※この作品には全体的に不快と思わせる部分や、ショッキングな表現がされています。検索してはいけない言葉オールスターと合コンしてる様な感覚になるので合コンが苦手な方は逃げて下さい。
───────
続きの記憶、 約1年後だ。
私は、巫女になった。
仕事も熟れてきた。
居間の机に座り、お茶を飲んでた時に
後ろから声がした。
「お久し振りですわ」
「……え…!?」
あの時の娘だ…
何故此処に?
それに、藍色の着物では無く、
洋風で白黒のロリータ服を着ている。
元が金髪碧眼の外人らしい見た目だったものでよく似合う。
だが気になるのが、雰囲気が違う。
「会いに来ました、うふふ…」
「何故だ?
箱入り娘が出てくる程の事なのか?」
「家出しました」
「!?」
……『箱入り娘』がか?
…とはいえ、私も彼女が外に出る所は度々見た事あるが…
「家出」とは…
何かが気に入らなかったのだろうか…?
「傷が無くなったので。」
傷……?あぁ、確かに傷だらけではあったな。
見える肌全てに痣や切り傷があったが…。
「母が死ぬまで私は傷だらけだったのです。」
?と言う事は母が?
……人は見かけに寄らない、という事か?
「…それはお気の毒で。」
「父が私を殺そうとするんです。」
…………は?
────────
彼女はやはり、あの母親によく似た少女だ。
外見だけでなく、振る舞いや性格も、
今まで聞いてきた母親の情報とよく似ている事が判る。
彼女が大人に成ったら更に母親に似つかわしくなり
苦しくなりそうだ。想像すると頭が痛い。
でも知らないといけないのかもしれない。
ここは我慢して、聞いてみようかな…。
彼女はよく勝手に境内に上がっては、
よくお茶を飲みに来る。
無礼なのは判っていそうだが、
流石箱入り娘、どんな目に遭っても
我儘と傲慢を突き通す少女だ。
「それでお母様がね?うふふ…」
彼女は不謹慎な程、家族の話しばかりする。
母は死んだというのに。
其の他、女中や兄の話し。
偶に母親の話しも出てきて、心が痛む。
というか、家に出てないだけあって、
言える事が家族の話ししか無いのだろう。
それなのによく喋る。無理に喋る。
私が口数少ないだけだが、
喋る余裕をくれないのもある。
話題さえ持っていれば中々の話し上手だが…。
私的にも、精神が耐えられそうに無いので、
話しを変える。
「ちょっと待ってくれ、
…判った。私も話していいか?」
「えぇ。いいわよ?」
彼女はこちらが何の話しをするのかが気になり
こちらに寄って、話しを聞く体制に入った。
そして私はやっとお茶を啜り一息ついた。
「じゃあ私が話すから」
そして
今までの巫女になるまでの出来事を
思いついた順から、隙間なく話した。
彼女はにこにこと笑いながら
楽しそうに聞いていた。
「今日はありがとう、とっても楽しかったわ。
また来るわね。」
「うん、………え?」
いつの間にか夕暮れになる頃には、
彼女は眠たそうな目でこちらに手を振って帰っていった。
彼女がどこに帰っているのかはよく判らないが。
取り敢えず、次いつか来ることが決定してしまった。
その後も話したり、後に決まった「喧嘩」で
遊んだり、そんな事を何年も続けた結果、
…仲が良くなってしまった。
そんなつもりは無かった。
当時は、お姫様のお守りをしてるみたいで
なんとなく嫌だったのだが、
現状、只のキチガイメンヘラの友人、という所まできた。
…嫌だなぁ…
──────
現在
「あ゙〜〜〜〜…
あ゙ー………あ゙…?…あ゙〜〜〜〜」
「うるせぇ」
頭がクラクラする。
白昼夢から覚めたはいいものの、やはり体が暑さに
付いて行けなかったようだ。
じりじりと太陽が地面を照らす。
蝉が五月蝿い。
彼女曰く、今年はそういう年らしい。
よく判らなかったが。
「##。」
…はい?何でしょ?
