ハイライトの無い瞳
見ていると吸い込まれそうになるハイライトのない黒い瞳
かつて世界に降り立った悪魔もハイライトのない黒い瞳だった事から
別名「悪魔の眼/末裔」と呼ばれている
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ギィー……
(あっ、……空いてた)
重く白い扉を開く、すると眩しい光が目に入ってきて目を瞑った
しばらくして目を開けると……
「ヒナ〜、待て〜」
テチテチ……
ヒナ君を追いかけてる境さんがいた
「……つ〜かまえた!!…あっ、少年おはよぉーいい天気だね」
(曇りですけど)
「……よく寝れた?」
(…眠れました)
「…なら良かった〜、…けん玉やる?」
境さんからけん玉を貰った
「……ワンッ」
ピョン!
「ヒナ〜」
暑苦しかったのか境さんの腕から抜け出した。境さんは悲しそうだった。
……ピンポ〜ン
突然のチャイムにビビったヒナはキッチンの方へと逃げてしまった
「ヒナ……」
境さんがトボトボと扉に近寄り開けた。
ガチャ
「おはようこざいま〜す!なにかご依頼ですか〜?」
先程とは打って変わって元気に挨拶をする境さん、…女性の方めっちゃびっくりしてるんですが…
「あ…あの…」
「…ご依頼ですか?」
「えっ、えっと…あの…」
何処か辿久しい女性…仕切りに後ろを気にしている。…其れに少し涙目になっている
「…ご依頼ですね。…どうぞお入りください」
何か感ずいたのか、笑顔で依頼人を招き入れ鍵を閉めた。
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「なるほど…ストーカーですか…」
境さんは、あの後来たお兄さんと何故か一緒に来た月白さんに状況を伝えた。
依頼人
川上コア……25歳、社会人、独身、一人暮らし
赤茶色の肩まである髪をひとつに束ねている、目の色は髪同様赤茶色だ
「川上さん…其のことに気づいたのはいつ頃か分かりますか?」
「…えっと…ま、前々から視線のようなものは感じてたんですけど、気の所為だと思っていたんですが、二週間前ぐらいに氏名のない手紙が次から次へと送られてきて…」
「名の無い手紙……その手紙って今お持ちですか?」
「いえ、持ってこようとは思ってたんですけど、朝起きたら全て無くなっていて」
…無くなる、名前の書いていない手紙…
「…なるほど….」
「…コアちゃん手紙の他に何かなかった?」
壁にもたれかかっていた月白さんが口を開く。
「…実は、手紙一つ一つに写真が挟んであったのですが……」
「写真も無くなっていた……と」
「はい……すみません」
川上さんが俯きながら謝る
「川上さんが謝らないでください……そうだ!川上さん少し休憩しましょう!紅茶お好きですか?先日新しい紅茶の茶葉が手に入ったので」
川上さんが小さく頷いたことを確認し、お兄さんが立ち上がり月白さんに何か伝え、そのまま奥へと消えてゆく
「……コーアちゃん!心配しなくて大丈夫だよ!ストーカーなんてボコボコにしてやるから!……今まで本当良く頑張ったね、後は任せて」
月白さんが川上さんの目線に合うようにしゃがみこみ、ポンっと川上さんの頭に手を置く
頑張った……と言う言葉に川上さんは今まで耐えてきたのだろう涙がポロポロと流れる
「月兄……それセクハラになるよ」
「……えっ」
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