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ラジオ司会者になり3年、そしてアラスターと出会い5年が経過した。やっと仕事にも慣れつつありアラスターに対してもう少しで心を開けそうだと思ってる。
けど急な環境変化や忙しい日程で不安が多かったりして体調を崩していてあまり順調ではない
シャット「はぁ…」ため息ばかりついてしまう。でもアラスターと一緒に仕事をしたいから頑張る
アラスター「お疲れ様。コーヒー飲む?」
シャット「すみません…お願いします」
アラスター「いや、カフェイン入ってるからホットミルクにするよ」
シャット「本当に無駄なお喋り好きですね」
アラスター「皮肉かい?」
シャット「いえ、思ったことを正直に言いました」
アラスター「ははっ…面白い」
いつもこのような会話でアラスターはずっとシャットを気遣っている。いつも見てくれてると感じている
だからシャットはアラスターに恩返ししたいからプレゼントを買ってきた
古風なものが好きな彼に懐中時計をあげたい
でも怖い
気に入ってくれるのか喜んでくれるのか。人にあげたことないから分からない
「はい、ホットミルクできたよ。暑いから気をつけてね」
「ありがとう…」
今しかない…
「アラスター」
「ん?」
「これ…」
彼女は小さい箱を渡してきた。中を開けると自分好みで綺麗な懐中時計が入ってた
「どうしたの?これ」
「貰ってくれませんか?…その…いつもありがとうみたいな意味で…」
そして彼はシャットに抱きつく
「ッ…!?」
「ありがとう!シャル
こういうの私好きだからありがとう…大切にする
凄く嬉しいよ」
「……」
「?どうしたの?」
顔を覗き込むと顔を赤くして座り込んだ
「え、ごめん大丈夫?」
「い、いえ…違ッ…いや違くないけど…」
どうしよう…心臓の音がうるさい…なんで…こんなに…ドキドキするの…今までアラスターに近づいてもこんなふうに…
「シャル?大丈夫?また体調悪化した?熱も出てるね」
「え、あ、ごめんなさい…」
「謝らなくてもいいよ」
布団に寝込んでも顔が赤くなるのが止まらない…
体調は普通。でも…アラスターの顔が近い…それだけで…それだけなのに…
シャット「…アラスター…」
彼女は起き上がり少し涙目で顔を赤くして甘えるように私を見つめる。
アラスター「どうしたの?」
シャット「その…なんか…
アラスターがいると…なんか…落ち着か…ない…?というか…息…できない…というか…」
アラスター「そうなの?」
熱があるからか語彙力もなく言葉が途切れている。それが可愛らしかった。
「なら少し離れる?」
そうすると彼女は私の袖を掴み
「それは嫌なんです…!」
「…いいよ。なら落ち着くまで一緒に居おっか」
「…いいんですか?」
「いいですよ。」
私はもしかしたら…初めて人に優しくされた気がする。私に合わせてくれて一緒にいてくれて本当にいい人。
私のことめんどくさいと思うのに
ずっと私のために笑顔で一緒にいてくれる。
今わかった私は
この人の事が好き
そして私は私のために笑顔でいてくれる。
この人が好き
**
**
**
**
そして体調も戻ってきて仕事にも慣れてきた頃
その日は新しい音響スタッフが加わった。
若く、礼儀正しく、仕事も丁寧で——そしてシャットにやたら話しかけてくる。
「シャットさん、マイクの高さ調整しますね」
「今日の原稿、読み方すごく良かったですよ」
シャットは戸惑いつつも小さく会釈する。
「……ありがとうございます」
それを少し離れたところで、アラスターが見ていた。
笑顔。
いつもと変わらない優しい笑顔——
だが、その目だけが全く笑っていなかった。
まただ
スタッフは収録のたびにシャットへ気さくに話しかけ、距離を縮めようとしていた。
シャットは仕事として受け止めているが、アラスターには違って見える。
胸の奥に黒い熱が少しずつ溜まっていく。
収録が終わり
「シャットさん、今日時間あれば収録の反省点、二人で話しませんか?」
「………え、二人で…?」
「はい。僕、シャットさんの読み方、すごく好きで——」
そして続ける
「いつも尊敬しているんです。声も聞きやすいし優しいし美しいからーーー」
そこまで言った瞬間。
アラスターの声が横から割って入った。
「へぇ、随分と積極的だね」
まだ笑顔。でも声はひどく静かだった。
スタッフは気まずそうに笑う。
「あ、アラスターさん……いえ、その……仕事の話で」
「仕事の話なら、僕がするよ。
シャルは僕の相方だからね」
一歩、二歩。
アラスターがシャットの横に立ち、さりげなく肩に手を置いた。
シャットはびくっと肩を揺らすが、嫌ではなかった。
むしろ心臓が跳ねる。
アラスターの指先が少しだけ、シャツ越しに触れ続けている。
声は優しい。
しかしその優しさの奥に、刃のような温度が潜んでいた。
「シャル、帰ろうか。
……“二人で”」
その一言に、スタッフは何も言えなくなる。
シャットは気まずさと熱で頬を赤く染めた。
「……え、あの……お疲れ様でした」
とスタッフへ頭を下げると、アラスターがその肩を引き寄せた。
「シャルは僕と帰るから。
邪魔、しないでね?」
笑顔のまま明るく言うが、その言葉は明確すぎた。
スタッフが固まる。
シャットも固まる。
「さぁ、早く行きますよ。シャル」
そうやって言う彼の背中を見ながら後ろで歩いてると
シャットの腕を引っ張り
「あなたは私の隣でしょ?」
「え?」
「…一生私の隣で喋ってて欲しい」
「…分かりました」
第三者から見ると束縛に見えると思う。でも私からしたら何があってもこの人の隣に立ちたいと思う。だから
ほかの人間なんてどうでもいい