br.kn
左右なし
口調迷子
前回の続きです。
バドエンのまま終わらせたい方は読むの×
ハピエンの方が好きな方は良かったら!
長いです💧
※ご本人様方とは何の関係もありません
br視点
「…ん…」
彼にLINEを送ったあと、Nakamuに個人LINEで今日は休むと連絡した。
そしてその後眠ってしまったらしい。
時間を確認しようとスマホを見ると驚くほどのLINE通知と着信が溜まっていた。
それは全て彼からのもので、「別れたくない」というようなメッセージばかりだった。
…そこまで僕と気まずくなりたくないの…?
一つ一つ彼から送られてきたメッセージを読んでいると、最後に僕のうちへ来ると送られていた。
…彼が僕のうちへくる。
それは30分前に送られてきていて、 彼の家から僕の家までおよそ40分ほど。
もう少し経てば彼は来てしまう。
どうしたらいいのか分からず手汗だけが出てきていた。
しばらくすると、静かな部屋の中から聞こえたひとつのチャイム音。
…彼だ。
ピンポンと優しい音。
今出ればもしかしたら彼との関係を修復出来るかもしれない。
けれどそれは彼の気持ち的にどうなってしまうのか分からない。
彼の別れたくないという意図がどのようなものなのか分からない以上、僕から何かを言うのは宜しくないと思った。
でもきんときとの話し合いは必要…だよね。
あまり足音をならさないようゆっくりと降りていった。
その間、チャイムの音が鳴り止むことはなかった。
玄関の付近まで来てじっとする。
…今玄関の前にいるのは本当に彼…?
そう疑いたくなるほど必死にチャイムを鳴らし、目の前の扉をドンドンと叩いている。
けれど、声は僕の大好きな人の愛しい声であることは確かだ。
大好きなその声で僕の名前を呼んでくれる。
今までの何も知らない僕が聞いていたらどんなに嬉しかったかな。
必死に好きな人から名前を呼んでもらって…
そんなことを考え扉を開けれずに、じっと待っていると気づけば静かな沈黙が流れていた。
帰ったのか分からず確認しようと玄関の方へ1歩前へ足を踏み出すと、先程より落ち着いた…
…落ち着いたと言うより、諦めたような弱々しい小さな声で僕を呼んだのが聞こえた。
耳をすませ何を言うのかと聞いていると
kn「…言うのが遅くなってごめん…」
「…大好きだったよ。ほんとに。」
kn「…今までありがとう。」
彼はゆっくりそう言った。
そしてすぐ、家へ帰ろうとしたのか足音が聞こえ思わず扉の方へ急いで近づいた。
その時、靴を踏んで転けそうになってしまいガタッと大きな音がなった。
思わぬ出来事が起こり、身体がビクッとし硬直したように動かなかった。
そしてその時、彼の足音が止まった事に気づいた。
…この音は彼に聞こえてしまった。
僕が彼を無視しているのに気づいても尚、僕ともう一度よりを戻したいと思ってくれるだろうか…?
そんな不安が一気にぶわっと広がり、少し手が震えたのが分かった。
彼が今この瞬間、どう思っているのか分からず扉を開けて彼を抱きしめることが出来なかった。
しばらくすると、彼の足音が聞こえ徐々に小さくなっていき、すぐにそれは聞こえないほど小さな音になってしまった。
動け動け動け…。
今ならまだ間に合うかもしれない…!
