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◆純が“影”について考え込むシーン
翌朝。
純はいつもより少し早く会社に着いた。
デスクに座っても、
パソコンを開いても、
昨日の夢の“影”が頭から離れなかった。
(あれ……誰だったんだ)
森の中。
光の中心。
振り返った影。
顔は見えなかった。
でも、胸の奥がざわついた。
(森野さん……に、見えた気がしたけど)
純は自分でその考えを否定した。
(いや、そんなはずない。夢だし)
でも、否定すればするほど、
影の輪郭がはっきりしてくる。
そのとき、
オフィスの入り口から足音がした。
森野姫子が入ってきた。
純は思わず視線を向けてしまう。
姫子は気づかず、席へ向かって歩いていく。
(……似てた)
夢の影と、現実の姫子の姿が重なった。
純は小さく息を吐いた。
(なんなんだよ、この夢)
でも、胸の奥に残っている感覚だけは、
どうしても消えなかった。
(あの影……俺が呼びたかった名前、なんだったんだ)
純は自分でも気づかないまま、
姫子の名前を思い浮かべていた。
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