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夜の街は静かだった。
刑務所を抜け出した二人は、人目を避けるように細い路地を歩いていた。
こさめはまだ制服のまま。
すちは囚人服の上から盗んだパーカーを羽織っている。
手はずっと繋がれたままだった。
離れたら消えてしまいそうで。
🍵「……寒くない?」
すちが小さく聞く。
こさめは首を振った。
🦈「平気」
本当は寒い。
でも、繋がれた手が熱いから耐えられた。
すちはそんなこさめを見て、ふっと笑う。
🍵「顔色悪いよ」
🦈「すちこそ」
🍵「俺はいいの」
🦈「よくない」
即答すると、すちは少し嬉しそうに目を細めた。
その時。
遠くでサイレンが鳴った。
こさめの身体がびくっと震える。
すちはすぐ手を引き、暗い路地裏へ入った。
🍵「こっち」
低い声。
迷いのない足取り。
こさめは息を切らしながらついていく。
しばらく走ったあと、古びたアパートの前で止まった。
階段も軋むような、小さな建物。
その一室の前ですちは立ち止まりしゃがんでポストを探り始めた。
そしてすちはポストから鍵を取り出した。
🦈「……え」
🍵「昔使ってた部屋」
淡々とした声。
🍵「まだ残っててよかった」
部屋に入ると、狭いワンルームが広がっていた。
古いソファ。
小さなテーブル。
薄暗い照明。
でも、不思議と落ち着く。
扉が閉まる音が響いた瞬間。
こさめは急に力が抜けた。
🦈「……ほんとに、逃げちゃった」
現実感がない。
すると、すちはゆっくり近づいてくる。
🍵「後悔してる?」
こさめは顔を上げた。
すちの目は静かだった。
でも、その奥に怯えが見える。
もし“うん”って言われたら壊れそうなくらいの。
こさめは小さく首を振る。
🦈「してない」
その瞬間。
すちは深く息を吐いた。
張り詰めていたものが切れたみたいに。
🍵「……よかったぁ」
次の瞬間、こさめは強く抱きしめられていた。
🦈「っ、すち」
🍵「ごめん」
耳元で震える声。
🍵「もう、絶対離せない」
抱きしめる腕に力がこもる。
苦しいくらい。
でも嫌じゃない。
むしろ安心する。
🍵「こさめくん、俺もう普通に戻れない」
🍵「君が他の人のところ行くくらいなら、閉じ込めたくなる」
こさめの心臓が跳ねる。
すちはゆっくり顔を上げた。
🍵「怖い?」
昔なら怖かったかもしれない。
でも今は。
こさめはそっとすちの服を掴む。
🦈「……閉じ込めても、いいよ」
その瞬間。
すちの理性が、また危うく軋んだ。
🍵「……っ」
苦しそうに目を伏せる。
🍵「ほんと、だめ」
🍵「そんなこと言われたら、ほんとに壊しちゃうよ?」
コメント
1件
いやもう、この二人やばすぎるだろ……! 刑務所抜け出して繋いだ手も離せなくて、すちが「もう戻れない」って本音を漏らすシーン、心臓ギュッてなった。こさめが「閉じ込めてもいいよ」って応えるのも、すちの理性が軋むのも、最高に切なくて美しかった。続きが気になりすぎる🔥