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俺が話し終えると、皆さんはしんみりしていた。そんな中で一人。
「それやったらなおのことロボロを連れ戻して事情聴かなあかんのちゃうか?」
大先生はそう言って、少し優しく微笑んだ。本当は俺だってそうしたい。でも、もう無理かもしれない。俺はそれを伝えるために皆さんの方へ向き直る。
「もう一つ、お伝えしなければならないことがあります。」
「ありがとう。」
それだけ言うと、そいつは闇の中に溶け込むように消えていった。正直アイツが居なければ俺はここまで来る事が出来なかっただろう。そして天を見やる。流れ星が綺麗に流れている宇宙を。神がショッピの命を奪いに降りてくる。これが今回の神がサイコロを振ると言う事だ。
あいつは、天使だ。神と天使は決闘し、負けた方が勝った方の力となる。簡単に言えば、MPみたいなもんだ。だが俺達にとってMPこそが命だ。毎日回復もするし、計り知れないほど持っている。ただそれがなくなった時、俺たちは死んでしまう。何故それを神がサイコロを振るというのか。簡単な話、神と天使では神の方が強いのは周知の事実だ。戦いはするが、所詮神が全て握っている。と言う事だ。あと、実は神はMPが回復しない。だから今まで天使を殺し、自分のMPにしていたのだ。神が死んだらどうなるのか。天使が世の中を回していくのかもしれない。そしてなぜ俺が狙われないのか。それは堕天使だから。正直な話。何度も自分とショッピを比べていた。圧倒的に美しく純粋な羽を何度羨んだ事だろうか。そして何度___。いや、話は終わりだ。そろそろこの辺に神様が出現する。それを俺が食い止めれば、ショッピは死なないで済む。俺は腰にかかっていた刀を抜き、構えの体制に入る。黒色に光るその剣は、特殊な力で作ったものであるがゆえに神にも攻撃ができる。まぁ、じゃなきゃあまりにも不利すぎるからな。
と笑って、俺はそいつに斬りかかった。
「俺は、神に命を狙われています。理由は明確ではないのですが。流星群が降る今日、今、俺は神と戦わなければいけません。」
苦笑いをする。信じてくれるかすら怪しいこの言葉に、一体何人が耳を傾けてくれるだろうか。そんなことを考えていると、皆さんが
「それやばない?!」
「協力して倒そうぜ!」
とそう言い、兄さんのような眩しい笑顔で笑って見せてくれた。
「はい。ありがとうございます。」
一度聞いただけで信じてくれた皆さんに感謝を述べる。そして全員で構える。いつ来てもおかしくない神に対して。
確かに神は来た。戦う様子で。そのはずなのに、どこか傷が目立っていた。ここに来る直前に、誰かにでもあったのだろうか。俺は普段ぐう無能などと呼ばれている頭をフル回転させる。そして一つの答えにたどり着いた。それは、ロボロだった。ロボロは神が来た方向へ走っていった。つまりは、ロボロはショッピのために神を殺しに行こうとしていたと言う事だろう。わざわざ一人で。誰も助けてくれない。いつ死んでもおかしくない。そんな状況で、今までそんな顔一つ見せもしないで。俺は気づけなかった悔しさと、ショッピを守る覚悟を固める。その分、俺が!そう思い、放った銃弾はそいつに傷をつけることなく、透けてその後ろの壁に当たった。一瞬呆然とした。当たらなかった。いや、確かに神の頭は貫いたはずだった。ならなぜ?そこで一つの答えにたどり着く。神に人間の物で対応しようなど、馬鹿な真似だったんだ。どうすればいいのだろうか。いや、俺達にはどうすることもできない。ショッピをこの場から離しても、神は追いついてくるし、神がここにいるのならロボロはもう、、、。俺は思考を回転させるが一向にいい案が思い浮かばない。待てよ?ロボロが神に干渉できるなら、ショッピ君もできるんじゃないか?そう思い話そうとした時には手遅れだった。神の手が、ショッピを貫こうとしていた。
「ごめん、ロボロ。」