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「若井の事…好きなんだ…俺…」
震える声で元貴にそう伝えた。
なぜか元貴が泣きそうになっている。
「涼ちゃん。よく頑張った。それが素直な藤澤涼架の、若井滉斗への気持ちだよ。」
あぁ…そうか…。これが好きっていう事か。
気づいた瞬間、とてつもなく心が軽くなった。
お弁当事件のあの日から深く考えてしまったモヤモヤが一気に晴れるようだった。
「藤澤さーん!お願いしまーす!」
そんなタイミングで最後の俺が呼ばれた。
俺は、はい!今行きます!と返事をする。
元貴は今までのにやけとは違う、本当に優しい笑顔で行ってらっしゃい、と言ってくれた。
セットに向かう途中、
「涼ちゃん」
俺の今、1番話したい人が、すれ違いざまに声をかけた。
「見てるから。俺の大好きな涼ちゃんを。
俺が見てるって意識でいて。ついでにまぁオマケで元貴も。」
うん。見てて。
もう答えが出ているからかちょっと恥ずかしさはまだあるけど慌てたりはしない。
「うん。好きな人達に見守られながら頑張ってくる。」
若井は、1人の男の人として、ね。
終わったらちゃんと伝えるから。
ちょっとだけ、待ってて。
「ん、行ってらっしゃい!」
いつもの優しい微笑みで見送りしてくれた。
あぁ。想像以上に最初から若井が好きだったのかも。
こんな自分ちょっと引く部分もあるけど。
今まで本当に気づかなかったし。
これが俺の正直な気持ちだ。
そう思いながら撮影に臨んだ。