね』
『空から見守っていますよ』
『……』
声が聞こえた
優しくて、でも必死な声だ
よく聞いたことがある
私は力を振り絞り、
目を少し開けた
zm[emさんっ…。目ェ開けてや…
zm[また2人で話そうや…
zm[お願い…一生のお願い…
emさんとまた…
一緒に過ごしたいです
em[zmさんは美味しそうに食べますねw
zm[美味いもんは仕方ないやろ!モグ
em[それ嬉しいw
また話せて良かった
皆さんは泣いていましたけどねw
zmさんと私は笑顔でしたよ
曲/赤いカラスが鳴いたから