そう心の中では叫んでいて、今でもまだ彼のことが大好きで別れたくないと思っているはずなのに足は動かず涙をポロポロと地面へ落とし、跡をつけることしか出来なかった。
あれから1週間がたった。
今まで毎日のようにしていた会話は途切れ、通話もしなくなった。
大好きなゲームも開く元気にはなれずにボーッとすごす毎日。
…これじゃダメ。早くきんときと話さないと手遅れになっちゃう。
そう頭では分かっていてももう一度拒まれたら… と考えてしまうと何も行動にうつせなかった。
何度も彼とのトーク画面を開き、文字を打つけれど消しての繰り返し。
気分転換に過去の内容を読もうと遡っていると気づけば 1番初めの彼との会話になった。
時間も沢山経っていて、無意識にずっとスライドしていたんだと気づいた。
〈ごめんー!移行上手く出来なくて新しく作り直すことになっちゃった〉
kn〈何してんだよw〉
〈いや出来ないと思わないじゃん!〉
kn〈まあそれはそう〉
少し素っ気ない彼からの返事。
親友と言う立場にいた頃はいつもこんな感じだったなと思い出す。
僕が馬鹿なことを言って彼がそれに冷たく反応する。もしくはそれが彼のツボに入って笑ってくれる。
まあ恋人になってからもそれは変わらなかったけれど、返事のスピードが早くなっていたことは覚えている。
関係が変わる度、どんどん幸せになっていったのに気づけばこんなどん底に落ちてしまい、彼とは赤の他人になってしまった。
こんな別れ方ではもう友達に戻ることすら不可能。
昔の会話を少しづつ下へしていく度、涙がまた流れ落ちてゆく。
3日後…1週間後…2日後…
そんな頻度だったのがいつの間にか毎日会話をするようになっていた。
日付を見ればそれは恐らく僕が彼を好きになり始めた頃。
懐かしい。
あの時は彼に好かれるように必死にアタックをしていたな、なんて思い返す。
冷たくあしらわれることもあったけれど、諦めずに何度も何度もチャレンジしていた。
そして、振られる覚悟で告白した結果はまさかのOK。
…その頃の僕はすごく強かったなと思う。
今の僕はもう、彼にアタックできる強さがない。
そんな時、あるひとつの会話を見つけた。
それは僕が少しネガティブ思考へ陥ってしまい、彼から励まして貰っているものだった。
kn〈大丈夫。俺は絶対Broooockのこと嫌いにならないよ〉
〈離れないって約束する〉
彼がそう言ってくれていた。
…なんで覚えていなかったんだろう。
彼はこんな言葉をかけてくれていて、しかもそれは1度だけではない。
僕が落ち込んでしまっている時は必ずそう言ってくれていたし、ずっと隣にいて慰めてくれていた。
彼から「好きだ」という言葉をストレートに言われたことはないが、彼の一つ一つの言葉は僕のことをなんとも思っていないようには感じられないものばかりだった。
彼なりに一生懸命愛情表現をしてくれていたのに、僕はそれに気づかずに僕だけが好きだと一方的に決めつけてしまっていた。
それに気づいた瞬間彼と話したい。謝りたい。そんな気持ちでいっぱいだった。
今更話してくれるか分からないけれど、このまま彼と話さなくなってしまう方が拒絶されるよりも嫌だと思った。
彼からの慰めの言葉を何度も繰り返し読み勇気を貰い、覚悟を決め着信ボタンを押した。
プルルルル
1コール、2コール…
増えていく度に心臓のドクドクという音が大きくなっていく
ゴクッと一息飲んだ瞬間、大きくプルルルルとなっていた音は消え、今まで沢山聞いてきていた愛しい声が聞こえた。
kn「…もし…もし…」
…出てくれた。彼が出てくれた。
あまりの嬉しさに泣いてしまい、必死に声を押し殺していたけどそれでも中々声を出さない僕に違和感を感じた彼は「…泣いてる…?」と聞いてきた。
今までなら彼は目の前にいたんだから頭をコクリと動かすだけで伝わっていたけれど、今彼は僕の目の前にはいない。
僕から手放した愛しい彼…
「…きんとき…ごめん…」
泣きながら必死に出した声はとても聞き取りずらいもので、すごく震えて途切れ途切れになってしまっていた。
僕は彼からの好意をないものとししっかりと受け入れられておらず、強引に別れ話をして離れた。
彼からしたらものすごく最低なヤツなのに、彼も何故か泣いていて震えた声で「…俺もごめん…」そう言ってくれた。