不意に言葉を掛けられた。
暑いというのに私にくっついてくる、
地雷爆発物お抱えシンデレラ、
ルパートの滴の靴、
纏わりつくダイナマイト、着火。
略して「友人」である隣の彼女はというと、
とても母親に似てきた。私がいうと不謹慎だが、
ひどく美人だ。
容姿端麗、麗人らしいと言った所だ。
整った横顔が見える。
目を細めて、とても暑そうにしている。
仮にもお嬢様なのに、とんでもなくはしたない顔だ。
…こいつも熱中症なのではないか?
「私は……お母様の顔と、似ているか?」
……ん。
先程も言った通り、最近は極度に似てきた。
目の形、髪の色、白い肌。
どれも母親のそれを模った見た目だ。
振る舞い、性格、生前の母親を少しでも知っている人は
誰もが彼女を「|譬苓干關スの娘」だと認識するだろう。
だが…………それを言っていいものか。
何故なら、彼女は母が嫌いである。
いや、全て、勘違いなのだ。
それはとても悲しいもので。
…だから私は「どう判断するか」、よりも
「そもそも言うべきか」
という種の葛藤がある。
取り敢えず、濁す。
「………そうね、あんたは…自分で…似ていると
思うのかしら?」
「……人里を歩いていたら偶に耳に入るんだ。
『件の箱入り娘は一層とあの奥方に似てきたな』
ってさ。恐らく似ているのだろう。
まぁた…くだらない…。」
此処最近、彼女はよく「下らない」という言葉を
使うようになった。恐らく、新しい言葉を覚えた
馬鹿のひとつ覚えのようなものだろうから、
いつかは言わなくなるとは思うが、
彼女のヒストリーを一部見てきた私からすると
なんだか哀れな気がした。
「それで君はどう思う訳?」
「……………良いのか悪いのか、
私には判らんよ。
似ても似なくても、お母様は私の母だ。」
「…へぇ。馬鹿ね」
「あ?」
……成程…。
一見普通の事を言っているように聞こえるが、私には判る。
どうやら彼女は私とは違う考えらしい。
私はてっきり母親と似れば嫌悪感を抱くものだと
思っていたのだが、
逆算して「母親が自分の顔と似ていても
あれは母の顔なのだ」と、
馬鹿が難しい事を言おうとした。
…運命論か?いや哲学か。
彼女は自分の顔がオリジナルだと
思っているのだろうか?
この世の人間は全て以下次創作だぞ。
因みに私と彼女との会話で
私達の過去を知る一定の人物から
「そんなに煽って大丈夫か?」と言われるが、
私は魔理沙の地雷を踏んでも、抱きしめて離す事なく、
一緒に被害を受けるので、大丈夫(?)だ。
彼女は被爆(共感)すると、にじり寄ってくる。
因みにこれを言うと「夫婦やん」って言われる。
…そして何故かファンが付く。
この話し要らねぇっ。
話を戻す。
ざっくり言うと、自分が母の顔と似ている
のでは無く、
「母が自分の顔と同じだ」
と言う事だ。
これはほぼ感覚の違いだが、
こいつの自己肯定感が上がっているなら
別にそれでいいや。
…それで完結してるなら何故私に聞いたのだろう。
段々とコイツがめんどくさい系の彼女に見えてきた。
そして淀みなく、応える。
「じゃあ…似てるんじゃ無い?」
「…そっか…うん、判った。ふふ…」
そう言ってクスクスと笑い出した。
すこぶる変な奴だ。
そして笑顔をこちらへ向けてきた。
表面上はとても可愛らしい。愛らしく、
私の肩にすり寄って、こちらの反応を待っている。
只、私にはどうしても…
私は彼女に優しく笑い掛けた。
時偶に「私なんかがこんなに幸せで良いのか?」
と思う事が有る。
こんな人殺しが、
只、其の娘が居る事が誅に値するのだが。
それすらも、彼女は私を咎める事は無い。
止め処無い、「咎め無き咎め」が私を苦しめる。
彼女もまた、狂人の様な少女であって、
私とは違う色、「青」に溺れている。
これも全て、運命論だと云うならば。
…ひどく紅の流れる、残酷さだろう。
END
コメント
1件
最初から最後まで意味わからん文章になってしもうた()