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『』…🩷
「」…💛
今日はファンミーティングの日だ。
ファンミ独特のファンのみんなとの距離感やアットホームなこの雰囲気についつい気が緩んで普段よりもふざけてしまったりはしゃいでしまう。
その様子をみんなが心から楽しんでくれて胸が一杯になる。今日も最高の日だと感じていた。
だがある部分から俺は記憶に残っていなかった。倒れたとかそういったものではない。
正確に言うと、ファンミは無事終えた。
ただ心ここに在らずといった状態だったのだ。
だがそこはプロ。
ファンミが終わり、捌けたあとは関係者の皆さんに挨拶を済ませ、衣装を着替えヘアメイクも落とす。
メンバーとも挨拶し別れたあと…………
今俺は自宅に帰ってきていた。
俺をこの状態にさせた張本人を目の前にして。
少しお高めな桃のジュースをグラスに注ぐ。(これも注文された。)
グラスを2つ分持っていき、テーブルに並べる。
『はいどーぞ。』
「あっどーも。」
グラスを傾けまずは一口。
あっこれうま。
同時に同じような事を思ったようで顔を綻ばせ感嘆の声をあげる。
「うっま!!!!!」
『そりゃそうでしょ。これ結構したんだからね。』
「ご馳走になります。勇斗はほんと美味しいもの見つけてくるよな。」
そう言いながらまた一口。
こりゃ相当気に入ったな。
まあさ、このジュースに関しては機会があったらあなたに飲ませてあげようかななんて思ってましたからねー。
気に入ってよかったです、はい。
『でさ、本題に入りたいんだけど…』
「ん?」
もう一口含ませて己の緊張感を紛らわせる。
『つかぬことをお聞きしますが本日のあれって何なんですかね。』
「は?」
横並びにソファに座っているため横を向かないと相手の表情は見えないが俺は正面を向いたまま話しかけた。
なので声から感情を読み取りたいのだが、その声は怪訝そう。
てかさっ、は?ってなんだよ、はって!!!
『だから今日の……〇〇〇の曲のときの………』
「ん〜〜〜??何かあったっけ??」
あーーー。わかりました。
こいつやってるわ。
知らないふりしてこっちの反応見て楽しんでんな。 わかるんだよお前の視線がこっちに向いてることくらい!!!
意を決し俺は横に視線を向ける。
そこには思ったとおりどこか悪戯そうな目をした仁人の顔。
目があった瞬間、眉を上げて首を傾げてきやがった。 しかもあの小鳥のような口で。
やめろその口。
『あの〜〜〜あなたわかってやってますよね。』
ろくに視線を合わせず仁人の口の真似をして変顔すると耐えきれず仁人は吹き出した。
「はーっ!悪い悪い。俺がバックハグしたやつでしょ。勇斗が珍しく慌ててるから揶揄いたくなっちゃって。」
『性格わりーぞほんと。』
「だってレアなんだもん。あなたにもまだまだ可愛いところありますねー。」
『うわっやめろ!!』
仁人は笑いながら頭を撫でてきた。
それを必死にかわす俺。何なんだよこいつ。
「まあ冗談はさておき。あなたほんと驚いてたよね。そんな予想外だった?」
『そりゃそーだろ。お前全然いつもドライじゃん。あーいうのだって最近やりたがらないだろ。』
「うん。やりたくないよそれは。見ててキツイし。あっ俺の話ね。」
『じゃあ、何でやったんですかね?!!』
「えーーー。」
仁人は何か考えるように上を見上げる。
そうしてふっと何故か微笑んだあと俺の方へ視線を戻した。そして…
「何だろうね。抱きしめたかったから?」
はっ、はい?
見つめ合ったまま視線を逸らすことも忘れて思わず固まってしまう。
抱きしめたかった?こいつ今そう言ったか?
そんな俺の様子を気にすることもなく上目遣いのまま少し距離を近づけてくると…………軽くおでこをデコピンされた。
『いっで?!!!!!』
「はははっ隙あり〜〜♪」
意味わかんねえ?!!
あと仁人ってさ急に小学生みたいなことしてくるんだよね。それが今なんだけど!!
いい加減にしろって感じで殴るフリをするときゃーとか言って手をグーにして前に持ってくる。
これ天然でやってるとかまじでいい加減にしてくれ。
動揺する気持ちを落ち着かせるように咳払いをして話を戻す。
『何言ってんの?抱きしめたいっ…とか。』
噛んだのは気づかなかったフリをしてほしい。
「ふふっ。だって勇斗が言ったんでしょ。何で?って。」
『言ったけど本音じゃねーだろ。お前はそんなこと言わないじゃん。太智とか舜太とかならまだしも。』
『そうね。あいつらはふざけるからなー。だから本音なんじゃない?』
すっげー他人事のように言って爆弾発言してきやがった。
『…はあああああ?!!!』
「勇斗うっせ。夜だし近所迷惑だよ。」
『誰のせいだよ?!』
「それよりお腹空いた。冷蔵庫にあるものでなんか作っていい??」
『あっそれは非常に助かります。是非ご馳走に……じゃなくって話題変えんなよ。』
「んー何が入って…ほとんど何もないじゃん。勇斗さ忙しいのはわかるけどもう少し野菜とか買ったほうがいいんじゃない?外食しないのにこれじゃ…」
『以後気をつけます。ってあれ説教されてる??』
「仕方ねえな。他に……あっ胸肉……と卵、玉ねぎはあるな。なあオムライス作るけど食べる??」
『おう!!ありがとな!!いただきます……あれ』
「おい…こんなに生活感ないの心配なるわ。もう少し自炊しねーと俺雇わせるぞ?」
『えっあ…………それむしろご褒美…』
「卵5個使っちゃうから。〜あと言っとくけど冗談だからな??」
「どーぞどーぞ。…えっ?!!それどっから??!!!」
俺達の騒がしい夜はまだこれから。