「…今から会えない…?」
お互い泣きながら会話をし、彼の今までの気持ち。
僕の思っていた気持ち。
それを全て言い合い、泣きやみ落ち着いてきた頃彼にそう提案した。
彼は迷わず返事をしてくれて、思い入れのあるコンビニ前集合になった。
いつもは彼と会う前、しっかり髪の毛をセットして服を決めて…
そう身だしなみに気をつけていい格好でいたけれど今日はそんなことを気にせず上着を着てすぐに家を飛び出した。
早く彼と会いたい。あのすっぽりと埋まる細身の愛しい人を抱きしめたい。そんな気持ちだった。
コンビニに着くと、彼はまだ来ておらず1台の車が止まっているだけの静かな外だった。
それもそうだ。今の時刻は夜の1時半。
…こんな暗い夜に一人でいるとネガティブな思考へと陥ってしまう。
彼は本当に来てくれるのかな。
もしこれも僕と気まずくならないためのものだったらどうしよう。
彼が本当はこんなめんどくさい僕のこと嫌いだったらどうしよう。
先程通話で彼からのたくさんの気持ちを聞いたはずなのにそれでも不安に思ってしまう自分に嫌気がさす。
…こんなの彼にも失礼だ…。
端の方でしゃがみ、顔を埋めるように俯いていると目の前に誰かが立っているのが分かった。
思い切り顔を上げると、「おわっ、」と驚いた声を出していた。
そしてその人は僕が世界で1番大好きな人。
彼をこの目で見て瞬間、色んな感情が湧き上がってきて思わず彼をぎゅっと抱きしめた。
「…苦しいよ…笑」
そう言いながらも、彼は肩を震わせ少し涙を出していた。
先程よりぎゅうっと強く抱き締めた後、彼から離れ手を差し出した。
…これはいつもしていること。
自然に手を繋ぐのもいいけれど、こうしてわざと彼の前に手を出し繋ぎたいんだと気持ちを見せると、照れながら手を置いてくれるのがとても好きでいつもそうしていた。
手を出した瞬間は何も考えずにいつものように出してしまったけれど、出してから彼は手を取ってくれるのか…。元恋人と手を繋ぎたいとは思わないんじゃないか…。
そう色んなことを考えてしまったけれど、それをふわっとかき消すように彼の手が重なった。
少し俯いてしまっていた顔をあげ、彼の顔を見る。
暗いためいつものように彼が赤く染っているのかどうかは分からなかったけれど、目を逸らしながら手を置いてくれていた事だけはわかった。
…目を逸らすのは彼が恥ずかしがっている時にすること。
まだ僕と手を繋ぐことで照れてくれる事に気づいた瞬間、ぶわっと風が吹くかのようにネガティブな気持ちが飛ばされていった。
彼の手を優しく触り、恋人繋ぎへと変えたあと彼の家の方向へと歩き出した。
何も話さずにゆっくりと進んでいく。
そして、公園の横のような道。周りに木がありベンチの目の前へ来て僕は立ち止まった。
そして彼の手を離し目の前へと立つ。
「…この間は本当にごめん。」
「…きんときが良ければ、もう1度。僕と付き合ってくれませんか…。」
…この場所で告白をしたのは、前に彼に告白したのもここだったから。
夜に先程のコンビニでアイスを買い、食べながらダラダラと会話をしてベンチの横にあるゴミ箱にゴミを捨てて、少し休憩といって座っていた。
少し話した後、緊張しながらも彼の手を引っ張り立たせ、この場で告白したのを今でも覚えている。
付き合っていた時、彼は僕のことを本当に好きでいてくれていたのは分かったけれど、もう一度僕の隣を歩いてくれるかは分からない。
不安と緊張でドキドキとしていると、彼の口がゆっくり開いたのが分かった。
kn「…俺でいいなら…ぜひ…」
そう言って、ゆっくりと抱きついてくれる彼。
…彼もあの日のことを覚えてくれている。
そう、あの日もそう言って彼は僕に抱きついてくれた。
顔を押し付けるようにしてくっつき、服の裾をギュッと掴む。
「…あり…がとう…」
強く強く彼を抱きしめ、もう一度僕はあの幸せを掴んだ。
そして今度こそ優しい彼を離さないと…。
そう強く心に決めた。
リクエストありがとうございました😽♡
最後まで見て下さりありがとうございました🙇🏻♀️
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